公衆電話(本物)

tel3 ちょっと古い画像を探していたら懐かしい仕事を見つけたので紹介してみます。と言うか撮影した時の元画像が一部無かったりするのでちょっと残念なのですが・・・。4年前の2010年の3月頃に行った作業で最近はめっきり見なくなったダイヤル式の公衆電話です。

tel2つい先日も「ピンク電話」の塗装でお問い合わせを頂いたのですが、やはりと言うか金額的に折り合いが付かずご依頼には至りませんでした。物としての価値はよく判りませんが、再塗装(と言うかこれはもうレストア)するとなると結構な手間は掛かりますから金額もそれなりになってしまうのです。それでもボディはスチールで出来ていますから再生出来るだけでも奇跡的だと思うのですが・・・。最近の製品って壊れると致命的と言うか修理して使えるようには設計されていないような気がしますので。「分解しないで塗れないか」といった質問もありましたが、こんな事態になった場合それは無理と言うものでしょう・・・。

tel1中身はまさに「機械仕掛け」といった造りになっていて、ただメンテナンスをする事を想定して作られているので分解自体は実は結構単純です。なかのこの金属の塊がゴッソリ抜き取れたりするんですよ。イメージとしては、ちょっと気持ち悪くて申し訳無いのですが人間の頭の中を出し入れしてるような感覚でした。

telこちらのカバーは「頭蓋骨」にあたるところで、素材が硬い金属ですからそれがまさに「骨」をイメージさせていて、これの塗装では皮膚を付けて生き返らせてあげたような感覚になっています(壊)。

こういった仕事は商売としては中々成り立ち難い所がありますがそれだけに記憶には強く残っているようで、これは辛いことは忘れて良いことだけが記憶に残る作用が私の頭の中で働いているのだと思います。この仕事が終わった時には二度とやりたくは無いとか思っていた筈ですので・・・。私の脳も中々都合が良いように出来ているようです(笑)。