ペイントストレーナー(漉し紙)

以前行ったサーモス塗装ワークショップ(模擬)で、知り合いの塗装屋さんが濾紙の使い方に驚いていたようなので、ちょっと紹介しようかと思った次第です(間違いだったらすいません)。

画像は以前も紹介したアートトイペインターのGUNさんで、実際にサーモスを塗って貰っているところですが、手に持っているスプレーガンのカップから濾紙が食み出ているのが判るでしょうか(これだとちょっと食み出過ぎで、自転車のフレームを塗る時などはこれが接触してしまうのでNGですがサーモスなら問題無いです)。

自動車塗装の場合、一般的には上の画像のような専用のペイントストレーナーを使います。

昔はここのフィルター部分が紙製で「細目」「粗目」など種類があったのですが、その後はこれが樹脂製のメッシュに変わり、穴の目が均一になったお陰で一種類のみで全てをカヴァー出来るようになりました。細目だと粗めのメタリックとかサフェが通らなく、粗目だとガバガバ過ぎるので使い分けが必要だったんですよね。

ただストレーナーのフィルターだけだとやはり細かいゴミが通ってしまう(気がする)ので、私の場合はその上に吉野紙を重ねて使うようにしています。特に黒や白などの無機顔料は粒の塊が結構あるので、ストレーナー単体で使う事は殆どありません(ただし結晶塗装の塗料は粘度が高いのでストレーナー一枚でしか通りません)。

 吉野紙とはこういう物で、ある程度のサイズがある物を予め小さくカットしておいて使います。私は大中小3種類に切って使い分けてます。

 自動車ボディの塗装に比べて、小物の塗装はとにかく多くの色を扱う為、毎回ストレーナーを使う訳にもいかず、大抵はこのようにして吉野紙を二重にして使います。上の画像だと中に小サイズを重ねた感じですね。

 使った吉野紙は外さず、そのまま蓋で挟むようにして締めてしまいます。こうすればカップの裏に着いているホコリが塗料に混ざる事もありません(と言う事よりも、わざわざ取り除く手間が掛からないのでこれが普通です)。

ちなみにガンを使い終わった後はカップの内側を洗いますが、その時に着くホコリが気になるので、次に使うまでにはシンナーを2~3回くらい入れ替えて洗浄し、さらにクリアーの塗装の時には一旦濾紙を通してカップに入れたークリアーをもう一度塗料容器(紙コップなど)に戻し、再度入れ直して使います。こうするとカップ内はクリーンなクリアーで満たされて気分が良いという訳です(さすがに病的な感じですが本当にそうしてます)。

尚、ディーラー(のサービスセンター)に居た頃の同僚は、吉野紙などケチ臭い物(!)は使わず、上の画像のようにストレーナーを2~5枚程重ねて使っていました(本当)。

どれだけ贅沢なんだ!と思いますが、大量に仕事を回していく工場では消耗品の経費よりも仕事量を重視するので、世の中的に刃こういうのが普通みたいです。国産メーカーの修理工場では、塗装ブースのヒーターが60℃設定で24時間稼働しっぱしだとか・・・(恐)。