日産S20ヘッドカバー 本塗り

先日下塗りとして艶あり黒に塗っておいた、KPGC10型スカイラインGT-R(ハコスカ)のヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

サフェの段階で#120~#400を使ってライン出しをしていますが、その際にペーパーで残ってしまったスジ跡があるので、それらを#800の水研ぎで平滑にしています。殆どの部分で普通の当て板は使えないので、2~3ミリ厚のアクリル板をペーパーに当てて研いでいます。

ペーパーを指で研ぐとその痕が残ってしまうので(彫ってしまうので)、細かい部分でも全て当て板を使って研ぎます。

 そして塗料も届きました!日産純正の「ミッドナイトパープルⅡ」(カラーコード:LV4)です。

一部にクロマフレア顔料(マジョーラにも使われている特殊顔料)が使われている為、この色に関しては既存の原色から色を作成する事が出来ず、メーカーにお願いして色を作って貰います。てっきりドイツからやって来るのかと思いましたが、パッケージが日本仕様と言う(苦笑)。

フィンの凸部は後で削りますが、塗料が着かない方が良いので(削りカスが出るので)一応マスキングしています。

ミッドナイトパープルⅡは隠ぺい力が激しく弱い為、サフェが露出している箇所にベースコートの黒をスポットで塗っておきます。

てっきり中身はデュポン(現在はCromax)かと思いましたが、匂いはしっかりスタンドックスでした(笑。クロマリュージョンカラー(DUPONT)の臭いは特徴があるので直ぐに判ります)。

ちなみに時々ネットで缶のフチにガムテープ等で「注ぎ口」を作るような事を紹介していますが、自身それでうまく行った試しが一度もありません。私のやり方を間違っているのかも知れませんが、手間を掛けた割に結局汚れるので、以前オートサプライヤーさんがやっていた外側にマスカー(養生紙)を貼る方法にしています。垂れるのは防げませんが缶は全く汚れず、紙を折り返しておけば下にも垂れませんからこの方が確実です。

この方法だと全く汚れないし下にも垂れないので気に入っています(先ほどの養生紙を剥がしただけで拭き取ってすらいません)。

 と言う訳でミッドナイトパープルⅡを塗布します。普通のベースコートです。

しっかりウェットに塗り込むと、乾いた時に表面がツルンと平滑になります。この時点で肌が荒れていると幾らクリアーを綺麗に塗っても完全硬化後に艶が引けてしまいます。

フィン部に貼っておいたマスキングを剥がし、

この後の研磨で周りを傷つけないよう養生し、

#120→#180→#240→#320→#400→#500→#800と研磨してアルミ素地を光らせます。ペーパーは全て新品を使うのが肝でしょうか(光らせて終わったと思たったら傷が残っていた!という事態になり最初からやり直しになるのはとてもダメージが大きいです)。

タッククロスとエアーブローをしてしっかり研ぎ粉を除去し、

露出したアルミ部に密着剤を塗布し、最後にクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 塗り肌が残らないよう遅めの硬化剤とシンナーで対応しています。

 塗着後のクリアーがよくレベリングするよう、ガン距離もかなり近づけて塗っています(3~5cmくらい)。

ちなみにガンを離して塗る込むと膜厚が付き過ぎてクリアー表面にピンホールのようは穴が開きます(ワキ)。表面が先に乾いて内部の溶剤分が揮発する時に穴を残してしまう現象ですね。ガンを近づけて塗れば、膜厚を抑えつつ塗り肌の少ない仕上がりになります(念のためですがこれは体の新車肌の再現とは全く別です)。

 この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NISMOドライカーボン製導風板塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたNISMOのドライカーボン製導風板の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

最初は何もない、未塗装のドライカーボン板でした。

これに一緒に同封して頂いたシールを基にロゴデータを作成して、

2次元のイメージイラストを作成して打ち合わせを行った後、

それの通りに塗装を施しました。

黒く見える所はカーボン地をそのまま残していて、

NISMOの「O」だけを赤にしています(赤はフェラーリロッソコルサ:300)を採用しています。

白い部分は日産純正のホワイトパール(カラーコード:QT1)となります。

今回はクリアー抜き(カーボン素地)にする部分の輪郭をシャープに仕上げる為に敢えてクリアーまで塗って硬化させてからマスキングを剥がしていて

ただそれによって塗膜の段差が激しくなり、それを平滑にする為の作業が後々大変となりました。

しかしその後のクリアー塗装&研磨作業のお陰で、よく見ても(粗を探そうとしても)段差を感じられる部分は見当たらないと思います。

各ロゴがフレームから食み出ているのは敢えてそういったデザインで、何度かのお打ち合わせで今回の形となりました。多分そこまでの作業が一番大変で、これをフロントと現場、または元請けと下請けに別れたりすると物事が上手くいかなくなるのではないでしょうか(私はそれが一番嫌で今の全部一人でやるスタイルになりました)。

 今回のようなカーボン地を活かした仕上がりは、通常の塗り分けと違って色が食み出たら修正が出来ませんから(しかも3コートパールですし)、その分慎重に作業を行いました。

一番簡単だと思っていた赤が上手くいかなくて、一旦シンナーで拭き取って塗り直しています(クリアーはシンナーで溶けないので問題ありません)。

非常に薄い製品なので断面は目立たないのですが、この辺もしっかり色を塗分けていて、細部を見ると印刷やシールではない(出来ない)仕上がりが判るようになっています(せめてもの反抗です。笑)。

いつも通り各画像はサイズの縮小以外は未加工で、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

スバルエンブレムプレート(裏側) 本塗り

 先日下準備を行っていたスバル純正エンブレムのアクリルプレートです。裏側に印刷されていた青い被膜を削り落し、最終#800でペーパー目を均しておきました。

よく脱脂し、プラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。ちなみに奥にある二個は本件とは関係ありませんので気にしないで大丈夫です(こちらは私物で後日社外記で紹介します)。

まずは透過性の赤=キャンディーレッドを塗布します。

ある程度塗ったらマスキングテープを剥がして色味を確認します。

ただこの状態だと良く判らないので、

反射フィルムを置いて確認します。

良さそうな具合になったら再びマスキングを戻し、

 粗目のシルバーを塗ります。

ただこのままだと隠ぺいしきらないので(透けてしまうので)、

 適当なシルバー(具体的にはVW社のリフレックスシルバー)を塗って完全隠ぺいさせます。

今回は一緒に塗っている物があるのでクリアーまで塗っておきました。

確認の為に一部マスキングを剥がして見てみました。

 鮮やかなキャンディーレッドが良い感じです。

この後は一旦60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、次は表側からスモーク塗装を行います。

参考までに、先日テストで塗装したキャンディーマゼンタの同型パーツがありますのでそちらも紹介をさせて頂きますね。

 こちらも同じようは方法で裏側の青を剥がし、キャンディーマゼンタで塗装しています。こちらのページで紹介していますので宜しければご参照くださいませ。もしかしたら今回のご依頼品と一緒にスモーク塗装を行うかも知れません(行わないかも知れません)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタ86テールランプ レッド&スモーク塗装 完成

 こちらもお待たせしました!先日本塗りを終えていたトヨタ86純正テールランプの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はクリアーカバータイプのレンズだった物を、

ウィンカー部分をクリアー抜きにして透過性の赤=キャンディーレッドを塗装し、

 その後薄くスモークを重ね、最後にクリアーでコーティングしています。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

 各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

 角度が着くとスモークの黒さを感じられますが、

クドく無い程度の濃さとなっていますので、上品で高級感を感じられるかと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ハイラックスサーフテールランプ塗装 完成

 こちらもお待たせしました!先日本塗りを終えていたハイラックスサーフ用社外品テールランプのスモーク塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々クリアーレンズ部がスモークになっていて、今回はそれ以外の部分を「標準濃度」に、またクリアーレンズ部にも最後の1コートだけスモークを施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

 各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

  また今回は以前施工したポルシェボクスターのスモーク濃度も参考にしています。

フチには元々シリコーンシーラーが塗ってあったのでまずはそれを除去し、新たに黒のウレタンシーラー(こちらは上塗り可)を塗って一旦クリアーたけで下塗りを行い、その後スモーク塗装を行っています。

「足付け処理→シーリング→クリアー塗装→完全硬化→研ぎ→スモーク塗装」といった工程のお陰で継ぎ目も美しく仕上がっているかと思います。

 またそういう事もあって今回は土台部分も一緒に塗っています。

テールランプを塗れる塗装屋さんは普通に沢山いらっしゃいますので、せめて「そこまでやるのか…」と言うくらいするようにはと考えています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!