GMCホイールキャップ複製 概要

 先日仕事でお預かりしておりましたGMCの純正ホイールキャップです。サイズは直径が20センチ弱くらいで、素材はアルミ製です。今回はこちらの部品を塗るのではなく、これを基にして同じような物を2個作り、それらをこれと同じように塗装して仕上げるといったご依頼になります。

複製方法はそんなに難しい事では無く、 いつものようにシリコーン樹脂で型を取り、そこにエポキシ樹脂を注いで作ります。

ちなみにアルミで鋳造して作る場合は、素材が冷めた際に体積が少なるなる分を考慮し、改めて少し大きなサイズの原型を作る必要があるらしいです。

実は最初にお問い合わせを頂いた時はてっきり「未塗装のアルマイト仕上げ」だと思っていて、その場合は当店の仕事では無いのでそういった作業を引き受けてくれそうな金属加工屋を紹介したのですが、どうやら普通の金属加工では対応が出来ないと言う事で再び当店にご相談が来たのです。

以下の記事がその途中の時の事で、この後まさか再び私の所に話がやって来るとは思ってもいませんでした。

ワンオフパーツの作成

金属加工屋さんでの施工が難しかったのがこの湾曲した形状で、確かに考えてみればこれは切削で作った物では無く、鋳造で作られた物ですよね。切削でも出来ない事は無いと思いますが(出来ない物など無いでしょう)、これ一つの為だけに信じられないようなコストが掛かるので余り現実的では無い、といった所でしょうか。

 ホイール本体との接合部にはゴムモールが当たるようになっていて、これはホームセンターかモノタロウ等で手に入ると思うので、ある程度タイミングが来たら別途手配しておきます。

あとはシリコーン型の合わせ目をどこにするかで、私的には溝の下側、山のプレスランより0.5ミリ~1ミリくらい下にしようかと思っています。溝の深さは2.8ミリで、これくらいなら型を少し捲れば大丈夫なのでは、と思っています。

注型に使う樹脂については、いつも使っているクリスタルレジンにカットファイバーもしくはガラスパウダー(グラスファイバーを粉状に粉砕した物)を入れて強度を高めるか、またはガラスクロスを型に入れてレジンで固めるなどを考えています。エポキシなら可使時間が長いので真空脱泡注型が可能ですから、これなら樹脂にある程度粘度があっても大丈夫ですし、ファイバークロスを内包する事も可能だと思います。

ただシリコーン型が自作のデジケーターに入らない可能性があるので、その場合はデジケーターから作り直さないといけないかもですね。今使っている物は、ファブスペースの立ち上げに関わっている知人に譲ろうと思っていたので、これは丁度良いタイミングだったかもです。

と言う事で、まずはカットファイバーとガラスパウダーの到着を待つ事とします。