RB26→RB28タイミングベルトカバー 凸部研磨&シーリング

先日本塗りを終えていた日産RB26エンジンのタイミングベルトカバーです。その後恒温機で120℃30分程の熱を掛けて二度焼きを行っておきました。

最後に凸文字部を研磨してアルミ地を光らせ、

腐食の進行を遅らせられるよう、クリアーを筆で塗っておきます。

その後60℃40分程の熱を掛けてクリアーを硬化させたら、最初に剥がしておいたシーラーを貼り付けます。シリコーン樹脂製なのでそれと同じタイプのシーラーを使用します(シリコーン系はそれと同系でなければくっ付きません)。

位置を合わせてマスキングテープで固定し、さらに数日寝かします。

本来ならこれで完成!という事だったのですが、

凸文字部に塗ったクリアーの刷毛目が気になったので、改めて研磨して削り落として再度塗り直す事にしました。

今度は硬化速度・揮発速度の遅い仕様にしたので断然良くなりました。やはりというか気温と湿度の高いこの時期は気をつけないとですね。

この後は再び熱を入れますが、どの場合でもこれ単体でそれを行うとコスト高&環境負荷が高くなるので、他の御依頼品で熱を入れる時に一緒に行わせて頂く事とします。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタTE47室内レンズ等 下準備

先日お預かりしておりましたトヨタTE47トレノGT用の室内ルームランプと、ナンバー灯カバーレンズ3点です。

ご依頼内容はクリアー塗装によるリフレッシュで、ただそれだけに汚れが残っているとそれがそのまま封入されてしまいますから、

まずは全体を#800相当の布状研磨副資材で研磨し、ウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで表面を一皮剥くようにします。

ただルームランプカバーは黄ばみが酷く、削っても削っても染みのように残ってしまうので、徐々に番手を下げていき(粗くして)、#320→#400→#500で研磨しました。

さらに重曹を使ったウェットブラストも行います。

今回は裏側にもクリアーを塗るのですが、内側やレンズカット加工のような模様になっている箇所はペーパーで研磨するのが難しく、その点で粒子状の研磨材(今回の場合は重曹)を投射して被加工物に衝突させ、表面の研削行えるウェットブラストはとても有効です。

完全とは言えませんが、ルームランプカバーもかなり黄ばみは取れたと思います。

この後まずは裏側にクリアーを塗り、一旦完全硬化させた後に表側のクリアー塗装を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB27加工 エンジンパーツ塗装承ってます

先日到着しておりました日産BNR34純正のヘッドカバーと、プラグカバー2点、そして樹脂製のタイミングベルトカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ヘッドカバーは新品ですが、

少し前に施工したRB26改RB30タイミングベルトカバーと同様、元々塗ってある塗装はザラザラとしていて、その際は下地の状態(アルミの素地調整)が良くありませんでしたから、今回もこちらは一旦剥がしてプライマーの塗装からやり直そうと思います。

プラグカバーは一枚は新品ですが、

やはりアルミの素地調整が悪く、また腐食を止める為の防錆塗料(プライマー)も塗られていないと経年でこうなってしまう事が予想される為、一旦剥がしてから塗り直す事にします。既に腐食が出ているこちらのプラグカバーは、一旦こうなってしまうとサンディング(サンダーや手作業によるペーパー掛け)だけでは腐蝕は取り除けませんので、サンドブラストも行う予定です。

尚、ご希望の塗装は結晶塗装で、以前施工したNAロードスターヘッドカバーの色味がそれに近いとの事ですので、それを参考に色を作成するようにします。そちらの画像も紹介します。

この時はマツダ「ブルーブラック」(カラーコード:HQ)を参考にして、結晶塗装の黒に青を混ぜて色を作成しています。

タイミングベルトカバーは樹脂製(PP=ポリプロピレン)で、これに関しては変形の恐れがあるので硬化時に熱を掛ける結晶塗装は今までお受付をしておりませんでしたが、その後私物のバイク用パーツや、PMMA=アクリル樹脂で色々と試してみて大丈夫な方法を見つけましたので、今回初めてお受付する次第となりました。

また今回はこちらのRB26の「6」を「7」への変更で承っております。いつものアルミパーツで行っているような面研はせず、塗装したそのままとします(削ったところで黒い樹脂が出るだけですのでこの場合は塗ったそのままが間違い無いかと思います)。

ちなみに「8」に関しては何度か施工事例がありますのでそちらを紹介します。

BNR32 Timing Belt Cover RB26→RB28

こちらは「26」を「30」に変更しました。

NISSAN BNR32 RB26→RB30

今回の「7」は初めてとなりますので、まずはそれのデータ作成からとなります。

またいつものアルミ製のタイミングベルトカバーとはフォント自体も違うので、そこからの制作となります。

 

既存の凸文字にマスキングテープを貼り、それを石刷りの要領で輪郭を描き、スキャナーを使ってPCに読み込み、デザイン作成用のソフト(Illustrator)を使ってデータを作成します。まずは「RB26」に似たようなフォントを探す作業からとなります。

元々PCに入っていたフォントでは良さそうな物が無かったので、フォント集から一つ一つ選び、似たような物をインストールします。ポルシェのフォントなんてあったんですね!

色々と探し続けた結果、こちらの「Aggie」なるフォントが似て居そうなのが判りました。

それをインストールして既存のフォントと合わせ、

そこから「7」を導きだし、既存のフォントの太さ、サイズに合わせて各部を修正します。

その後は印刷→修正を繰り返し、

とりあえずはこちらのデータを基本として使う事にしました。

「2」に比べると少し大きいのは「テーパー状の底」の部分にサイズを合わせている事と、この後レーザーカットで原型の元となる物を作成する時にさらにサイズが小さくなる事を想定しています。

尚、今回はアルミでの制作では無いのでまずはPMMA=アクリル樹脂で原型を作成し、そこからシリコーン型を作ってエポキシ樹脂(レジン)で作成してそれを貼り付ける作戦としています。

参考までに以前施工した似たような案件を紹介しますね。

こちらは以前「RS」のサイズとデザインに似せて「CS」のエンブレムを作成し、艶消し黒の塗装を施した案件となります。

この時は成型した原型をそのまま塗装した内容ですが、今回はPMMAよりはエポキシ樹脂の方が耐熱性がある事、また今後同じような内容でのご依頼があるかも知れないのを想定し、複製を作って使う事を想定しています。

またこの時はMDF材を使って原型を作成し、それを基にシリコーン型を作成して複製した物に塗装を施しました。コスト的に許されるならちゃんと蒸着メッキを施して完成度を上げたかった案件ですね。

尚今回の樹脂製タイミングベルトカバーは、

凸文字の所が中空になっているので、それを削り落とすと穴が開いてしまいますから、裏側から補強として薄いアルミ板か何かを接着しておく予定です。以前施工したロータスの樹脂製エンジンカバーに、鋳造して作成した凸文字を取り付ける際に行った時と同じような方法ですね。

自動車車体の補修塗装を行っていた時にはどれもやった事の無い内容ですが、その後小物の塗装専門となり、さらに趣味で始めた様な事が仕事に繋がっているのが楽しいです。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

パジェロフロントグリル塗装承ってます

先日到着しておりましたパジェロ用社外品フロントグリルです。こちらの製品はおよそ10年前に塗装のご依頼を頂いた製品で、この度もご贔屓頂き誠に有り難うございます!

10年経っていても全体の状態は良く、恐らく相当大事に扱われていた車両と思われます。

今回は部分的に塗装が剥がれているという事で、この部分の修正と、全体に当時と同じく三菱純正色の「クォーツブラウンメタリック」(カラーコード :C06)、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っております。

塗装するのはカバーパネルのみなので、

裏側のステーを外し、

網も外してカバー単体の状態にしました。また泥汚れもあるので清掃しておきます。

ステーは元々綺麗な艶消し黒に塗られていたのですが、こちらも劣化して白っぽくなってしまっていますので、艶消し黒で塗装しておくようにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 本塗り

先日「6」を「8」に変更加工しておいた日産RB26エンジンのタイミングベルトカバーです。8のフチに塗ったプライマーサーフェサーを研磨し、足付け処理を行っておきました。

裏側の塗装も剥がしているので、

まずはこちらにプライマーを塗布します。

裏側が乾いたら続けて表側にプライマーを塗布します。

さらに裏側にベースコートの黒を塗布します。

裏側が乾いたらマスキングをして、浮かした状態で塗れるよう台にセットしたら本塗り開始です。

当初色は黒のままと考えていましたが、見本としてお預かりしたプラグカバーと、先に塗った他の案件の結晶塗装の黒と見比べてみると、見本の方が少しグレーっぽかった為、赤と白を入れて調整しました。

結晶塗装用の塗料=リンターを4コート程塗り、140℃~170℃程の熱を掛けると画像のように結晶目が現れます。

結晶目は塗膜の厚みや塗り方(希釈率等)によって変わるので、それも見本に似せられるよう調整して塗装を行いました。

上面と側面で塗り方が変わると結晶目も変わってしまうので、全体が均一になるよう気を付けて塗装を行っています。

「RB28」の凸文字は、言われなければ加工(変更)したとは判らないかと思います。

凸文字部は最後に研磨してアルミ地を光らせます。

完全に同じという訳にはいきませんが、黒のままだったより断然色味は近くなったと思います。

今回はランボールギーニのヘッドカバーと一緒に塗装していて、そちらはそのままの黒で結晶目も元々塗られていた物を参考にしているので粗目の仕上がりになっています(かといってデロデロで汚い結晶目にはしていません)。

この後さらに恒温機で120℃30分程の二度焼きを行い、凸文字部を研磨してクリアーを筆で塗っておき、最初に剥がしたシーラーを元のように貼り付けておきます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!