BMW RnineTヘッドカバー 下準備

先日お預かりしておりましたBMW R nineT2バルブスタイルシリンダーヘッドカバー一式です。この間にも何件かお問合せがあったのですが(主にディーラーさん)、現在は納期が未定=六か月くらいとなっていますので、車体に着いている物となると難しいようでご依頼には至っていません。予め塗っておいてそれを販売するという事をすれば結構需要がありそうですが、販売前の中古車の塗装よろしくそれだとどうしても身が入らないので(仕上がりよりもスピードと金額を重視しなければならないので)好きじゃないんですよね。気を付けてはいても知れず知らずのうちに「まあいいや」みたいなのが癖になりそうでして…。

ヘッドカバーの裏側は当たり面にプライマーが塗られているので、それを傷つけないよう保護用にマスキングをしておきます。

今回は鋳造時に出来た粗があるので、

リューターで削り落としておきました。

また今回はフィン部を研磨して光らせるよう承っていますので、塗装前にこの部分を粗削りしておきます。

まずはシングルサンダー#120で丸まった先端を平にしつつ、各フィンの太さを合わせていきます。この部位は型から抜けるようテーパー状になっているので、深く削るとラインは太くなり、また部分的に削り過ぎてしまうとグニャグニャと格好悪くなってしまうので、その辺りに気を付けて削っています。

シングルアクションでの粗研ぎが終わったらダブルアクションサンダー#120で研磨します。

シングルアクションの方が切削力は強いのですが、部分的に抉ってしまったり深い傷が入ってしまうので、その後ダブルアクションで均すようにします。

ただしダブルアクションサンダーだとエッジが尖らない傾向にあるので、塗装後の研磨では当て板を使って手作業で削るようにします。

その後全体の足付け処理の為、サンドブラストを行います。

通常の塗装の足付け処理としてはサンドブラストは粗すぎますが(もしくはその場合はウェットブラストを使ったりしますが)、結晶塗装では素地の粗さを目立たなくしてくれる効果があるので、よりしっかり細部まで処理してくれるサンドブラストを利用しています。

この後は良く洗浄し、いよいよ本塗りです。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!