メルセデスR129インマニ 下準備

benz257インマニのインジェクションが挿さる孔のマスキングがテープやシールでは上手くいかなかったので、薄めのMDF板をレーザーでカットして填め込む事にしました。径をノギスで測ってデータを作ったらカットします。

benz258 多少キツイくらいで作っておき、ギュッと差し込むとこんな感じで固定されます。

benz259 その他パイプやガスケットが付く箇所はいつも通りマスキングテープで覆います。ちなみに圧入されたスチール製のパイプも結構錆びていましたが、そちらはマスキングする前にペーパーで磨いておきました。

benz260 今回塗装するメインは表面のみですが、防錆の為にプライマーとサフェーサーは裏側にも塗っておきます。プライマーが乾いたら一旦ひっくり返して表面にも塗ります。

benz261 表面のプライマーが乾いたら再度ひっくり返して今度はサフェーサーを塗布します。ちなみにサフェーサーは表面だけでも良かったのですが、プライマーの上にサフェーサーを重ねた場合は完全にプライマーを覆ってあげないとサフェの切れ目でチヂレが生じてしまうので裏側もしっかり塗っておく必要があるのです。サフェーサーしか塗っていないと気がつかない事なので意外と知られていないのですが(私も知りませんでした・・・)、わざわざプライマーを塗っている方には気をつけて頂ければと思います。

benz262裏側にサフェーサーを2コート程塗ったら再度ひっくり返し、続けて表面にもサフェを塗ります。こちらはしっかり充填させたいので6コート塗っています。

これでも結構巣穴が残っていたりするので(鋳造なので仕方ありません)、そちらはサフェーサーが硬化した後にパテで埋めるようにします。

とりあえずこちらはこの状態で少し寝かすとして、次はヘッドカバーの結晶塗装の方ですね。そちらも進行しましたらまた紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

新たなご依頼品も大分溜まってしまっておりますので順次ご案内していきますね。そちらももう少々お待ち下さいませ!

メルセデスR129ヘッドカバー&インマニ 素地調整

benz251 大変お待たせしました!メルセデスR129のヘッドカバー&巨大インマニは先日ブラスト屋さんから戻って来ていて、作業も進行しておりますのでご安心下さいませ。

benz252たっぷり塗られていた塗膜も腐食と共に綺麗さっぱり削り取られて来ました。仕上りはいつもながら素晴らしく、今回はサイズもそうですが重量も相当あるので大変だったと思います。いやはやお疲れ様でした・・・!

benz253 ちなみに旧塗膜が無くなって判りましたが、アルミ素地は結構梨地が凄く、また深い傷やグラインダーで削ったカクカクしたラインなどもそのまま残っています。結晶塗装であればこのまま塗っても殆ど目立たなくなりますが、今回こちらのインマニは「艶々のオレンジ」で承っていますのでこれを平滑にしなければなりません。

benz254と言う事でサフェーサーを塗る前にある程度素地を削っておく事にしました。最初は#80のシングルサンダーで 荒削りし、その後ダブルアクションサンダーで均していきます。

ちなみに艶々にしあげるのはこの部品全体と言う訳では無く、装着した状態で目立つ上部表面の平らな面のみを重点的に行います。と言ってもプライマー&サフェーサーは全体に塗りますからそれでもかなり大変ですけどね。

benz255 シングルサンダーは切削性は良いのですが深い傷が入ったり緩やかなラインがカクカクになってしまったりするのでその後はダブルアクションサンダーで均します。

benz256そしてこんな感じで素地調整が完了です。

この後は清掃を兼ねて全体を燐酸で処理し、マスキングをしてプライマー&サフェーサーを塗布します。

ここまでの作業は先日までに終わっていて、本日既にサフェーサーの塗布まで完了しました。続けてそちらも紹介しますね。

アランミクリメガネフレーム塗装 完成

alan70 大変お待たせしました!シルバーに塗られていたアランミクリのメガネフレームは、旧塗膜の剥離を経て「ブラック+ガラスフレーク」の塗装で完成となります。

さすがに一度塗られたメガネフレームを剥がして塗り直すのはリスクが高過ぎるのでお断りしようと思ったのですが、オーナー様から頂いたメールの文面で何とかやってみようと思った次第です。紹介させて頂きますね。

「素人目にもお粗末なので捨てることも考えましたがネットで見させて頂きそちら様にお願いした次第であります。

このままですと身につけることはしないので捨てることと同じです。

仰せの通り塗装剥がれのリスクは重々承知でもし受けて頂くことが可能であればやって頂きたいというのが私の希望です。(全て責任はこちらにあります)

プロの塗装施術者として受けれない、やりたくないとおっしゃるのであればそのお言葉十二分に尊重させて頂きますので諦めます。私も職人ですのでお気持ちはよく理解出来ます。」

実はこういう事でした。「身につける事はしないので捨てることと同じです」は痛過ぎますよね。

alan71色に関しては、

「希望色は黒でつやがあるタイプでシルバーの小さなラメを黒色を邪魔することなく密度を広めに入れて頂ければと思います。」

といったご希望を伺っていまして、ただラメを使うとなるとクリアーを突出してしまってクリアーの二度塗りなどが必要で今回のようなメガネフレームの様な繊細な塗装には向きませんから、結果として粒子が小さく輝きのある「ガラスフレーク」を採用しました。オーナー様からは既に感想を頂いて、まだ画像の段階ですが気に入って頂けて何よりです。

最初の状態も紹介しますね。

mikli届いた時がこの状態で、使われているのはプロ用の材料のようですが、レンズが付いたままマスキングで、しかも素地が見えてしまう箇所があったりとか・・・。

alan15いつもの癖なのですが、一度作業を始めたらキリの良いところまで止められなくなってしまうので実はこの後腕から背中~首に掛けて数日激しい痛みを伴いました。まあいつもの事ですしちゃんと復活するので問題はありません。と言うか自動車の車体を扱っていた頃に比べれば健康そのものですよ!(なのでもう戻る気はありません~)。

alan72今回はちょっと特殊な例で通常メガネフレームは「一度塗ったら塗り直しは不可」というのが基本ですから、お問い合わせを頂いても対応出来ない場合が御座います。何とぞご理解下さいませ。

しかしこれでようやくこのメガネフレームも本来の役目に就けそうで本当に何よりです。

それでは明日にでも完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

(雨止んだみたいですね~。何とか自転車で帰れそうです!)

スイフトフロント&ロアグリル&フォグカバー 本塗り

swift43 大変お待たせしました!スズキスイフトのフロントグリル&ロアグリル&フォグカバー、マットブラックで本塗り完了しております。

swift44 固定方法は色々悩んだのですが、通常のフロントグリルのように掴む場所が無いこと、またやはり裏からもしっかり塗りたかったのでこんな感じに支柱を3本立てて固定しています。とにかく塗り難いメッシュ状になっていますから極力ストレスを感じないようにして裏からアークあら塗れるようにしたいんですよね。

swift45 フォグカバーで一部加工されていて出来ていた隙間に関しては、これを埋めるのはシーラーでは無く巣穴を埋める為のスポットパテ(ラッカーパテ)を使う事にしました。茶色くなっている部分がそうです。

swift46 全体的に満遍なくプラスチックプライマーを塗布したら本塗り開始です。マットブラックの塗装方法はいつもの通りで、ベースコートの黒を塗ったら艶消し用のクリアーを塗ります。

swift47 こういった形状の部品は表からだけ塗ろうとしても塗料が奥まで入ってくれないので裏側からも(むしろ裏側からをメインに)スプレーをする必要があります。さらにこの形状ですから、縦横斜めと6方向×2(裏表)でスプレーしています。

swift48 その後1時間程はブースのファンを回しっぱなしにして自然乾燥させるとこんな感じで自然に艶が消えてくれています。こちらもやはり表からだけでは無く裏からも塗っています。

swift49 こちらも良い感じに艶が消えてくれました。

swift50ボディーシューツが飛び散って突起したようにザラザラになっていた肌はツルンとした艶消しになったと思います。お手元に届きましたら是非指を入れてみて質感を感じてみて下さい。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

アランミクリメガネフレーム 組み付け

alan65 こちらもお待たせしました!先日本塗りを終えたアランミクリのメガネフレームは塗膜が十分に硬化したようなのでレンズを組み付けてみました。ちなみに画像に写っている中性洗剤を潤滑油の代わりに使っています。

alan66 そしてレンズは無事装着完了です。かなりスマートに見えますがメガネもレンズも手も洗剤だらけで、全身の毛を逆立てながらの作業となっています。

ちなみに塗装の前に填め込む練習は何度もやっていて、それなりにコツは掴んであります。今回の場合は最初に外側の方をスライドして差し込み、レンズを多少強引に折り曲げるようにして最初に下を、その後上方を仕舞い込む感じにやっています。それでもレンズはかなり強く塗膜を擦りますから、となると私のストレスも相当の極限状態でして、よく水で洗い流して損傷が無い事が確認出来た時は危うく雄叫びを上げるところでした(笑。勿論嬉しくてです)。

alan67 その後は通常通り蝶番のネジを止めていきます。

alan68 時々見かける構造ですが、ネジの頭半分くらいはフレームに埋まったようになっているので(多分)ネジが抜ける心配が無いように出来ているのだと思います。当然このままだとネジは回せないので少し引っ張って芯を抜き出して外しています。

alan69蝶番周りのマスキングも良い感じに出来たと思います。メガネ屋さんに行く機会がありましたら是非評価を伺ってみて下さい。

それでは改めて完成画像撮影しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!