RB26→RB28タイミングベルトカバー凸文字加工&塗装 完成

先日本塗りを終えていた日産R34GT-R用RB26エンジンタイミングベルトカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、見本としてお預かりしたプラグカラーに合わせて確認しました。実際に見るまではどうしても心配でしたが、色は問題無いようで安心しました。

最後に塗装前に剥がしておいたシーラーを取り付けます。

シーラーはシリコーン製なので、同じ性質の接着剤(カーコーク)を使って接着します。

シーラーが浮かないようマスキングテープで固定し、接着剤が固まるまで数日寝かします。

そして完成です。お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様に艶消し黒に塗られていた物を、

既存の塗膜を剥がし、サンドブラストで素地調整を行い、「6」の部分を削り落として新たに「8」を取り付け、サフェーサーで下地を整えてから上塗りを行いました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

色は日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)で、

測色機を使って得た配合データを基に、2時間程の調色作業(有料)を行いました。

凸文字部分はベースコート塗装後に研磨してアルミ地を光らせ、

最後に一緒にクリアーをコートしています。

「8」は単に貼っただけでは無くフチ周りの処理もしているので、粗を探そうと思って良く見ても、

後から貼り付けたとは思えないような仕上がりに出来ているかと思います。

今回のアルティメイトシャイニーオレンジはオレンジ系着色メタリック(MIX895)が多く使われている為、

光に当たるとそのギラツキ感が強く現れます。

元の凸凹した箇所は、サーフェサーの塗布~研磨でラインを整えています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

セリカXX 1G-GEUヘッドカバー色確認

先日お預かりして色の確認をしておいたトヨタセリカXXのヘッドカバーです。

その後アルカリ洗浄槽の浸け置きで一回目の洗浄を終えたので、改めて文字の青色の確認をする事にしました。

使用するのはRM社の色見本帳で、ただ当店で使用している塗料はSTANDOXですから、ここから色を見つけても配合データは得られなく、ただその後知り合いの塗装屋さんから測色機(画像右下)を譲って頂いたので、今回はこれを使って色見本から測色してしまおう!という作戦です。ちなみに測色機もメーカー毎に違っていて(ハードは恐らく同じ物を使いまわしソフトを各社専用にしていると思われます)、しかもお値段は100万円くらいはしますから、かなり特殊と言うか贅沢な使い方をしていると思います。

RM社の色見本=Colormasterのシステムの良い点としては、「青」といったら青系だけの色見本を纏めている所にあります。通常自動車補修塗装用の色見本は「自動車メーカー」毎に別けられているのが普通で、RM社の色見本にはこの概念が無く、PANTONEや日本塗料工業会のような色相毎での色見本の使い方が出来るのです。

・・・が!そんな中でも同じような色味の見本は見つからず、だったらという事で、色相はズレていても明度・彩度(濁り)が似たような色を選び、

それを測色してSTANDOXの配合データを得て、その中に使われている「赤味の強い青」を、「黄色味の青」への比率を多くする事で対応する事にしました。塗装屋さんなら判ると思いますが、色味(色相)を変えるより濁り具合を変える方が案外難しかったりしますよね。例えば「ピンク」を作る場合、もう少し色を淡くしようと思って白を足すと「明度」が上がり「彩度」は落ちます。逆に赤味を強くしようと思うと彩度が上がり明度が落ちるという全体のバランスが変わる事になる為、調色作業はそう単純な事では無いのです。

と言うような感じで、「塗装」と一括りに言っても覚えなくてはならない細かい仕事が沢山あり、それでいて業界全体の賃金が低い傾向にあるので人材不足は早い段階から顕著に表れ、このままではマズイ!と言う事で、誰でも比較的簡単に塗装の仕事が出来るようにこういった測色機の様な物が登場したのだと思います。

ちなみに今回の色は厳密な調色作業をする訳ではありませんので、後日本塗りの際に配合データから一部の原色の比率を変え、出来た色と選んだ見本とを見比べて簡易的に色の調整を行います(非調色でこの場合は無料)。なのでヘッドカバーは剥離作業を行うべく、この後溶剤槽に浸け置きをします。残った油汚れもここでさらに洗浄する算段です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

【2022年~2023年】年末年始休業日のお知らせ

平素は格別のご高配を賜りまして誠にありがとうございます。

年末年始の休業期間について、以下にお知らせいたします。

2022年12月31日~1月4日

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。

本年も当店をご愛顧いただき誠にありがとうございました。また来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます!

BMW RnineTヘッドカバー結晶塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたBMW Motorrad R nineTのシリンダーヘッドカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様なグレーメタリックの艶消し仕上げだった物に、

土台部分をブルーパール+黒の結晶塗装、

カバーパネルには青の結晶塗装+ブルーパールの色で塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

今回はフィンの部分は削らずそのままの仕様で承っております。

土台とカバーを組み合わせてみました。

黒ベースに青色となると、同社R1200GSアドベンチャーのカラーリングを彷彿とさせますね。

ボルト取り付け部の4箇所はガスケットが固着してしまうという事で結晶塗装は塗らず、代わりにいつものようにプライマー&ベースコートの黒を極薄膜に塗ってあります。

溝が入っているこちら側が下になるかと思います。

違うカメラ(コンパクトカメラ)を使って近接撮影も行いました。

フィンの隙間の溝は気にしないで塗ると塗料が入らないので、ノズルパターンを細くして一本ずつ丁寧に塗りました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

UAZ-452バックランプレンズ 本塗り

先日下塗りを行っておいたUAZ-452のバックランプレンズです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

この状態で完成でも全く問題無いのですが、

この型のレンズは経年劣化でボロボロになってしまうとの事で、耐候性を高める為2度塗りを行うようにしています。

再び芯棒に固定し、よく脱脂をしたら本塗り開始です。

現状既にプラスチック素地が露出している箇所は無いのでプライマーを塗る必要は無く、

そのまま直接トップコート=クリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーで、いつもの通り2コートとしています。

立川の職業訓練学校自動車塗装科では当時シッケンズと関ペを使っていて、その時にはクリアー塗装の際にはタレ防止&ハジキ防止の為に最初の1コート目にはパラ吹き=ドライコートを推奨していて、さらにその後勤めたディーラーでも上司(所謂「親方」)の方はPPPなるメーカーの塗料でドライコートを行っていましたが、その後塗料がDUPONTに切り替わる際、デモマンからの講習で「ドライコートはその後の肌を荒らす原因になるのでNG」「そもそもしっかりした脱脂を行って良好な環境がならドライコートの必要が無い」との事を教わり、今もそれを続けています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

その後御依頼頂いている同型レンズ(3個目)は、次のレンズ系本塗りのターンで一緒に塗る予定です。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!