メガネフレーム 割れ修理

 塗装の仕事でご依頼を頂いていたセルフレームですが、実はレンズの脱着時に破損させてしまっていました。

メガネフレームの破損は自身初の事でかなり凹んでいたのですが、オーナー様からは逆に色々とお気遣いを頂きまして、既にレンズの取り付けをしてくれるメガネ屋さんもお手配を頂いたりとこの後の対応もして頂いたりしました。ご迷惑をお掛けしたにも関わらず、色々とお手数を頂き誠に有難う御座います!

尚、こちらの修理に関しては当店にて承らせて頂く事になりまして、幸いにしてこの後色を塗りますので、これであれば修理は可能と思った次第なのです(ただし仕事としてはお受付しませんのでこちらの社外記での紹介となります)。

 先日手配していたピンバイスと極細ドリルの刃セットが届きました。ちなみにピンバイスは使うのが初めてで、今まではインパクトドライバー用に使っていたキーレスドリルチャックアダプターをこれの代用としていました。

ちなみにピンバイスは子供の頃欲しかったのですが、当時は高嶺の花で買えませんでした。大人になるって最高です。

 と言う訳で、作業開始です。

 修理方法については色々考えて、今回はレンズの取り付けをメガネ屋さんがやってくれるとの事なので、私が折った所は絶対に再発しないようにと、とにかくしっかり直せる方法を考えました。

そして考え出した方法がこのネジを骨として入れる方法で、イメージとしては鉄筋コンクリートとか歯のインプラントみたいな感じでしょうか。

 尚、今まで持っていた一番細いドリルの刃は1ミリまでだったので、今回はさらに細い物と、また小刻みにサイズが揃っている物を購入しました。

 まずは0.8ミリで下穴を開け、その後1.0ミリ→1.2ミリと穴を広げていきます。

 画像はM1のネジですが、最終的にはM1.4のネジを挿し込んでネジ山を作りました。

 同じように反対側にも穴を開けて、

 こちらも最終的にはM1.4のネジを挿し込みます。ちなみに素材は柔らかいので、1.2ミリの穴に1.4ミリのネジを入れると勝手にネジ山が出来てくれます。今回はこのギザギザが肝ですかね。

 そしてM1(直径1ミリ)のネジの頭をニッパーでカットし、

 穴に通します。

穴のサイズはおよそ1.4ミリで、そこに1.0ミリのネジを挿し込むので、±0.2ミリの遊びが出来るといった感じです。

この±0.2mmの遊びのお陰で多少穴の位置がズレていても折れた断面はピッタリ合わせる事が出来ます。勿論本当は遊び無くシャフトを打ち込みたい所ですが、さすがに折れた両方に真っすぐの穴を空けるのは難しいので今回この方法を取りました。

遊びがある隙間には後に構造用接着剤を充填する事で対応し、また穴にはギザギザのネジ山と、通すシャフト自体にもネジ山がある為、ここでガッチリと止まって抜けなくなる!と言う算段です。単に穴を開けて接着剤を入れるだけでも大丈夫だとは思いますが、念には念をと言う感じですかね。

尚ネジはステンレスなので錆びませんからご安心下さいませ(インプラント体みたいにここをチタンとはいきませんでした…)。

この後は通常の仕事となりますので日記の方で紹介したいと思います。お待たせして申し訳ございませんが引き続きどうぞよろしくお願い致します。