BMW R1200RTパニアケース&トップケース塗装 完成

先日本塗りを終えていたBMW R1200RT LC用のバンザイモータース社製パニアケース蓋と、純正スモールトップケースの蓋です。

塗装前に剥がしたエンブレムプレートを元の位置に取り付けます。

そして完成です。お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はカーボンブラックに塗装されていたこちらの製品を、

同社純正色のアルピンホワイトⅢ(カラーコード:751)で塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ちなみに最初はエンブレムプレートを取り付けないまま撮影してしまって全部撮りなおしました・・・。

アルピンホワイトⅢはオーカーや黒、オキサイドレッドが入った、比較的色味の着いた白となります。塗装屋的に言うと「濃い白」といった感じでしょうか。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

TOYOTA 2000GTヘッドカバー 本塗り

先日旧塗膜を剥離しておいたトヨタ2000GTのヘッドカバー2個です。その後リン酸処理を行い、よく乾燥させておきました。

まずはプライマーを塗布します。

続けて結晶塗装用の塗料=リンターを塗布します。

が、この時はちょっと塗り過ぎてしまい、チヂレ目が荒れてしまったので、

一旦全部シンナーで洗い流し、プライマーからやり直しました(手前がそうです)。その間にもう一個の方(奥)を塗装し、そちらは綺麗に結晶目が並んだので、その感覚を活かして塗り直すようにしています。

ちなみに塗り足りなかった場合=結晶目が細かすぎる場合は、焼き切る前にそのまま塗り重ねる事もあります。先日塗装を行ったRB26のタペットカバーがそうで、日記上では紹介はしていませんでしたがあちらもやはり1度では上手くいかず、その後塗り直す事で結晶目を揃えています。

こちらのヘッドカバーは鋳造素地の状態が良くないので、細かい結晶目だとその粗が残ってしまいますから、それを考えて比較的しっかりとした結晶目を出したい反面、塗り過ぎて結晶目が汚くなってしまう傾向が強いです。塗りながらそれが判れば良いのですが、熱を入れてみないとそれらが判らないのが本当に難しいところです。

一回塗れば大体どのくらいの厚みが丁度良いのかが判るので、塗り直した次は比較的理想に近い結晶目に仕上げられるようになります。

一度目の焼き付けは赤外線ヒーターで、140℃ ~170℃程の熱を30分程掛けています。

2個同時に塗っていたらどちらも塗り直しになっていましたが、順番に行う事で一個分=3回だけの塗装で済んでいます。

全体に満遍なく均一にしっかりとした結晶目が出ているのが判ると思います。

この後は恒温機で120℃30分程の2度焼きを行い、最後に凸部を研磨して光らせます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マツダCX8テールランプ塗装承ってます

先日到着しておりましたマツダCX8の純正テールランプです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

御依頼内容はスモーク塗装ベタ塗りで、ただ

「目的はウインカー部分とバックランプが白すぎるためスモークをかけ一体感を出したい」

「純正は白い部分以外はいい感じに赤黒いため少し黒さが乗るくらいでいい」

との事ですので、マスキングはせずフリーハンドでクリアーレンズ部を重点的にスモーク塗装し、その後全体的にオーナー様の御希望でもある「薄目と標準濃度の中間くらい」に見えるようにしようと思います。またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っております。

確かに丸い部分のクリアーレンズが白過ぎるように見えますので、それをしっかり抑えるよう調整したいと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMW RnineTヘッドカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたBMW Motorrad R nineTのシリンダーヘッドカバーパネルです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

御依頼内容は結晶塗装で、こちらの土台部分は「黒+ブルーパール」に、

この時の色ですね。

こちらのカバーパネルは、「ブルー+パール」の色で承っております。

この時の色ですね。

多少傷が付いているので、そちらは研磨して均しておきます。

尚、今までの施工事例ではフィン部分を研磨してアルミ素地を光らせていましたが、今回はそれは行わず「塗りっぱなし」の仕様となります。一応以前施工した時の画像も紹介します。

ウェブサイトで紹介しているのはこちらだけですが、その後ディーラー様より直接の御依頼も頂いています。

また今回はボルト取り付け部には結晶塗装は行わず、いつものプライマー塗装&ベースコートの黒を薄膜で塗るようにします。この時と同じような感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

 

TOYOTA 2000GTエアークリーナーケース蓋 下地処理

先日お預かりしておりましたトヨタ2000GTのエアークリーナーボックスの蓋部分となります。

素材はFRPで、この場合表面に塗られているゲルコート=ポリエステル樹脂は柔軟性に欠けますから、ストレスが掛かる場所には亀裂が入ってしまいます。今回の部品は見た目の感じよりかなり酷いです(全体にひび割れが生じています)。

本来であればそういった割れを全部除去し、ガラスマットから貼り直したいところですが、そうなると膨大なコストが掛かってしまうので、今回は明らかに割れが目立つ箇所をリューターでV字に掘り込み、そこに構造用エポキシ接着剤を充填する方法で行います。

目で見えて割れている箇所を彫ったら、全体をダブルアクションサンダー#120~#180で研磨します。先にリューターで彫ったのは割れている箇所が判り易いからですね。

サンダーが当てられない箇所は当て板やヘラを使って手研ぎします(指で研ぐと部分的に凹んでしまうのでNGです)。

その後よく脱脂清掃します。

V字に彫った箇所に、構造用エポキシ接着剤(3Mオフホワイト)を充填します。

オフホワイトは硬化すると研削し難いので、塗布するのは最小限に留めます。

その他深い巣穴にも、奥まで流し込むようにして充填させます。ここで一旦熱を掛けて硬化させます。

ボルトを止める箇所は一部が掛けて無くなっているので、

割れている箇所の周りを研磨して均し、足付け処理と脱脂清掃を行ったら裏側からファイバークロスにエポキシ接着剤を浸透させて貼り、

表側からは窪みに流し込むようにオフホワイトを充填します。ここで再度熱を掛けて硬化させます。

その後盛った接着剤を削って均し、

ボルトの穴を開け直します。

割れて無くなっていた箇所もしっかり厚みが確保出来ているのが判ると思います。

その後よく脱脂清掃します。

ここまでは目立つ箇所だけの修理で、実際には部品全体の表層には細かいヒビ割れが無数に生じています。ただそれら全部を削り落としてやり直すとなると費用は青天井になってしまいますので(と言うより型から作り直した方が安価で済むので)、

今回は(今回も)エポキシプライマーサーフェサーに、

骨材としてガラスパウダーを入れ、しっかした下地の層を一膜作るようにします。パブリカのステアリングを修理した時と同じ方法ですね。ちなみにその後のステアリングを見る機会がありましたが、実使用で何の問題も無い事を確認出来たので、かなり効果があったのだと思っています。

ウレタンやポリエステル樹脂に比べてエポキシプライマーサーフェサーはかなりの強度=網目架橋密度が高いですが、さらにそれに骨材としてガラスパウダーを入れる事で、前者の樹脂等では抑えきれないヒビ割れを抑えるといった作戦になります。添加量は主剤に対して10%としました。

通常の塗膜は厚くなる程弱くなりますが(防水・防錆性は高まりますが割れやすくなる等のデメリットが大きくなります)、今回のような下地剤はある程度しっかり塗る事で強度が高まりますから、ウェットで3コート塗っておきました。

エポキシプライマーサーフェサーはかなり研ぎにくいのと、3コートだけではラインの形成には足りないので、本来であればこのままウェットオンウェットでウレタンサフェーサーを塗りたいところですが、この時点で結構厚く塗ってしまったので、リスク(リフティング)のリスクを考えて一旦ここで終了とする事にしました。

この後は熱を入れて硬化させ、軽くサンディングした後にサフェーサーを塗る予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!