象印ステンレスボトル 本塗り

zojirushi先日お預かりしておりました象印のステンレスボトルです。作業自体はかなり前から始めておりまして、先ほど無事本塗りを終えましたので、途中工程も含めて紹介させて頂きますね。

zojirushi3既存の塗膜はダブルアクションサンダーで削り落とします。このステンレスボトルは表面の模様がキリン氷結の缶みたいに凸凹しているので、サンダーで上手く削れない個所はワイヤーブラシで擦って落とします。

zojirushi1蓋の一部には凹みがあったのでそちらも修理します。ただし内側はプラスチックがあるのでドリーなどの工具を入れられませんから、塑性変形している個所のみをハンマリングして低くする程度に止まります。

zojirushi4蓋はポリパテを盛って削った状態です。絞りが出来ない以上弾性変形した部分が抑えられないので、パテを高い部分に合わせてなだらかなラインを形成しました。

zojirushi6 蓋の方はプライマーとウレタンサフェーサーを塗布し、ボトルの方はプライマーのみとします。

この後熱を掛けてサフェーサーを硬化させます。

zojirushi7 まずはいつも通り#320→#400で面出しを行い、

zojirushi8 続けて#600→#800の水研ぎでラインとペーパー目を均します。

zojirushi9 底に貼ってあったシールは旧塗膜と一緒に剥がれてしまったので、新たにABS板を切って作りました。レーザーで切る程では無かったのでフリーハンドでカット&ペーパーで形を整えています。

zojirushi10こんな感じで装着予定です。塗装後に両面テープで貼り付けます。

zojirushi13 そして台にセットし、よく脱脂をしたら本塗り開始です。

zojirushi2尚、色に関しては元々カラークリアーが塗られていた為それの再現は難しく(プライマーを塗らなければ結局また剥がれてしまいますので)、今回は通常の2コートメタリック塗装で近似色を選んでいます。

zojirushi11 ベースコートを塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。凸凹模様も元の通りに出来ました。色もMIX812らしいメタリックな輝きが良い感じになっていると思います(STANDOXユーザーにしか判りませんが)。

zojirushi12凹んでいた個所も綺麗に直っていると思います。

それでは完成次第改めて紹介しますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ルーフアンテナ塗装 完成

antena34 大変お待たせしました!ビートソニック社製のドルフィンアンテナ塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

antena20こちらが新品の状態で、最初からホンダ車のホワイトパールに塗装されています。

antena33 今回はそれをダイハツムーヴカスタムの車体色「パールホワイトⅢ」(カラーコード:W24)に塗り直しています。

antena32 クリアーは特にご指定が無ければSTANDOX社のイージークリアー(旧)を使用し、オプションで高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更が可能です。高美観、耐擦り傷性、耐UV性、耐薬品性などに優れたクリアーです。

antena31ちなみに(旧)が付いたイージークリアーは、スタンドックスユーザーなら判ると思いますが既に廃盤の製品です。ネーミングがチープなので残念な製品に感じられがちですが、作業性が非常に良いので気に入っていました。廃盤になると聞いて在庫分(確か12個くらい)を全て買い占めたのですが、結局クリスタルクリアーをご指定頂くケースが多いのでそちらは今も残っている、と言う状態です。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ホンダS660用メッキエンブレム 塗装承ってます

honda24 先日到着しておりましたS660リヤ用のホンダ純正メッキエンブレムです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はこちらを「マットホワイト」で、白の色に付いてはお任せ頂いたので、こちらはいつも採用しているVW社の「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)を予定しております。

honda25裏側には両面テープが貼ってありますが、こちらは一旦剥がして最後に新たに貼り直します。

単に塗るだけであればそのまま残す事も可能ですが、今回のようにメッキ素地への塗装となるとそれ専用の下地処理を行う必要がありますので、その際にはこの両面テープが邪魔なのです。

ただこの両面テープに関しては、以前同じ物をご依頼頂いた時にデータを作成してレーザー加工機で綺麗にカット出来るようになっていますので、元に近い状態で復元が可能です。そちらも紹介させて頂きますね。

s6603最初にこんな感じで両面テープの形をスキャナーで読み込みます。ちなみに両面テープはエンブレムよりも一回り小さく奥まった位置に貼られるようになっています。両面テープをギリギリでカットするとエンブレムを横から見た時にとても格好悪いからです。

s66018ソフトを使って作成したデータを基に、レーザー加工機を使ってカットします。詳しくはこちらでも紹介していますので宜しければご参照ください。

h6601レーザーでカットした両面テープを黒に塗装したメッキエンブレムに貼ったところです。両面テープはエンブレムの輪郭よりも少し内側にオフセットされて貼られているのが判ると思います。

ただこの時問題だった事として、両面テープをレーザーでカットすると端が炭化してしまい、その煤を一つ一つシリコンオフで拭き取る(!)と言う作業が必要だった事で、これをどうにか出来ないかと思って改善出来たのがその後のトゥディのエンブレム作成&塗装の案件でした。

today124 通常使っていた両面テープはブチル系だったのですが、その後ウレタン系の物を見つけ出し、それを使うとレーザーでカットした断面も焦げず(焼けず)に綺麗にカット出来ます。

today125焼けるというよりも「溶ける」といった感じなので、断面はとても滑らかで美しいです。白いウェスで拭いても焦げが移るような事もありません。詳しくはこちらのページで紹介しています。F1マシンじゃないですが、社外記でやっている事が実際の仕事にフィードバック出来ているのでこれらが大いに助かっています。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMW Plating Emblem Badge

bmw21画像のようなメッキエンブレムを塗装する場合、普通に塗っても塗料は密着しませんので剥がれてしまいます。ABS樹脂の表面に施された装飾クロムメッキは耐食性に優れ、リン酸などによる化成処理の効果が低いのです。

かといってサンドブラスト処理を行うとABS樹脂とメッキ層とで層間剥離を起こし、取り返しのつかない事態になってしまいます。

bmw22 それらを踏まえ、当店ではメッキ素地用の下地処理を行う事で、塗料の密着性が著しく悪い装飾クロムメッキでも通常の塗膜同様の密着性を保持する事が出来ています。塗装不可能と言われたポリエチレン樹脂への塗装も早い段階で対応していました(ただそちらはとてつも無く大変で金額も嵩み、お問合せを頂いてもご依頼に到る事は稀なので現在は内容を紹介しておりません)。

bmw23一般的にメッキ部品への塗装は「密着剤」といったスプレー糊のような物を使って塗られていますが、最初は大丈夫でも経年でその効果が薄れ、いずれ塗膜はペリペリと剥がれてしまいます。尚、当店ではメッキエンブレムへの塗装に密着剤の類は使用しておりません。

bmw25 本塗りの際にはエンブレムを一つずつ分けた状態で塗装します。また被塗物の固定方法を工夫し、スプレー塗装ではアクセスし難い奥まった部分もしっかり塗れるようにしています。

bmw24 元々貼ってあった台紙の元の位置に戻します。

bmw26 塗膜は下地を含め4層で構成されています。

bmw27近くに寄ってまじまじ見ても細部まで艶々で、まるでガラスのような美しい塗膜を感じられると思います。

BMW関連のご依頼品が結構多いので、いずれそれだけを集めたサイトを作ろうと思っています。

スーパーセブン ドライカーボンパネル 作業前準備

seven20 先日到着しておりましたロータススーパーセブン用のプレグカーボン製のボートカバー(トランクカバー)とその蓋です。

とても薄くて軽いのですが、このまま作業をするにはペラペラ過ぎてやり難いので最初に冶具(と言う程の物では無いのですが)を作成しておきます。

seven12 大よその骨となる12ミリ厚保のベニヤ板をカットします。

seven13 6ミリ厚のベニヤ板を内側のラインの沿ってカットして敷き詰めます。継接ぎなのは端材を利用しているからです。

seven14 先程の厚いベニヤ板を当てて、さらに垂木で嵩上げをします。平らな所に置いてもカーボンパネルの耳が当たらないようにしたいのです。

seven21カーボンパネルから外したら各部をネジで固定し、サンダーで面を取っておきます。

seven15 さらにカーボン製品と当たる部分に6ミリ厚(確か)のウレタンフォームを貼り付けます。以前間違えて買った物が役に立ちました。

seven16製品自体は平らでは無く曲面になっているのでそのままだとベコベコになりますから、さらにベニヤとウレタンフォームの間に段ボールを入れて曲面ラインが合うように調整します。

seven17 と言う事までして気が付いたのですが、若干ですがパネルを押した時に塑性変形する個所でクリアーに線状の模様が見られます。まあ塗装がが割れているという訳では無いですし、この後は裏当てをするので恐らくは大丈夫だと思います。たぶんベコベコさせながらポリシャーを回していたのではないでしょうか。

seven18 蓋となる部分はそんなに大きくないのでいつも膝当てとして床に敷いているお風呂マット(!)を遣えば大丈夫だと思いましたが、それでもやはり曲面ラインが強くベコベコするので一応こちらも裏にウレタンフォームを貼っておきました。

seven19こちらも同じように隙間があいた部分に段ボールなどを挟んでウレタンフォーム曲面にフィットするように調整して作業する予定です。まずはダブルアクションサンダーで削ってみようと思います(大きいウネリは仕方ないにしても、小さいボコボコはもう少し均したいと考えています)。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!