先日お預かりしておりましたいすゞホーンパッドです。全体的にヌルヌルしていたのでシリコンオフで脱脂し、中央のISUZUエンブレムをマスキングしました。
シボ模様はそのまま残しますので、スコッチとナイロンブラシ+ウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。こういった場合はペーパーだと皺の奥に届かないので余り意味が無いですかね。
ISUZUのエンブレム部を再度マスキングし、台に固定します。
本塗り前には勢いよくエアーブローをして埃を飛ばしますが、油膜が無くなった表面は多少ベタベタしてそれだけでは埃が飛ばない為、タッククロスを使ってそれらをしっかり除去します。
ベースコートをウェットで塗ると乾いても半艶っぽい感じになり、
この後艶消しクリアーを塗りますが、埃が着いていた場合塗り直しになるので、全体を軽く研磨してタッククロスで拭き取り、最後のベースコートを塗って微動だにせず表面が乾いたら、
艶消しクリアーも艶ありと同様2コート塗っていて、その間15分程の乾燥時間=フラッシュオフタイムを設けますが、その間にベースコートで使ったスプレーガンを洗ったりすると埃が身体に着いてしまうので、とにかく何もせず表面が乾くのを待ちます。こういう時にスマホやタブレットがあると便利ですね。
ここでドライコートにしてしまうと表面が凸凹になって傷が付き易い塗膜になってしまいますから、しっかりウェットに塗り込みます。
缶スプレーのラッカー艶消し黒であれば当に塗っても綺麗に仕上がりますし、ゴミが着いても修正が楽に出来ますが、塗膜の強度としては自家塗装のそれと同じなので仕事で使用する事はありません。
2液ウレタンの艶消しクリアーでゴミが着くと熱を入れて再度足付け処理からのやり直しなので非常に手間が掛かります。特に今回のように手で触れる物の場合、ちょっとのブツでも永遠に気になってしまいますから塗り直し確定=私の場合で3回くらい塗り直した事があります。日本でもトヨタで「マットストームグレーメタリック」( カラーコード:D08)が一部の車両(スープラ)に採用されたみたいですが、末端の現場(塗装屋さん)は地獄だったのではないでしょうか・・・。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!