塗装業界で塗料の攪拌と言えばヨトリヤマの攪拌棒(商品名はミキシングバー)が基本ですが、
自動車塗装の現場では専用のポッドを使うので問題はないのですが、
小物の塗装の場合とにかく多くの色を扱うので、今はコストを考えて紙コップの使用がメインになっています。昔の紙コップのように内側に蝋が塗られたタイプは塗料でそれが溶けてしまうのでNGですが、近年の紙コップは内側にポリエチレンがコーティングされているので溶剤系の塗料に使っても大丈夫なのです。
と言う訳で、ボール紙で紙コップが倒れないホルダーを作ってみました。
また余った色をそのままにしておくと溶剤が揮発して塗料がガビガビになってしまうので、ある程度の保存が効くよう蓋も被せられるようにしました。
と言う訳で、先程作成したモックアップを基にIllustratorでデータを作製し、
レーザー加工機でMDF板をカットします。厚みは5.5ミリです。
何度かカット&修正を繰り返し、大体良くなってきたら蝶番を取り付けて仮組をします。
蝶番の固定には2.3ミリ径のリベットを使いました。
見た目や細部の調整はもう少し詰めますが、取り敢えず基本形は完成です。
通常色を作ってから本塗りまでには数日時間が空く為、その都度蓋をしたり攪拌棒を外して洗うと言うのは結構面倒と言うか時間の無駄になりますが、
こんな感じでミキシングバーを挿したまま蓋を締められるようにすると、本塗りまでの間に一時保管が出来るようになります。
蓋はあくまでも簡易的な物ですが、本塗りを終えて依頼品が無事納まった後まで塗料中の溶剤が残っていれば再び下塗り用として使える事が出来るので、経済的且つ地球に優しく出来るのではと。
もう少し手を加えたらいつものようにモニター用として配布して、ウェブショップで販売も出来るようにする予定です。
ただ普通の方(趣味で塗装をする方)が、果たしてヨトリヤマの撹拌棒を使っているのかどうかが微妙なのですが・・・。