NISSAN S20ヘッドカバー 下準備

s2027 先日プライマー&サフェーサーの塗布が完了していたスカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。今回は結晶塗装では無く「艶々仕上げ」で承っていますので、下地は通常の塗装と同じく「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を行います。

黒い点々は研ぎ忘れ防止の為のガイドコートで、缶スプレーの塗料が無くなる寸前だったので塗り方が汚いですが、まあこれは全体的に飛んでいればOKなので問題ありません。

s2028平面は側面くらいしかないので、とにかく小さく切ったペーパーを使って角を立てないように注意して研ぎます。文字の隙間も勿論きっちり平らに研いでいきます。

深い傷は入れなく無いので本当は細かいペーパーで研ぎたいのですが#600くらいでは歯が立たないので#320から始めています。

s2029 超ハイペースで作業して3時間くらいで完了です。ただこれでも昔に比べると研磨作業用の副資材や石(研磨粒子)の質が良くなったので全然楽になりました。水研ぎがメインの時代だったら8時間くらいは掛かっていたのではないでしょうか…。

s2030角などアルミ素地が露出している箇所があるので再度全体にプライマーを塗っておきます。いつもならばこれは本塗り直前に行うのですが、今回は本塗りの途中で凸部を面研して光らせなければならないのでちょっと変則的な工程にしています。今度は穴だけをマスキングして、凸部には一緒にプライマーを塗ってしまいます。

s2031こんな感じで丸々プライマーを塗りました。そしてここから凸部を研いでいつもの結晶塗装の仕上げ並みに光らせます。周りに傷が付いたらマズイのでペーパーが当たりそうな箇所はマスキングしておきます。

s2032今回のヘッドカバーは、以前の塗装の時にシングルサンダーを多用されたらしくて歪みが非常に強く、いつもは使わない#80から始めて#120のダブルアクションサンダーで粗研ぎを、その後は固い当て板を使って#120→#180→#240→#320→#400の空研ぎで光らせています。

さらにその後は布状の研磨副資材(アシレックス)を使ってさらに光沢を出しますが、今回はこの後の本塗りで一旦凸部にも色を塗る事になるので(文字の部分のマスキングは物理的に難しいので)、とりあえず凸部はこの状態で終わりとして、この後は全体を#800で足付けしておきます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!

NBロードスターヘッドカバー 下準備

road27 ロードスターのヘッドカバーはアルカリ洗浄槽での浸け置きが完了したので、こちらも一緒にサンドブラスト処理を行っています。旧塗膜はありませんが全体に腐食が出ているので軽めのサンドブラスト作業を承っています。

ヘッドカバーの左上の方には恐らくタイミングベルトの交換時期についてのシールが貼ってあったと思うのですが、そこには新車時の綺麗なアルミ素地が残っています。最初はヘッドカバー全体があの美しいシルバーだった筈なんですけどね。今は綺麗なNDロードスターのヘッドカバーもいずれはこうなるという事です。

road28全体的に満遍なくサンドブラストを当てました。全然違いますよね。この後さらにリン酸処理も行います。

road29ちなみに今回は結晶塗装とは別に「凹み文字のパテ埋め」と、新たにmazDaのロゴを「凸文字」にする作業を承っています。

road30mazDaの凸文字は現状と同程度のサイズと位置で承っていますので、埋めてしまう前に位置を確認しておきます。デジタルカメラって本当に便利ですよね。

road31丁度プラグホールの真ん中に位置するような感じでしょうか

road32mazDaのロゴを石刷りで転写しておきます。

これをこの後スキャナーでパソコンに読み込み、既存のmazDaロゴデータをサイズ修正してデータを作り、そこからレーザー加工機を使って木型を作成、溶かした金属を流し込んで凸文字を作成すると言う作戦です。

ちなみに鋳造については既に以前試しているので多分問題は無いと思うのですが、基本的に仕事とは違うのでそちらについてはこちらの日記では無く社外記の方で紹介する事になるかと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。引き続き宜しく御願い致します!

CA18ヘッドカバー 旧塗膜剥離

silvia5 シルビアのヘッドカバーは、片側は溶剤浸け置きで旧塗膜を剥がしていますが、こちらはカバーがシール剤でくっ付いているので溶剤は使えず、代わりにサンドブラストで旧塗膜を剥がします。

silvia6ある程度はダブルアクションサンダーで剥がしておいたので細部に残った塗膜をサンドブラストで除去し、さらに全体に軽く掛けて作業完了です。

もう一方のタペットカバーとタイミングベルトカバーの塗膜を落としたら3点同時にリン酸処理を行う予定です。早ければ来週中には本塗り出来るかも知れません。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

TREK MTBアルミフレーム 下準備

trek6 先日まで溶剤槽に浸け置きしておいたトレックマドンのアルミフレームです。概ね既存の塗膜は剥がれてくれたので、最後にワイヤーガイドの内側などに残った塗膜をサンドブラストで除去します。

trek7 入り組んだ箇所はワイヤーブラシが入らないのでどうしても塗膜が残ってしまいますが、サンドブラストだとこんな感じで綺麗になります。

trek8ただサンドブラストだと傷などはそのまま残ってしまいますから、再度ダブルアクションサンダーで全体を削りながら傷をチェックして、必要な箇所にパテを塗ったりします。

来週中にはプライマー&サフェーサーを塗布し、再来週に本塗り、2月中には完成出来ると思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMWパニアケース用カーボンエンブレム 下塗りクリアー

bmw16BMWのカーボンパニアケースの作業はまだ先になるのですが、それに取り付けるカーボンプレートはクリアーの下塗りが必要だったので、他の本塗り作業の序にクリアーだけ塗らせて貰う事にしました。表面と側面は#400→#600で足付け処理してあります。

bmw17 クリアーを塗ってみると、全体にピンホールが発生しているのが判ると思います。一見するとハジキに見えますが、これはカーボン繊維の折り目の所に出来ている巣穴です(そこに離型剤が詰まっていてハジくと言うこともありますが、今回のはそれと違う感じです)。

bmw182コート目のクリアーを塗る前に、穴が空いたところにクリアーを筆指ししておきます。

bmw19 ちなみにクリアーの筆指しには専用の物があって、今時本当の筆を使うような事はありません。

手前の2本がそれで、先端のポッチのサイズによって色が違っていたりします。以前は紫色のを使っていましたがそれだとちょっと大き過ぎるので、今は下から二番目の極小をメインに使っています。

上の2本の筆はこれでもかなり細い物ですが、クリアーを筆指すとなるとこれでは不向きなのです。

bmw20 その後クリアーを二回塗って都合3コート塗り重ねました。表面張力でフチが盛り上がってしまっていますが後で削るので問題ありません。

bmw21 先ほどの画像にあった上から二番目の筆で、私的にお気に入りなので纏めて在庫しています。

bmw22 先ほどの筆指し用のピックは、こんな感じでシンナーを入れた小瓶に挿した状態で保管してあります。溶剤に浸けっぱなしなのに剥がれないって言うのが凄いですよね。

bmw23 先ほどの小瓶にはこういった物も一緒に入っていて、これは「スピナール」と言う、塗装面に付いたゴミを取り除く為のツールです。

一見すると単なる針金みたいですが全然違うんですよ。

bmw24スピナールの先端はバッタの足みたいに小さなギザギザが付いていて、この先端に毛埃が触れとしっかり絡み付いて簡単に取れる!と言う算段です。ちょっとした物ですが実に凄い物で、これのお陰で塗り直しを免れた!と言う塗装屋さんは多いのでは無いでしょうか(と言うかこれが無いと無理ですよ)。

カーボンプレートは一応もう一度下塗りを行い、その間に本体のカーボンパニアケースの作業もスタートすると思います。と言ってももう少し先になりそうですが・・・(すいません)。
どうぞもう少々お待ち下さいませ!