ゼンハイザーE945マイク マーブルレッド 本塗り②

先日マーブル柄のラップ塗装までを行っておいたゼンハイザーE945ボーカルマイクです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、表面を#800~#1300で研いで平滑に均しておきました。グリルはリング下側にロゴ入れを行うので、それ以外の部分はマスキングしておきます。

グリル部分に入れるロゴですが、うっかりしていましたがここは円柱では無く円錐状になっていて、そのままだとロゴが曲がってしまう為、データを修正しておく事にしました。大体の感じで7%と9%にカーブさせておきます。

それを実際にプリントアウトし、

切り取って該当の箇所に貼ってみました。9%で丁度よさそうです。

その後は被塗面にベースクリアー(色の着いていないベースコート)を塗り、よく乾かしたらロゴ入れの準備を行います。わざわざベースクリアーを塗るのはデカールの密着性を上げる為で、2K塗料(2Komponente)の特徴でもある「ベースコート+クリアーで一つの塗膜構成」となる層間に、デカールを割り込ませるという作戦となります。またベースクリアーにもハードナーを添加して網目架橋反応を期待しています。大したコストが上がらないのであれば、やれる事は全部やっておくという感じですね。

デカールにロゴを印刷したシートです。インクリボンの特性上、それが重なる部分で筋が見られる為、余分に刷って一番良い物を選ぶようにしています。

デカールは専用の接着剤(マークセッター)で貼り付けますが、さらなる密着性を期待して。木工用ボンドを溶いた水にデカールを浸してから貼り付けるようにしています。

グリルに入れたネームロゴはSENNHEISERのロゴと揃うよう、実際にグリルを本体に装着した状態で位置を合わせています。

デカールを貼り終えたらしっかり乾燥(重合)させておきます。

恒温機に入れて40℃15分くらいの熱を掛けておきます。

その後再び台にセットし、

クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

デカールはかなり厚みがあるので、後で研いで磨けるようその周りはクリアーを多めに塗っておきます。

デカールの段差は#1500~#2000の水研ぎで均します。画像だと余り目立ちませんが、かなり厚みがあります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ちなみに今回は本塗りの前に色々な方法でラップ塗装を試していましたが、

それのついでに、知り合いの塗装屋さん(GUNさん)に頂いたBLACKRABBitのガチャ用フィギアも一緒に塗っていています。もちろん自分用の物ですが、いずれ販売用として素体を譲って頂けるようになったら、塗装のご依頼を頂いた方向けのオプションとして対応したいと思っています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

LEWITT MTP740CMマイク 本塗り

先日お預かりしておりましたLEWITT MTP740CMのコンデンサーマイクです。

全体を#800相当の布状研磨副資材(アシレックレモン)で、凹んだ文字部はナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行いました。

まずはベースコートを塗布します。VW社のキャンディホワイト(カラーコード:LB9A)となります。

場所を工場二階に移し、デカールの貼り付けを行います。

入稿して頂いたロゴデータをデカール用紙に印刷し、輪郭に沿って大まかにカットし、木工用ボンドを溶いた水に 浸して台紙を剥がします。多めに印刷をしているのは、その中で一番良い仕上がりの物を使えるようにする為です。

専用の接着剤(マークセッター)を塗り、台紙から剥がしたデカールを所定の位置に貼り付けます。

この後40℃15分くらいの熱を掛けて乾燥(乳化重合)させます。

そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ロゴはシルバーとなります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

その後デカールの段差を#1500→#2000程で水研ぎをして均し、コンパウンドを使ってポリッシュします。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタアウターハンドル 本塗り

先日お預かりしておりましたトヨタ純正のドアアウターハンドル一式です。

一部深い傷があった箇所は#600の水研ぎで取れまして、それ以外は#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行っています。

片手で持って塗れるよう、各パーツは芯棒に固定して台に挿しています。

裏側も塗り易いようスペースを広くするようにして固定しています。

一部足付け処理の際に素地が露出している箇所があるので、プラスチックプライマーを塗布しておきます。

まずはベースコートを塗布します。肌を荒らさないようウェットに塗り、コート毎に しっかりフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設けます。

色はトヨタ(レクサス)純正色のエクシードブルーメタリック(8U1)となります。

ベースコート終了後、一時間程セッティングタイムを設けます(大抵ここで昼休憩とします)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

近年のクリアーは1.5コート(ミッドコートから続けてウェットコート)になっているみたいですが、当店の場合は昔ながらの2コート仕様となります。

クリアーはミッドコートもドライコート(捨て吹き)も無しで、1コート目からウェットに塗り、10分~15分程フラッシュオフタイムを置いてから2コート目を塗っています。

塗り終わった直後に艶があるのは当然で、その後強制乾燥~完全硬化後した時も同じ様に艶々の状態になっているのを理想としています(ベースコートの塗り方が悪いとそこで艶引けしてしまいます)。

フチ~裏側もしっかり塗れているかと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(蛍光オレンジ&黒)塗装 完成

先日メッキの枠を艶消し黒に塗装していたスバル純正エンブレムです。アクリルプレートはその前に既に塗り終わっていました。

元々着いていた両面テープを基に、新たに作成した物を貼り付けます。

厚手の両面テープは曲線を綺麗にカットするのは(手作業では)とても難しいのですが、レーザー加工機を使うとこのように美しくカットする事が可能です(そこに余り意味は無いのかも知れませんが・・・)。

元々着いていた台紙(フィルム)を貼っておきました。

画像だと上手く表現出来ないのですが、今回のオレンジは蛍光顔料を使用しているので、通常の顔料(STANDOX)を使ったオレンジと見比べてみると、かなり彩度が高い色となります。

また蛍光顔料なのでブラックライトにも反応しますから、

周りの照明を暗くしてブラックライトを当てると、蛍光オレンジに塗った部分だけが光を反射させます。

そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこのように青い背面とメッキの6連星だった物を、

一旦全て剥がして透明なアクリルの状態だけにし、

そこから蛍光オレンジ、黒を塗装しました。

アクリルプレートの表側にもクリアーを塗っています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

メッキの剥離は当初考えていたよりかなり難しく、途中、新しい物を購入して「無理でした・・・」とお詫びする事も考えたのですが(代替案として表側からキャンディーオレンジの塗装も検討していました)、今回ウェットブラストを使えるようにした事で何とかなったという次第です。

平面部分は問題無く目視出来たのですが、星の尖った部分がプレスラインによる屈折と相まって非常に見え難く、完全に除去出来たと思っていざ塗ってみると、砂粒のような黒い点(後に残メッキと判明)を発見し、全て剥がしてやり直すという事態に見舞われました。ほぼ一日分の時間を後退し、さらに先の見えない作業をするというのは流石に心が折れますが、何とかなって本当に良かったです。

ですので今回は虱潰しに見て頂いても大丈夫だと思います。

枠のメッキはそのまま上塗りを行っても密着しませんので、いつものようにそれ用の下地処理を行ってから艶消しの黒を塗っています。

しっかりウェットに塗る事で表面はツルンとした艶消しになり、傷も付き難くなっています。

スバルのエンブレムは今までも何度か塗らせて頂いていますが、六連星の部分のメッキを剥がして色を着けたのは初めてですので、今後サンプルで色々な仕様を作成してみようと思います(ただウェットブラストを使っても簡単に剥がせるという訳では無く、結局かなりの手間が掛かるので新たなご依頼が入るのを待つかも知れません)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

VWゴルフ1フロントグリル ワイパーアーム塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたVWゴルフⅠのフロントグリルと、いすゞ117クーペのワイパーアーム塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

一緒にご依頼頂いたゴルフⅠのテールランプは既に完成して発送しております。

フロントグリルは表面が経年劣化で白っぽくなっていました。

ワイパーアームも塗装が剥がれてこのような状態になっていた物を、サンドブラストを行って下地からやり直しています。

色はどちらも艶消し黒となります。

フロントグリルがとにかく長く、いつもの撮影場所からはみ出てしまっています。

ベースコートは艶ありの場合と同じくSTANDOXの黒原色(MIX571)を塗り、

その上に艶消しクリアーを重ねています。

クリアーを塗らない1コートソリッドで艶消し黒の塗装も可能なのですが、メリットが少ないので殆ど使う事はありません(今回下塗りに使用しました)。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!