DELL仕様のタンブラー 色作成

dell4 DELL仕様でご依頼頂いているタンブラーは既にプライマーが塗られていますが、その前の素地調整の画像を紹介していなかったので掲載しておきますね。ステンレス素地の表面をダブルアクションサンダー#120で研磨しています。元々塗ってあったクリアーも一緒に剥がれてしまっています。

dell5 色についてはカタログを数冊用意して頂き、それを基に色を作成します。頂いた資料からはCMYKの数値も頂いているのですが、それが適用されるのは染料(印刷)の世界でして、顔料(塗装)では再現出来ないのです。顔料は媒体(溶剤)に溶けている訳ではなく単に「分散」されているだけですから目で見ているものは実は3次元だったりするのでそんなに単純に数値化は出来ないのです(というのが私的見解です)。

dell6ただし今回のような「鮮やかなブルー」を顔料で表現するのは実は非常に難しいのです。と言うか顔料単体では物理的に無理なんですよね。

方法としては下地を透かして発色を良くみせる「キャンディー塗装」(3コートによる透過性塗装)がありますが、ソリッドカラー+ソリッドカラーでのキャンディー塗装なんて方法だとブルーを塗り過ぎて隠蔽させてしまえば発色は悪くなりますし、塗りムラも生じ易いなど不確定要素が多いので余り現実的ではありません。せめてメタリックかパールだったらそれも考えますけどね。

もう一つの方法としては前記した「染料」を使う方法で、上の画像の二色の内の一色はその方法で鮮やかな青を出しています。微妙ではありますが顔料ではどうしても出せない青なんですよね。

ただしこの方法はちょっとした弊害もありますので、それを考えて使わないと思わぬ失敗もあり得ます。ただ今回の作業ではそれも理解した上ですので御安心下さい。じゃないと内容も明かしませんからね(笑)。

スクーターフロントカウル YAMAHAロゴ入れ準備

yamaha こちらもお待たせしました。作業着手しましたのでご安心下さい。

御依頼としては「ヤマハの音叉マークを大き目に」との事で、先日寝ながらちょっと考えていた時に少々無理がありそうだと気付いていました。まあ頭の中やディスプレイ上で考えていても余り意味が無いので実際にロゴをカウルに合わせてみることにします。

上の画像は恐らく一番最初にご相談頂いたイメージの大きさだと思います。音叉マークの矢印が大きく食み出ているのでちょっと微妙かと思いきや、まあいけない事は無さそうなので悪くは無いと思います。

yamaha1 一回り小さくしてみました。意外と良い感じですかね。

yamaha2 矢印は全部収まるようにしました。まあそれらしさは出ているかと。

yamaha3微妙なサイズになると「あいつサイズを間違えたな」と思われるのでこれは無しですかね。これならもっと小さくしてロゴが全部収まるようにした方が良いと思います。

後は上下逆さまにするという事も試してみましたが、ちょっと縁起が悪そうなので辞めておいた方が良いかもしれません(これも間違えたと思われそうですしね)。

その他中心点をズラしたりなど色々考えてみましたが、如何せんカウルがこの形状なのでそれもちょっと難しいかと・・・。

どうぞご確認の程ご検討宜しく御願い致します!

メルセデス500Eエアークリーナーボックス 完成

mercedes13 つ、遂に完成です。お待たせしました!

パッと見はそんなに大変そうでは無いのですが塗装屋さんなら解りますよね。出来れば二度とやりたく無い仕事上位に入るかも知れません(いやこれは冗談でお仕事頂けて有り難い限りです)。ただ実例として一度はこの作業もやる必要があったので凄く良い機会でした。塗り方の順序が逆のパターンでは今まで施工例はありましたがそれとは全く違いますからね(大変さの度合いもです)。

mercedes14 オーナー様からの提案で「先に全体をシルバーで塗ってから文字の上部分をマスキングして艶消し黒を塗れば」といった事もあったのですが、隣合うパーツとの色違い(塗装と樹脂との質感の違い)を避けたいという事もあったので色々検討した結果今回の方法となりました。

ちなみに塗り方が違う場合の参考としては、プロフィット日記2012 No.537からのBMWヘッドカバーの凸文字が解りやすいかと思います。

mercedes15 スターの周りの溝も最後に黒く塗ったのでシャープ感が出たと思います。取れればメッキエンブレムに交換するという手もあったんですけどね。

mercedes16 「文字の上をシルバーに塗って」とちょっと軽い感じで御依頼頂くことが結構良くあるのですが、今回の作業例を紹介する事によってどれだけの時間と費用が掛かるのかを非常に解りやすく説明出来ると思います。簡単そうに見える作業なのに高額費用となると口で説明するのは本当に難しいので・・・(これが一番苦手です)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!

メルセデス500Eエアークリーナーボックス 修正

mercedes6 先日塗り終えていたE500エアークリーナーボックスの凸文字とスリーぽインテッドスターですが、一部仕上がりが悪い箇所があるので修正していきます。まあこれだけの内容ですから一度で終わる筈はありませんよね。ある手程度は覚悟していたのでもう少し時間を掛けていきます。

上の画像はスリースターを塗り直しているところで、三角の右端の方に黒く見える部分が具合が悪かった箇所を削ったところです。マスキングを剥がすのが遅れて塗膜の端が捲れてしまったので削って平滑にしています。 マスキングを終えたらもう一度全体的に塗装します。

mercedes7 上のスリースターは実はそんなに時間が掛からない方で、実際には文字の修正の方が大変です。やはりブツ切りでの見切りだとシャープさに掛ける箇所は出来てしますのです。

上の画像だと「E」の下の方に小さな欠けのような箇所があって、こういった部分を虱潰しに修正していきます。

mercedes8 修正方法としては文字全体を塗るのではなく「エッジ」の部分だけですから一個当たりに掛かる時間は短時間で済みます。ただこれを30箇所くらいやっていくので結構な時間にはなってしまいますかね。上の画像はマスキングをした状態です。ちょっとしたことですが意外と気になるんですよ。

mercedes9と言う事でこんな感じで終了です。クリアーは塗りませんが硬化剤は入っているので塗装後は直接触れないように気をつけながら次の修正箇所に移ります。一箇所に掛かる時間は5分~10分程度ですかね。終わりが無い訳では無いのでそんなに嫌な仕事ではありません。

そして遂に終了!・・・と思いきや、結局気になっていた箇所もやる事にしました。

mercedes10スリーポインテッドスターの外側には1ミリくらいの「溝」が彫ってあって、マスキングの都合上、この溝の中にもシルバーが入ってしまっています。まあ当初からこれについては解っていて、一応ゴトー氏に意見を聞いてみたら「エンジンルームの中でしょ?普通そこまで見えないでしょ」との事でしたからこれで終了にする予定ではありました。が、結局気になってしまったのでこの溝の中は黒で塗り直す事にしました。まあここまで来たらやらない方が夢見が悪くなるのでやってしまうに限りますね。

mercedes11 こんな感じでマスキング完了です。「おいおい、どこを塗るんだよ・・・」って感じもしますが、よく見ると確かに溝があるのが解ると思います。確かに塗って意味があるのかどうかは微妙ですが、本来は黒い箇所の筈ですから塗って間違いでは無いかと・・・。

mercedes12そして黒も塗り終えて遂に全ての作業が完了しました。

完成画像は明日改めて紹介しますね。元の状態とその大変さが解っていればその見た目はかなり感動出来るのですが、単にそれだけを見ると余りにも普通過ぎる気がしないでもありません(笑)。とにかく作業は全て完了しておりますのでご安心下さい。大変お待たせしました!

DELL仕様のタンブラー 下準備

dell2 上の画像は先日Illustrator(←やっと最近見ないで打てるようになりました・・・)で作成したイメージイラストで、そこからDELL社のロゴと取り出してカット用に並べています。普段使っているノートパソコンのワイド画面そのままスクリーンショットしたので横長になっています。

以前のプロフィット日記で使っていたCGIのプログラムは、画像のサムネイル表示の縦横比が決まった値で固定されていたのでそれに合わせた画像じゃないと変に表示されてしまっていましたが、今のwordpressのプログラムではそんな不具合とは一切無縁なのでかなり楽になりました。

DELL3ロゴの大きさはやはり実物のタンブラーで合わせています。こればかりはビットの世界だけではなくアトムな世界で実際の目で見て確認しないと、ですよね(最近読み始めたMAKERSの影響を受けた言い回しです。解かり難かったらすいません・・・)。

dell2で、最初に紹介した画像にあるロゴデータをカッティングプロッターで出力し、余分な部分を剥がしてこんな感じでマスキングシートが完成です。

今回はブルーをベースにロゴはホワイトで、仕上がり的にはロゴは後から塗った方が綺麗に仕上がるのですがちょっとした理由から最初にホワイトを塗る事にしています。その理由はまた後日紹介しますね。リスクは予め予想して回避する必要があるのです。