ステップワゴンフロントグリル サフェ入れ

stepwagon2 こちらはステップワゴンの社外品フロントグリルで、ちょっとタイミングは早いですがレクサスの内装パーツと一緒にサフェーサーを塗りたかったので並行して作業しています。

素材はFRP製で、表面に塗ってあるのはポリエステル系の黒ゲルコートです。ちなみにゲルコートは部品が出来上がってから塗っている訳では無く、最初に型に塗ってそこにグラスファイバーなどを貼っていきます。以前一時期勤めた町工場にはFRP屋さんが間借りしていて、一度最初から最後までやらせて貰いましたが型から抜く瞬間は凄く楽しかったです。その後が大変なんですけどね(バリをグラインダーで切るのですが体中がチクチクに・・・)。

上の画像は表面の凸凹になったゲルコートを#180のダブルアクションサンダーで平滑に削っている所です。今回の製品はゲルコート表面に繊維目がかなり出ているのでこの時点で平滑になるように削っておきます。

stepwagon5細部は機械では研げないので最後は#240のペーパーを手研ぎで仕上げています。また機会研ぎだと平面以外の場所はカクカクに仕上がってしまうのでそういった箇所も手研ぎで面を取っておきます。

stepwagon3そしてサフェーサー塗布完了です。塗装工程としてはここが一つの区切りといった感じですかね。ちなみに一般的な町工場では親方が本塗りしている間に小僧(見習い)がこういった作業をやっておくのですが、うちはワンマン稼動です(苦)。まあ一人の方が気楽なので全然問題無いですけどね。もう最後までこのスタイルで行く予定ですので。

stepwagon4そして今回一緒に御依頼頂いているメッキ製のナンバーブラケットです。見た目は上のフロントグリルと変わりありませんが、この下では通常とは違うやり方での下地処理となっています。普通にプライマー塗ってサフェーサー塗っても装飾クロムメッキには十分な密着性が得られなく、密着剤などを使えば初期性能はある程度保持出来るのですが、大抵は後から「異様に飛び石が多い」「ペリペリと剥がれて来た」といった事態になります。

「じゃあこれはどれくらい大丈夫なの?」と言うとちょっと専門的な解答になりますが、これを削る時にはフェザーエッジが普通に出せます。塗装屋さんならこれが普通の事では無いのが判りますよね。エッジを爪で引っかいても剥がれませんので普通の塗膜と同じ様に感じる筈です(なのに下地からメッキが出てくるというのは異様な光景だと思いますが・・・)。

ちなみに以前私が塗ったメッキ製品を、偶然(といっても業界が狭いので)知り合いの塗装屋さんが修理する機会があったのですが、それを削ってビックリしたそうです。ただ直し方も教える事になったので塗装方法自体を知られる事になってしまったのですが・・・。まあ作業自体は難しい事では無いですからね。碁盤目テスト(密着性のテスト)が面倒で誰もやらないだけだと思います。

それではこちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

ステップワゴンフロントグリル周り 塗装承ってます

step 先日無事到着しておりましたステップワゴンの外装部品3点です。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!今回は先に上の2点が到着しまして、後から社外品のフロントグリルがメーカーから直送でやって来ました。

上の二点はボディ同色のホンダ純正色プレミアムホワイトパール(カラーコード:NH624P)で承っておりまして、一点はメッキ素地のパーツなのでそのまま普通に塗っても塗装は密着しませんからいつものようにメッキ素地専用の下地処理を施してからの塗装となります。ちなみに塗装には「密着材」といった一見便利そうな下地塗料もあるのですが、余り長く持たないと言うか一箇所剥がれるとそこを起因としてペリペリと剥がれ始めたりするので、余りお勧めは出来ないというか当店ではそういった作業は行っておりませんので御安心下さい。

step1 そしてこちらは社外品のFRP製フロントグリルです。こちらはボディ色では無く、「HONDA純正色のNH737M/ポリッシュドメタリックを半艶で」と承っております。何か聞いた事のある色名だと思いきや、少し前に別件でご依頼頂きましたルーフアンテナに塗った色と同じですね。

step2 FRP製品は手作り的な工程で作られる為か、仕上がりにムラがあるというか塗装屋としては余り良いイメージはありません。見える粗であればまだ良いのですが、場合によっては積層された繊維の中に残っている気泡が熱を加えるとそこが激しく膨らむ「ブリスター」が生じる為です。なのでサフェーサーを塗った段階でしっかり熱を掛けてその時点で発生するブリスターは出すだけ出してパテで処理をしておきます。本塗りを終えた後にそんなにが出て来てしまったら大変な事になりますので・・・。

step3ゲルコートの表面には全体的に繊維の目が出ているので、こちらは#180~#240で研磨した後にサフェーサーで下地を作り直します。アルミネットは外せるようになっているので作業前に一旦外して完成時に元に戻します。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!

その他到着しておりますご依頼品も順次紹介していきます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!