ゼンハイザーXSW-D ワイヤレスオーディオ塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたSENNHEISER XSW-D XLR BASE SET、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は未塗装の黒い樹脂素地状態だった物に、

以前御依頼頂いたマイクと同様、キャンディーレッドの塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工です。またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

一回の塗装だと全体の凸凹が目立ったので、最初の塗膜が完全硬化後、もう一度クリアーだけ塗り直しています。

本体下部のUSB端子と、上部にあるマイク接合部のストッパーボタンはマスキングで対応しています。

また本体正面の電源ボタンとインジケーターランプもマスキングで対応し、動作&灯火もしっかり確認出来ましたのでご安心くださいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂きまして誠にありがとう御座いました!

オデッセイフォグカバー 下準備

先日お預かりしておりましたホンダオデッセイ純正メッキフォググリルです。

こちらの製品は裏側に防汚用のスポンジテープが貼ってあって、これを剥がさずそのまま塗装する事も可能なのですが、メッキ素地への塗装の場合は下地処理の段階で非常に汚れ易く、またプライマーの塗装がメッキを覆うようフチから裏までまでしっかり塗りたいので、

一旦全部剥がすようにしています。これが結構大変なのですが(慣れていても一時間以上掛かります)、残したままだと絶対にストレスになるので剥がした方が気持ち良いです。

ちなみにここで溶解力の強い溶剤(シンナー )を使うとABSと装飾クロムメッキ(実際にはその下地の銅メッキ)との間で剥離が起きてしまう場合があるので(湯口の所からですね)、通常の作業と同様シリコンオフを使って作業をしています。

穴の周りにはグレーメタリックの塗装が施されているので、それも剥がしておきます。メッキのままだとフォグの光が反射して無用に散乱するのを防ぐ為でしょうか。

その後メッキの素地調整を行い、まずは裏側にプライマーを塗布します。

続けて表側にもプライマーを塗布します。このプライマーの役割としては密着性なので極薄膜で構わないのですが、この後のサフェ研ぎを行った際にメッキ素地が露出するとまた塗り直しなので、それを防ぐ為に3コート程塗っておきます。

ある程度表面が乾いたら続けてサーフェサーを塗布します。ウェットオンウェットですね。

ライン出しでは無いのでサフェは薄膜で良いのですが、先に塗ったプライマーと同様、それ自体で凸凹とした肌が出来てしまう為、後のそれを研いで平滑にする際に下地を露出させないようしっかり塗っておきます。こちらは4コートです。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたら研ぎ作業を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヤマハショルダーキーボード塗装承ってます

先日到着しておりましたヤマハKX5ショルダーキーボードです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

本体そのままお預かりしておりますが、今回塗るのは鍵盤部分のみで、

こちらの白い鍵盤を「艶あり黒」への塗装で、またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っています(黒い鍵盤は塗りません)。

キーボードの鍵盤塗装について御依頼を頂くのは今回が初めてですが、以前個人的な趣味で塗った時の物がありますのでそちらを紹介させて頂きます。

こちらはカバーパネルと黒い鍵盤を、見る角度で色相が変わるクロマフレア風の顔料を使って塗装しました。今回はこれと逆といった感じですね。

こちらのKORGのキーボードは鍵盤では無くボディを塗った物ですね。今回は白い鍵盤を黒に塗る訳ですが、例えばこの鍵盤をボディと同じ水色にする事も可能という訳です。

と言う訳で早速分解する事にしました(初めて行う物だと構造が判らないので実際に分解出来るのか不安ですので)。

見てない箇所に爪での固定だと破損するリスクがありますが(実際破損しないと分解出来ないような物もあります)、今回の製品はネジがメインなのでその点は気が楽です。

裏ブタを外すとキーボードの土台を固定するネジが出てきます。ただ配線のコネクターが表側に回っていたので、結局そちらのカバーパネルも外す事になりました。

と言う訳で鍵盤部をゴッソリ丸ごと外しました。

取り外す前にマジックで番号を書いておきます。順番通り元に戻らないと気持ち悪いですからね。

今まで分解したタイプとはちょっと違っていましたが、問題無く白い鍵盤を取り外せました。黒い鍵盤は何もしないのでそのままにしておきます。

取り外した鍵盤はそれぞれ金属製のプレートが着いていて、それも簡単に外れてしまうので予め番号を書いておきたいのですが、

グリースが付着しているので、

先に中性洗剤を入れた水に浸けて油分を取り除いておく事にしました。いつも使うアルカリ洗浄液やマジックリンでは無く一般的な食器用洗剤なので長く浸けておいても安心です。

その後数日間浸け置きし、ある程度のグリースを除去出来ました。

金属製のプレートを取り外し、元々着いていた鍵盤が判るよう番号を振っておきました。裏表も元通りに出来るようにしておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ホンダシビックヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたホンダ シビック用のワンカムD15Bエンジン用ヘッドカバーです。その後アルカリ洗浄槽にて浸け置きし、裏側のバッフルプレート部をマスキングしておきました。

今回は腐食が酷いので、ボルト穴周りやプラグキャップ取り付け部も一緒にサンドブラストを行います。

いつもは吸い上げ式のブラストガン(画像に映っている物)を使いますが、

今回は腐食が酷かったという事もあり、直圧タイプを使う事にしました。

その後リン酸処理→洗浄を行い、よく乾燥させておきました。

マスキングもやり直してあります。

まずは全体にプライマーを塗布します。これを塗らないと経年で塗膜が剥がれ腐食が発生します。ホンダの純正ヘッドカバー(特に結晶塗装済み品)がペリペリと剥がれるのは、金属素地に直接上塗り(結晶塗装)を行っているからですね。

続けて塗膜を厚くしたくない箇所にベースコートの黒を塗布します。ボルト取り付け部・ホースパイプ部・プラグキャップ取り付け部です。

ベースコートの黒が乾いたらそれらの箇所をマスキングし、

結晶塗装の黒を塗布します。こちらは専用の塗料で、大泰化工社のリンターなる製品となります。全体の塗膜が均一になるよう、ウェットで6コート程塗っています。

その後120℃~170℃程の熱を掛けて塗膜を硬化(熱重合)させます。

30分程熱を掛けたら一回目の焼付け完了です。

マニュアル上だと120℃15分で焼き付け完了なのですが、実際にはそれだと焼きが甘い感じがするので、後日恒温機で120℃30分程の熱を掛けて二度焼きを行います。

その後VTEC HONDAの凸文字を研磨してアルミ地を光らせます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ノート用スポーツホーン 本塗り

先日お預かりしておりましたノート用の日産スポーツホーンです。

ブレーキキャリパーは数日前に下塗りを行っていて、先日はブレーキディスクのプレートの本塗りも終えています。

今回は色替えの塗装と元のようなロゴ入れも承っておりまして、元々プリントされたロゴは平面の箇所だったので直接スキャナー台にそれを置いて読み込む事にしました。

スキャンして読み込んだ画像です。NISSANのロゴは元々持っている物があるので、

新たにSPOTS HORNのロゴデータを作成しました。

実際にプリントアウトしてサイズを確認し、良ければこれを基にデカールを作成します。

そして本体を塗装する為の作業を行います。

塗らない部分をマスキングし、

ロゴのプリントを削り落とし、全体を#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理をします。

よく脱脂清掃し、樹脂素地が露出した箇所にプラスチックプライマーを塗布したら、

ベースコートを塗布します。キャリパーとローターにも使ったニスモレッド(カラーコード:LA10)ですね。

その後場所を工場二階に移動し、用意したデカール(シルバー)を貼り付けます。

元の画像を見ながら同じ位置に配します。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。クリアーは艶消し仕様となります。

時間が経過すると艶が消えます。

艶消しならデカールの段差も目立たなくなるのでは?と思いましたが、

 やはり気になったので、強制乾燥完全硬化後に、

表面を研磨して均し、再度全体に足付け処理を行って、

もう一度クリアーだけを塗りました。

デカールはシールに比べると非常に薄い物で、今回のようにエンジンルーム内に隠れてしまう物ならそこまで気にする必要は無いのかも知れませんが、出来上がって届いたそれを手に持って眺めた時に段差がはっきりと判ってしまうと残念な気持ちになってしまうと思いますから(少なくても私はそう思う派です)、「完璧」という物は無いにしても、出来る限りスッキリした気持ちになれる仕上がりにしたいと思っています。

一回目の塗装に比べるとデカールの段差は殆ど感じられなくなりました。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。次はブレーキキャリパー本体ですね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!