BRZテールランプ(from山口) 本塗り

brzyamaguchi お待たせしました!お預かりしておりますレンズ関係の塗装は全て本塗り完了しておりますのでご安心下さい。ちょっとグロッキーなので今日中に全部は紹介出来ないかも知れませんがご容赦下さいませ。

上の画像は山口県からご依頼のBRZ純正テールランプです。同型の製品をもう1セットご依頼頂いていますので間違えないように印を描いてあります。オーナー様なら判りますよね。

朝一の作業としてはクリアー抜き(クリアーを残す)部分にマスキングシートを水張りします。勿論最初に脱脂もしておきます。

brzyamaguchi1 よく水を拭き取ったら再度脱脂してエアーブローをし、プラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。

brzyamaguchキャンディーレッドが終わった状態でマスキングを剥がし、続けて全体に薄くスモークを塗ります。「おまけスモーク」ですね。クリアー抜き部分には再度プラスチックプライマーを塗布します。

brzyamaguchi3 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。スモークで少し黒味と言うか深みが出たのが判ると思います。

brzyamaguchi4これとは別にご依頼頂いております同型のBRZテールランプの方は純正同様のレッドキャンディーのみですのでスモークは塗らずそのままクリアー仕上げとなっています。一応比較できる状態で撮影もしましたので後ほど紹介しますね。

ちなみに塗った当日に熱を入れるとクリアー表面に穴が開き易いので(ハジキでは無くワキ)、クリスタルクリアーを使った場合はその日には熱を入れないようにしています。明日改めて強制乾燥を行い、完成は来週を予定しております。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMW GS フェーエルタンク 各部採寸

bmwgs3 「Marlboro」の下にある「M」みたいなロゴのサイズを変えてみました。当初10mmに広げてみたのですが、頂いた写真と比べると大き過ぎたので5ミリにしたら丁度良い感じです。20mmとか言ってましたが全然違いましたね(苦笑)。

bmwgs5左側はこんな感じです。それぞれ位置が決まったので各部の採寸~、塗装マニュアルを作成します。

bmwgs4今回の塗り分けでネックとなるのがロゴと塗り分けラインが交差する位置で、ただ見本として頂いている写真はタンク形状が違うようですから基本的に「現物合わせ」と言う作業になります。と言うかそもそも2次元の画像を参考に3次元化する事自体かなり無茶なんですけどね。まあその辺りはオーナー様もお察し頂いているので特にオリジナルには拘らないと言う事で任されてはいるのですが、やはり出来るだけしっくり来る形に仕上げたいのです。

ただ今回のタンクはプレスラインがどれも曖昧ではっきりしませんから「起点」とする目印が無く、これがいざ本番となると多分頭が真っ白になってしまいますので予めイメージトレーニング&それを簡単なマニュアルとして作成しておきます。概要としては、

①全体を白で塗装
②タンク左側の「Marlboro」の位置を決め
③それに合わせて塗り分けラインの位置決め
④側「M」のフチ抜きをマスキング
⑤左側を参考に右側の塗り分けラインの位置決め
⑥右側の「Marlboro」ロゴの位置決め
⑦右側の「o」のフチ抜きをマスキング
⑧オレンジ部分を塗装
⑨マスキングをして「Marlboro」のロゴを黒で塗装
⑩上記ロゴから位置を特定してその下の「M」みたいなロゴをマスキング
⑪再度オレンジを塗装

といった感じです。一番最初の起点が塗り分けのラインではなく「Marlboro」なのは、見本の写真を参考にし易いからです。前記したようにプレスラインは曖昧でとてもじゃありませんが写真では確認出来ないのです。

ちなみに本当ならば最初に「Marlboro」の黒を塗れば色々楽なのですが、黒の上に白を塗るのは隠蔽性の問題からして宜しく無いので、今回は隠蔽性の順番通り「白→オレンジ→黒」の順番で塗る事を予定しています。「黒→白→オレンジ」の順番だと場所によってはベースコートが10コートにもなってしまうのでこれは最悪ですからね。ベースコートの塗膜が厚いと色々弊害があるのです(特にDUPONTユーザーなら良く判るかと・・・笑)。

尚、ライトカウルは下地処理~塗装台のセットも完了していまして、次の作業としてはこのタンクの塗装台を作成する予定です。もう少々お待ち下さいませ!

 

自転車アルミフレーム 下準備

giant4 溶剤槽に浸け置きしておいた(多分)GIANTのアルミフレームです。旧塗膜が綺麗に剥がれましたので素地調整~凹み部分のパテ補修を行います。まずは全体を#120のダブルアクションサンダーで研磨します。

giant5 凹みもそうですが若干腐食も出ています。サンドブラストでも良いですが浅く広範囲な腐食のようなので今回は燐酸処理+浸透型エポキシプライマーでの対応にする事にしました。

giant6 燐酸処理はパテを塗る前に行います。パテをやった後にこれを行うと、パテ自体は大丈夫なのですがパテの際部分のアルミ素地を溶かしてしまい(と言う表現が正しいかどうか判りませんが)際部分のパテは剥がれてしまうのです。ちなみに燐酸は金属にしか通用(反応)しませんので塗装等がされていても殆ど無力です。

giant7 そしてよく乾かしたらパテを塗り削ってラインを整えます。

giant8 パテを塗った箇所以外にも結構な数の浅い凹みがあるのですが後はサフェーサーの塗布~研ぎで整えられる範囲なのでこの辺で良しとしました。結構活躍して来られたフレームのようですね。

giant9 最初は耐食性の高い浸透形エポキシプライマーを薄めに2コート程度塗布します。サフェーサーに比べ若干艶があるのが判ると思います。2液型のエポキシなので厚塗りもOKですが、エポキシ特有の「分子間の結合が強く切削性がとても悪い」と言う事もあってこれを研ぐのはとにかく大変ですので、ウェットオンウェットで続けてこの上に2液ウレタンサフェーサーを塗布します。下手に焼くと密着しなく大変な事になりますので(再度足付け処理が必要です)、この時期なら自然乾燥で30分くらいが丁度良いと思います。イメージとしては「半生+半生=溶解し合って結合」みたいな感じですかね。多分分子同士でも組み合っていると思いますがその辺は専門では無いので物理的なテスト(JISのクロスカット法)でのみ確認しています。

ちなみにエポキシの弱点としては「耐候性が悪い」と言う特徴があるのでこのまま屋外で使うとボロボロになってしまいます。上塗り系の塗料は耐候性が良いのでこの上にそれを塗ればOKなのですが、顔料の隙間が生じ易い粗めのメタリックなどでは粒子間を紫外線が透過して下層のエポキシ塗膜を崩壊させてしまう、と言うケースもあります。なので直接下塗りに上塗りを塗る場合は一旦グレーなど隠蔽性の高い顔料を塗るのがお勧めですかね。尚、今回はウレタンサフェーサーを塗るのでその辺を考える必要はありません。

giant10そしてサフェーサーを塗布します。肌を荒らすと研ぐのが面倒なのでパテが入っているところなど膜厚をしっかり充填させたい箇所を最初に4コート行い、今度はそれを希釈して全体に3コート程度塗ります。

違う種類の塗料を未硬化の状態で塗り重ねる「ウェットオンウェット」は上手く使うと非常に効果的で、これは新車の塗装でも採用されています。昔は7コート7ベイクなんて塗装毎に毎回焼くなんて非効率な事をしていたみたいですが近年は環境の事を考えて効率良くやっているようです。ただそれだと途中の「中研ぎ」が出来ないので新車肌がやたら汚い、と言うデメリットもあるみたいですけどね。先日掲示板でも話題になったマツダの「ソーラーレッド」についてちょっと調べてみたら、恐らくそういった弊害の為かボディの肌は凄く粗いか、または磨き倒してツルツルになっている様です。もう、言わんこっちゃ無い、みたいな(笑)。

それではサフェーサーが完全硬化しましたら全体を研ぎ、あと色も作らないとですね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

KAWASAKI Z1ヘッドライトカバー 本塗り

z17サフェーサーの研ぎ自体は結構前に終えていたのですが撮影しておいたので一応紹介しますね。最初は#320→#400で空研ぎをし、その後#600→#800は水研ぎをします。

z11 そして本塗り準備完了です。サフェーサーを研いだ時に下地が露出している箇所があるのでスポット的にプライマーを塗ってからベースコート(黒)を塗布します。ディーラーなど多人数が居る場所での作業だと多分こういう事は気にしないのですが(実際こんな事していませんでした)、自分でやるようになると責任の重さが違うのでこの辺はしっかりやるようになったと思います。基本的には大雑把な性格なのでこの業界に入った時は凄く大変だったのですが、幸いにして直属の上司(所謂「親方)がびっくりするくらい色々ネチネチ言う指摘してくださる方だったので、お陰で一応はまともに仕事は出来るようになれたと思います。今でも本当に感謝しています。ちなみに(間違いなく)その方のせいで朝来て昼に辞めた新人の方も居ました。町工場の話では無くディーラーのセンター工場でですよ(恐)。

z12 そして本塗り完了です。こちらもご依頼は「半艶黒」で承っていますのでクリアーは半艶用の物となっています。画像ではまだ塗ったばかりですがここから徐々に艶が消えていきます。ちなみにこの間に熱を入れると艶の変化がストップしてしまうので自然乾燥が基本です(とマニュアルに書いてありました。最初の頃は知りませんでしたし普通知られていません)。

z13そしてこちらが30分くらい経った状態です。良い感じの半艶になったと思います。車体自体40年くらい前の物で、多分純正当時の塗装が半艶黒なのだと思います(違ったらすいません)。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。来週水曜日辺りを予定しております。もう少々お待ちくださいませ!

GUCCIメガネフレーム 本塗り

gucci1 大変お待たせしました!グッチのメガネフレーム(テンプルのみ)、無事本塗り完了しております。

既存の状態は黒ベースに白を塗装された物で、下地処理は#800程度で足付け処理をしたらそのまま本塗り可能です。ちなみに「G」の部分も付いたまま全部を「半艶黒」で塗りつぶします。

gucci2ベースコートはいつも通りの黒で、その上に半艶クリアーを塗って本塗り完了です。既に塗り終わってから30分くらい経っているので艶も消えて落ち着いた状態です。

これなら普通のメガネになりましたので恥ずかしく無くまた掛けられそうですね。控えめになった「G」がお洒落な感じだと思います。

それでは完成次第改めて紹介しますね。来週半ばには完成出来る予定です。もう少々お待ちくださいませ!