サーモス(模擬)ワークショップⅡ①

 前回ちょっと都合が悪くなって中止となっていた従弟とのサーモス塗装ワークショップですが、GWの休日を使って遂に実現する事となりました。

 こちらが以前も何度か登場したシューズデザインの仕事をしている従弟で、

今回は彼が立ち上げたブランド、”Re:EGO”のデザインをサーモスに取り入れたいとの事です。PCまで持ち込んで来てまたなんて面倒そうな事をやる気が伺えます(笑)。

場所を工場一階に移動し、まずはベースコート用の色を作製して貰います。

 色はマゼンタやバイオレットなど濃いムラサキ系の原色をベースに、ブルーパール、グリーンパールなどでアクセントを加えます。

 また今回はサーモスとは別に、市販のシリコーン型を使って練習用のサンプルも作製して貰う事にしました。

 使用したのは一般的なFRP補修に使うポリエステル樹脂=リゴラックで、主剤と硬化剤を混ぜて使います。

 ダブルアクションサンダーを使ってバリも取って貰いました。

スプレーガンに下色用の黒を入れ、まずは段ボール辺で大体の感覚を掴んで貰い、

 先ほど用意したダースベイダーに塗って貰います。

 スプレーガンの調整は被塗物に対して塗り易いようその都度こちらで調整しますので、初めての方でもそんなに難しくは無いと思います。多分、ですが・・・。

 と言う訳でベースコートが完了です。

ちなみにダースベイダーの頭には後でヒートンを挿せるよう穴を開けておきました。最後にキーホルダーに出来るようにです(相当ゴツイ物になると思いますが・・・)。

 そして最後にクリアーを塗ります。クリアーは2回、間には5分ほどのフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設けています。

生まれて初めてスプレーガンを使ったとの事ですが、十分過ぎる程綺麗に塗れていると思います。

尚、サーモスの方はこれに加えてデカールの貼り付けも行っていて、そちらも後日改めて紹介しますね。

続きです→ サーモス(模擬)ワークショップⅡ②

パラフィンワックス

darth11こちらは少し前にも紹介したポリエステル系の透明注型用樹脂です。直接仕事に使うと言う訳では無いのですが「透明な成形品」を作るのが子供の頃からの夢だったので購入していました。主にキャンディーカラー用の色見本を作る為に使っています。

ただ購入した物が「ノンパラフィン」だった為か、注型して固まった後にシリコン型から外すのが大変で、本来であれば型に離型剤を塗るのが良いのですが、場所が塗装工場ですし、これから塗装する物にシリコン(実際はシリコーン)が付いて欲しく無かったんですよね。少しでも残っていれば塗料が激しくハジいてしまいますので。

darth7 と言う訳でジャジャーンと!!。パラフィンワックスを単体で購入です。

ノンパラの樹脂にこれを入れるとインパラに変わり「カラっと仕上がる」との事で、うーん、こういうのを待っていたんですよ!

darth1購入したパラフィンを主剤に5%を入れ、さらに硬化剤を1.5%入れたら早速ダースベイダーのシリコン型に注ぎます。表面に油の膜みたいなのが浮いているのが気になりますが、これが空気を遮断してくれてベタ付かずに固まってくれるんでしょうね(と言う原理みたいです)。

darth2 そしてジャジャー・・・ん・・・

確かに全体の表面はカラっと仕上がったのですが、折角の透明な樹脂が何故か白く濁ってしまいました。曇りは表面だけかと思ったら、何と芯の奥まで白いです(苦)。

darth3一体どういう事かと思ったのですが、パラフィンを入れると多少白く濁るのは仕方ないらしくて(それにしても濁り過ぎでしょう)、結局改めてノンパラのままで注型する事にしました。もしかしたらパラフィンを暖めてからとか何かしらの技があるのかも知れませんが、まあその辺は今後勉強していこうと思います。むしろこういう失敗は結構楽しいですしね(仕事で無ければウェルカムです)。

darth4ノンパラで作ったダースベイダーは表面どころか樹脂全体がベタベタとしていて、そのせいで型から上手く外せず型を痛めてしまう感じなのですが(既に一個穴が開きました・・・)、まあ型となるシリコントレーは¥1,500くらいなので、離型剤を使うよりかはと言う事でそのまま行く事にしました。

darth6ちなみに型から抜いたダースベイダーを暖めると表面が溶けるような状態になって、多少艶消しっぽかった仕上がりがいつの間にかテロテロの艶々になっていたりします。良いですね~。

これでまた綺麗なキャンディーカラー用の色見本が作れそうです。フフフフフ(病)

色見本 増産中

darth33 今日は天皇誕生日と言う事で休日ではあったのですが、年末間近と言う事で普通に出勤していました。まあ単に「休みの日の筈だったのに仕事が進んでいる!」と言うのが好きなだけなんですけどね。何だか得した気分なのです(多分間違い)。

mag11実は色見本の作製に必要なネオジム磁石が切れていたのですが、先日近所の100円ショップを覗いたらこれが導入されたのでここぞとばかりに全部買い占めておきました。8個×20セットなので、これで160の色見本が作製できます。いやー、良かった良かったです。

darth34と言う訳でベースとなるMDF板にそれぞれ磁石を埋め込んだらプリントした紙を貼り付け、塗装を施したダースベイダーをセットしていきます。いやー、今回も沢山収穫出来ました。

darth35 こちらは先日本塗りを終えたW124のエアークリーナーボックスなどに採用した3コートキャンディーブルーで、下色に塗った色板とその配合データ、そしてその上にキャンディーブルーを塗った色板も貼ってカラーサンプルが完成です。

darth37こちらも同じくW124のエンジンルーム内のパーツに採用したキャンディーオレンジで、ダースベイダー自体は以前塗っておいたのですが、その隣にあるアクリル板を塗っていなかったので今回塗っておきました。パールやメタリック、キャンディーカラーは平面で見た場合と曲面で見た場合の色変化が違うので2種類あると凄く判り易いんですよね。

darth36 こちらも先日本塗りを終えていたBMW X5用のエンブレムの一部に塗ったブルーメタリックで、配合率とまではいきませんがこうやって使った原色が判るようにしておけば次にこの色を作る時に非常に約に立ちます。しかし隣に貼るアクリル板は塗り忘れたと言う・・・。

darth38平面と曲面で見た場合の差がよく判るのがこのモトクロームの色見本で、同じ色なのにダースベイダーとその隣に並んだアクリル板とで全然違って見えるのが判ると思います。唯一同じ角度を向いている目の部分だけが同じように見える、といった感じですかね。

色見本の作製はそこそこ手間は掛かりますがいずれこれが役に立つ日は必ずありますし、何よりも自分が行った仕事が手元に残るような事が嬉しいんですよね。画像などのデジタルデータも良いのですが、やはり形がある物を手にとって見れるのは楽しいです。

今日のルーティンワーク

darth29 先日テールランプ関係の塗装を行った時に序に色見本用の素材も塗っておきました。

左が通常のキャンディーレッドで、右がさらにそれに「おまけスモーク」を掛けた塗装です。素材は透明注型樹脂で作った透明なダースベイダーですね。

darth35 テールランプの方は磨き処理がありますがこちらはそのままで完成なので先に色見本として作製しておきます。これがもっぱら最近のルーティンワークですかね。

darth41レーザーで切り出したMDF板にデータを記入した紙を貼っていきます。一見面倒くさそうですが、RPGで武器などのアイテムが増えていくような感覚に似ていてこれが結構楽しいんです。塗装を続けていくのであれば生涯役に立つ筈ですからね。

darth36 ちなみにキャンディーカラーはそのまま黒い面に貼ってしまうと綺麗に発色しないので、反射板の代わりにアルミテープをカットして裏側に貼り付けておきます。

darth37 アルミテープは両面アルミになっているのでこれでOKです。さらに両面テープを貼ってダースベイダーを背板に貼り付けます。

darth38 こんな感じで完成です。土台となる板やデータが出来ていればもう簡単に出来てしまうんですよね。裏側に貼ったアルミシールのお陰で色も綺麗に発色してくれています。

darth39 ちなみにこちらは最初の画像の中にチラっと写っていた石仮面ですが、これも以前製品から型を取って複製し、さらに色を塗って作った物です。裏側にネオジム磁石を付けているのでメモを挟んだりするのに重宝します(なんて全くそういった使い方はしていないのですが。笑)。

darth40と言う事ですが、折角仕事が終わってからなんなので少し遊んでみました(笑)。

実際塗装にはスタンドックスを使っているので一応は色見本となりますし、裏側についているネオジム磁石のお陰で着脱も自由自在ですから、好きな時に好きなところに持っていけるようになってます(って、持っていきませんか。笑)。