「第22回岡本太郎現代芸術賞」展行き③

 先日に引き続き、第22回岡本太郎芸術賞に行った時の紹介となります。

いつも企画展会場に入るこの場所からの、正面に見えるところにある作品が印象的なのですが、今回は地味・・・というか真っ暗です。

 こちらはArt unit HUSTによる「In Vitro一閉鎖⇔連鎖一」なる作品です。

美術館建物の構造的に、この場所は四方がガラスで囲まれている小さな部屋になっていて、この中に一つの作品が収まっています。最初からこの中に飾る事を想定して作品が造られている訳では無いと思うので、選考されてからデフォルメされているのかもですね。

 中には剣山のような物がビッシリ敷き詰められていて、医療用の物か何かだと思っていたのですが、どうやらこちらは「プラグトレー」なる物で、後で調べてみると苗を育てる時に使う物なのだそうです。てっきり金属(ステンレス)と思っていましたが、プラスチック製かも知れません。

 部屋に入って丁度真正面の壁に掛かっているこちらの部分ですが、よく見ても良く判らなかったのですが、説明を見てみるとミラーの一つ一つに胎児のエコー画像が仕込まれているようです。

先ほどのプラグトレーが何かを育てる物だとすると、双方で関係性があるっぽいですね。私にはちょっと難し過ぎたのですが・・・(苦)。

と言う訳ですが、その隣にあったのがこちらの大きな円形の作品で、赤穂進氏のPortrait of Gold Coinとなります。

直径2メートル以上とかなり大きなサイズで、近くで見ると判り難かったのですが、少し離れてみると画像のように人物が描かれているのが判ります(実物は離れて見ないと本当に判り難いです)。

使っている素材は「キャンバス・アクリル・スプレー、その他」との事で、裏を見ると平滑なキャンバスの布地しか見えませんから、もしかするとアクリル絵具だけを塗り重ねてこの立体を表現しているのかも知れません。だとしたら凄いですね・・・。

 と言う感じで会場内を回っていたところ、最初に紹介した國久真有氏の「BPM」で実演が始まった模様です。

今回行った岡本太郎芸術賞展では、制作中の作業を公開するイベントは何度か確認していましたが、いつも日程が合わず、実際に目にするのは今回が初めてです。

 パンフレットに記載された作者の説明によると、


「絵画(四角い平面)は何次元もの事を平面に取り込めるという特性を持ちます。そこに興味を持ち、四角い画面がイリュージョンを示すまで様々なドローイングをしました。この絵画シリーズは、ひとつの結果としての四角い平面絵画です。人体を軸にし腕のストロークと遠心力を利用し描くwit-witシリーズと言う絵画です。自身の身長と同じ直径の円を画面に現し、その積層はキャンバスと作者の間を取り払うかの様にし、四角い画面は絵画空間を出現させていきます。円は、作者の鼓動に合わせ描かれています。


との事です。

作者はこの間ヘッドフォンを着けながら描いていたので、上記の説明からしてもしかしたら自身の鼓動を聞きながら作業をしていたのかもですね(単に音楽を聴きながらだったかも知れませんが)。

 11時くらいになると段々人が増えてきたので(とは言っても都心の美術館に比べるとガラガラですが)、最後に美術館の屋上に少し寄ってから帰る事にしました。画像は屋上から見た岡本太郎氏作の「女」です。

 そして帰り道ですが、今回は何と屋外にも作品が展示されています(最初から屋外での展示を想定していたのか、またはこれも入選してからデフォルメをしたのでしょうか)。

こちらは井口雄介氏の「Para-site-frame-work」なる作品で、

 タイトルの通り、作品自体が建物(美術館)に寄生するような感じです。

使われているのは身近に見る鉄筋で、何だか親近感を感じてしまいます(笑)。

見た目だけではなく、今回の場合だと強度とかも考えないといけないでしょうから、溶接作業とか結構大変だったのではないかと思います(つい作業工程ばかり考えてしまう癖が・・・)。

今回は残念ながら天気が良く無かったのですが、もし天気が良かったら山に行ってしまっていたとも考えられるので、結果オーライだったかも知れません。

他には5月25日(土)~26日(日曜日)に六本木アートナイト2019があるので、都合があればそれも行ってみたいと思っています。前回は自転車で行きましたが今はある程度歩けるようになったので、行きは終電前に電車で、帰りは徒歩で帰れれば!と企んでいたりもします。

ただ徹夜は身体に負担が大きいので、今はもう難しいかも知れません、が・・・(苦)