BMWパニアケース 下準備

bmw89 こちらもお待たせしました。BMWのパニアケース蓋も作業進行しておりますので御安心下さいませ。

上の画像はサフェーサーを塗った後に全体に缶スプレーの黒をパラっと塗った状態で、これによりサフェーサーの研ぎ忘れなどを防止します。所謂「ガイドコート」ですね。

bmw90 サフェ研ぎはちょっと前までは水研ぎのみだったのですが、近年は細かい番手の空研ぎペーパーが使い易くなってのでこれが主流となっています。昔のペーパーは切れが悪いのに耐久性が低く、目詰まりもひどかったのでサフェーサーの研ぎと言えば耐水ペーパーによる水研ぎが常識だったのです。近年は石(=研磨粒子の事を業界だとこう呼びます)が良くなかったのか目詰まりも少なくペーパー傷の入り方も均一なので水研ぎよりも良い品質に仕上げられたりするのです。

最初に#320で肌を落としその後クッションパッドを挟んで#400で仕上げます。パッドを付けるのはアール曲面を研ぐ為ですね。固い面で研ぐと下地が出るかまたはカクカクした仕上がりになってしまいますので。

ちなみに空研ぎのデメリットとしては「粉塵が凄い」と言う事で(周りはあっという間に粉だらけになります)、ただこれは掃除機を繋いで吸引しながら作業出来る専用のダブルアクションサンダーもあるのでそういった事で軽減は出来ます。ただうちの場合は塗装ブースの排気装置が水洗式なのでここに直接吸って貰って後で一気に回収する方法を取ってます。これが本当に楽で便利なのです。

bmw91そして最後は#800で全体を均します。空研ぎペーパーで#800と言うのもあるのですが、やはり気分的にと言うか最後は直接被塗面に触れて確認したいと言うのもあるのです。まあコスト的な要因もありますけどね(笑)。空研ぎペーパーは凄く高いんですよ(#800だと同じサイズで10倍以上になるのでは無いでしょうか)。

ちなみに工場の外にはこんな感じでちょっとした流し場と水研ぎも出来るスペースがあります。と言うかそもそも一階の工場の中には流しが無く、それだとちょっと困るので流し台と上下水道を引き込んで中でも水が使えるようにしました。理想としてはトイレもあると助かるんですけどね・・・(さすがに止めておきましょう)。

bmw92そしてフチ周りも綺麗に整え、裏のマスキングもしっかりとやり直してサフェ研ぎ完了です。次はいよいよラインマスキングの予行練習ですね。と言うかそちらも既に終わっているのですが、ちょっと画像が多いのでこちらは後ほど改めて紹介します。トースカン(改)の実力は凄かったですよ・・・(惚)。

Kawasaki ZRX1200ヘッドカバー結晶塗装承ってます

zxr1200かなり前からお預かりしていたのですがオイルまみれだったので先に洗浄槽に入れて撮影が遅れてしまいました。ちょっと忙しくてそのままでしたが無事洗浄を終えて現在は溶剤槽に移しておりますので御安心下さい。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状としては以前ガンコートなる塗装でイエローに塗ったらしいのですが塗膜がペリペリと剥がれて来てしまっておりまして下から腐食が見受けられます。腐食したまま塗ってしまったのか、或いはプライマーを塗り忘れて?そこから腐食が広がっているのでしょうか。どの道このままでは塗れませんので一旦剥がして下地の様子を見たいと思います。

御依頼内容としては結晶塗装のイエローで、以前当店で施工したホンダアコードのようにと承っております。画像紹介致しますね。

acordこのような仕上がりになる予定です。

それでは作業進行しましたら紹介させて頂きますね。御指定通り二月の半ばには完成出来るようにしますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26タイミングベルトカバー凸文字加工③

rb2612今週は業者さんからの依頼品がメインとなっておりますが、手が空いた時にジリジリと作業進めておりますので御安心下さいませ。相変わらずお問い合わせも多くそちらにも時間が取られてしまっているのですが・・・(この調子だと自転車フレームの受付再開はまだ先になりそうです。すいません)。

こちらは昨日に引き続き凸文字の作業を進行しておりまして、昨日までで「8」が出来たので早速そちらを貼り付けてみました。ただ貼り位置は微妙に平らでは無いのでそのまま貼ると角が浮いてしまいますから面に合わせて多少曲げておきました。

rb2613 そして接着です。単に接着剤で付けるだけではあるのですがちゃんとやろうとすると結構大掛かりになるんですよ。特にこの後面研もありますからその時に飛んでいったりしたら嫌過ぎますので。ちなみに今回は色々新しい試みを行っています。

こういった作業で一番怖いのは文字がズレて付いてしまう事で、これだけしっかり付けているといざ剥がそうとしても文字を無事なままで取るのは難しいのです。ただ素材がアルミですからそのままバイスで掴んだりすると凹みが出来てしまいますので普通は木端などを当てて掴むのですが、もしそれで文字が少しでズレていたら大変な事になるのです。なので今までは重力のみに頼ってそのまま熱を入れていたんですよね。ただこれだとどうしてもベースと文字とで隙間が出来てしまうのでそれがネックだったのです。特に今回は結晶塗装では無いですからその隙間が出来てしまうと非常に目立つ訳でして・・・。

rb2614 と言う事で今回は透明なアクリル板を使う事にしました。昨日ちょっと私用で色々やっていたら丁度要らないアクリル板があったのでそれを思い出したんですよね。

方法としてはまず左右をシャコ万で固定し、位置が決まったら直接バイスで「8」を掴みます。この時も結構な力が入りますから場合によっては「8」がズレてしまうのです。それに気付かずそのまま熱を入れて・・・なんて想像しただけでもゾッとしますよね。なのでこれであればそんな心配も無用なのですよ。

言われると単純過ぎて馬鹿にされそうですが、実際こんな事をしている人も見た事は無いので私も今日まで全く気が付きませんでした。「当てるのは木」と言う固定概念が出来上がってしまっているんでしょうね。

rb2615 そして熱を入れたらこんな感じで固まりました。が、実はこのまま放置すると大変な事になってしまいまして、使っている接着材はエポキシ(3Mパネルボンドです)なので食み出た部分を後から削ろうとすると凄く大変なのです。以前「サンドブラスト掛ければ取れるでしょ」と油断して放置しておいたら全く歯が立たなく大変な思いをしましたので・・・。

rb2616と言う事で食み出た接着材は冷える前にカッターで切れ目を入れてピンセットで取り除きます。接着材は硬化していても熱い内はまだ柔らかいのでカッターで丁度良い感じで切れてくれますからこのタイミングなら切り易いのです。実はこの方法は去年塗ったBMW ALPINAのヘッドカバーの作業で、旧塗膜を剥離しようと溶剤槽に漬け置きしておいたらアルピナの凸文字が全て取れてしまった!なんて事があってその時に気が付いたんですよ。最初に失敗してからは如何に食み出さないようにと心掛けていましたがそうでは無かったんですよね。失敗から学ぶ事は多いです(不可抗力ではありますがアルピナと言う時点で疑うべきでした)。

それでは後日「8」の出面を他の文字と合わせ、次はプライマーとサフェーサーの塗布を予定しております。こちらは少しお休みで次はBMWのパニアケースを進行したいと思います。まずはライン引きのテストからですね。どうぞもう少々お待ち下さいませ。

RB26タイミングベルトカバー 凸文字加工②

昨日アップしたと思っていたのですがどうやらサーバーに反映されていなかったようです。こちらは昨日紹介する筈だった案件です。夜遅かったので寝ぼけていたみたいですね。大変失礼しました・・・。以下より紹介となります。

rb265 お待たせしております。ちょっとここでは紹介していない案件で忙しくなってしまいまして進行状況はちょっと遅れ気味です。何とか深夜営業で挽回している所ですので御辛抱下さいませ。

上の画像は先日紹介し忘れていたもので、既存の「B」を石摺りにて転写してスキャナーでPCに取り込みそれをデータ化した物です。何を勘違いしていたのか、作るのは「8」の筈なのにうっかりして「B」をそのまま作ってしまっていたのです。少し睡眠時間が足りていないのかも知れません(いや、まあ大丈夫です)。

rb266 それを2ミリのアルミ板に貼ったらバンドソーを使って大まかにカットします。本当は今回の為にクロスバイスを買う予定でしたが(バイクでは無くバイスです。旋盤用の固定具の一種です)、この程度なら既存の工具で大丈夫でしたね。一応工場用にバイスだけ買っておきました。

rb267 ・・・が!ちょっと思わぬアクシデントが。

元々この工場を借りた時に一階の現場に残物としてそこそこのサイズの旋盤がありまして、一応動くのを確認しましたからそのまま貰うける事にしました(と言うか現状渡しが条件だったので処分するにもこちら側の負担ですので)。

で、今回いざ使おうと思ったらウンともスンとも言わず、どうやら配線が劣化して断線した模様です。最近火事が多いですからこういった事が原因なのもあるんでしょうね。むしろ切れてくれていて良かったです。丁度良い配線はあったのでそれに変えて再稼動です。

rb268 「8」の縦の幅は2ミリなのでそれより細いキリで穴を開けます。今回これを固定するバイス(万力)は購入しました。これをテーブルにシャコ万で固定しています。

rb269 で、こんな感じに穴を開けたら後はヤスリで形を整えていきます。奥にある3本は以前秋葉原に行った時にヨドバシカメラで買ったホビー用ヤスリセットで、手前の一本が先日amazonで購入した物です。22時に頼んで翌日の午前中に届きましたよ。どんな仕組みになっているんでしょう・・・。

rb2610 ついさっきの出来事です。二階作業場は事務所と兼用になっていますが、大型の換気扇とケルヒャーの掃除機があるのでこれくらいの作業なら気にせず出来ます。本当は各エリアでクリアーなビニールカーテンで仕切るつもりだったのですが、そんなに切羽詰っていなかったので現在はカーテンレールだけ付いた状態で止まっています。いずれもっと派手な作業をするようになったら考えようかと思います。

rb2611そしてこんな感じになりました。ちなみにこれは表側では無く裏返しにした状態です。意識せずに裏もこれくらいに仕上がっていれば問題無さそうですね。

今の状態だと厚みは倍ありますが、とりあえずこのままで一旦接着し、ガッチリくっ付いてから削って他の面と同じ高さに仕上げます。

明日はちょっと別件での本塗りがあるので時間が取れるか判りませんが、手が空きましたら接着だけでも進行させようかと思っております。

今後の予定としては次はいよいよBMWのパニアケースの塗装を予定しております。トースカンが上手く働いてくれればと思っていますがまだそちらも試していませんのでそれも併せて作業進行しましたら紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ステージアテールランプスモーク塗装 完成

stagia こちらもお待たせしました!ステージアの純正テールランプ一式、「極薄目と薄めの中間」濃度のスモーク塗装で完成となります。

stagia1 本当は縦に並べたかったのですがちょっと台に乗り切らなかったので横にした状態で撮影しております。ただ細身なので面積自体はそこまで大きくは無かったですね。大型サイズの二倍くらいだと思います。

stagia2 テールゲートに付く小さい方のレンズはリフレクター(反射板)を兼ねているらしく角度によって輝き方が変わります。意外とこれが面白いんですよね。

丸いクリアーレンズの部分は元々ピンクっぽい色味が付いていたのでそれが少し残っています。気になるレベルでは無いと思いますので御安心下さい。

stagia3自動車ボディの塗装で一番気をつける事は「新車肌の再現」で、このテールランプのようにテロっとさせてはいけません。一見綺麗に見えますがそれは「修復」では無くカスタムになってしまうのです(古い車で新車時に磨きがされていてミラーフィニッシュのような車体は当然それに合わせる必要がありますが)。

テールランプの場合はやはり同じ様に元のフラットな質感にする事が大事で、本塗り時もこうなるように意識して塗っています。肌が全く無い訳では無いですが、一見してこれらが塗った物だとは判らないと思います。と言うのが理想ですので・・・。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!