先日お預りしておりましたSCUF Vantage プレイステーション4用コントローラー です。
脱脂清掃後、全体的に#800相当の研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理をしました。
溝やリングが嵌るギザギザの部分、各穴の断面などペーパーで当たり難い個所がある為、液体状の研磨材(ウォッシュコンパウンド)とナイロンブラシを使って細部の足付け処理を行います。
カバー裏側の金属取り付け部をマスキングし、そこをワニクリップで固定します。
リングはちょっとした事で折れてしまいそうなので、慎重に三点支持で固定します。
今回は色の見本として、Razer社のPC接続用スプリッターケーブルを一緒にお預りしていますので、それを参考にします。
当初はケーブルに合わせて(白を入れて)色を濁らせようと思ったのですが、先日塗装・完成したロジクールのワイヤレスマウスの感じでは、蛍光色は環境によって色の見え方がかなり変わる為、濁ってしまうよりは鮮やかな方が良いかと考え、余計な物は入れない事にしました。具体的には、STANDOX原色グリーン(MIX573)と、蛍光イエローのみとなります。
また今回は膜厚を着けないようにする為、下色にはこちらの色相環グリーン(4時)を使います(ちなみにミニカー型の色見本は下色はVW社のキャンディホワイト=LB9Aとなります)。色相環の塗料についてはこちらのページで紹介していますので宜しければご参照下さいませ。
蛍光カラーの配合は、
バインダー(MIX599):蛍光イエローパウダー=10:1
として作った「蛍光イエローリキッド」(液体)をベースに、STANDOX原色のグリーン(MIX573)と「97:3」の割合で混ぜます。
MIX573グリーンが3%、蛍光イエローパウダーが約9%、バインダー(樹脂)が約88%といった割合で、これ単体では殆ど隠蔽はしません。3コートパールやキャンディーカラーと同じですね。
ここで気が付いたのですが、先日塗装したロジクールマウスの蛍光色と同様、リングを別々に塗るとそれぞれで色が変わってしまう!(しかも想像している以上に・・・!)と言う事で、プラスチック製のリングは本体に取り付けた状態で本塗りを行う事にしました。
幸いにして爪が入らないよう少しずらした状態にすると、かなり良い状態で仮固定する事が出来ました。
リング部分とカバー裏側の樹脂素地部分にプラスチックプライマーを塗り、下色の、さらに下色として、白を1コートのみ塗ります。下地の黒メタリックが染まっていないので(隠蔽していないので)グレーに見えます。
続けて下色としての色相環グリーン(4時)を塗ります。ここで完全に隠蔽させておきます。
そして蛍光グリーン(97:3仕様)を塗ります。
蛍光グリーンは4コート程塗りました。
そして艶消しクリアーです。
先日紹介しましたRobiと同じく、シンナー希釈率は少し多めにして複雑な形状のディテールが埋まらないようにしています。コート数は通常通り2コートです。
時間が経つにつれ徐々に艶が消えていきます。良い具合に蛍光感が残っているかと思います。
この後は一晩以上自然乾燥し、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
尚、先日お納めしたロジクールワイヤレスマウスのオーナー様から早速コメントを頂戴しましたので紹介させていただきます。
「本日無事午前中にマウスが届きました。やはり実物で見ると全然違い、嬉しさのあまり感動してしまいました。正に自分の求めた色になっています。マウス記事で「塗装に完璧な仕事はない」と記事に書かれていましたが、私個人としては完璧な仕事だと思います。」
との事です。有り難いお言葉、誠に恐縮です。
日記で撮影して紹介している完成画像は、サイズの縮小以外には加工・編集をしていませんので(しかもカメラもレンズも余り良い物ではないので・・・)、実物と比べるとどうしても劣って見えてしまっているかと思いますが、実際の物を見て頂いて喜んでいただけるのは当方としても非常に嬉しく、そしてようやく安心出来たという感じです。
それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!