スバルエンブレム(93033AG043)塗装承ってます

先日到着しておりましたスバル純正エンブレムです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

スバルのエンブレムはかなり多くの種類があって、今回も初めての型でした。なので分かり易いよう今後タイトルまたは記事内に部品番号を記載しておこうと思います(後で検索し易い為)。

今回のエンブレムは比較的サイズが小さいのですが、ただ他に多くあるタイプと違い、土台が貫通していない「お皿タイプ」となります。分解に手間が掛かる方ですね。

多くのスバルエンブレムは土台がリング状になって中央に穴が開いているのですが、こちらは塞がっているのでアクリルプレートを取り外すのが困難なのです。

という訳でまずは両面テープを剥がします。

既存のデータを見てみてもやはり施工事例の無い物で、新たに台紙のフィルムをスキャンしてデータを作成しました。

そのデータを基にレーザー加工機で両面テープをカットします。

出来上がった両面テープは、塗装が終わって最後に貼り付けておきます。

そして本体に貼ってあった両面テープを剥がし、リューターを使って土台の端に穴を開けます。ドリルだと勢い余ってアクリルプレートを傷つけてしまうのでこの方が安全です。

最後のメッキ層を残したら、ポンチでアクリルプレートを押し出します。

隙間が出来たらそこにヘラを差し込み、

プレートを外します。

開けた穴は後ほどエポキシ接着剤で埋めておきます。

ご依頼内容(作業内容)については以下のようになります。


【メッキ枠】・・・下地処理を行った後、艶あり黒に塗装

【アクリルプレート表側】・・・透過性の赤=レッドキャンディー塗装(艶あり仕上げ)

【アクリルプレート裏側】・・・六連星のメッキを剥がして粗目のシルバーメタリック=STANDOXMIX598塗装。背面の青は黒メタリックに変更。


となります。いずれもクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っています。

参考までに以前施工した時の画像を紹介します。

こちらは裏側は何もせず、表側から透過性=レッドキャンディーを塗装した仕様となります。

六連星は元々のメッキで、背板も青い被膜のままですが、赤が重なる事によって黒っぽく見えています。今回はこのメッキを粗目のメタリックシルバー(MIX598)に変更し、背板の青も黒メタリックに変えるといった内容となります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

バイク用ウィンカーレンズ 本塗り

先日下準備を行っておいたたバイク用のウィンカーランプです。

昔のバイク用レンズはそれ単体で外れる構造が主でしたが、近年は接着されて土台と一体型になっているので今回のようにマスキングで対応する場面が多くなりました。

ただ車(4輪車)のテールランプと違って土台とレンズとの間に隙間が無くピッタリ付いている為、気を遣わないとその部分の仕上がりが悪くなってしまいます。2コート目のクリアーが塗り終わったら直ぐに剥がせるよう際のマスキングは最後に貼るようにしています。

プラスチックプライマー塗布後、スモークのベースコートを塗ります。

ご希望の濃さの画像を参考に、スモーク含有量を少なくしたベースコートを4~5コート程に分けて塗り重ねていきます。

濃度が決まったら最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

フチのバツ切りマスキングは2コート目のクリアーが塗り終わったら直ぐに剥がしています。

当店ではスモーク塗装を含め殆どが「2コート塗装」(または3コート・4コート塗装)での施工で、例えば今回のようなスモーク塗装では「1コート塗装」も可能です。ソリッドカラー(メタリックでもパールでも無い色)と同じ方法ですね。

スモーク塗装を含むキャンディーカラーは、トップコート=クリアーに直接色を入れて塗る事も可能で、その方法であればベースコートを塗る必要はありません。本塗り時間は数分の一、塗装途中のフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)も不要なので本塗り時間はわずか数分で終わせる事も可能です。

ただしそれを行うとスモークの微調整が難しく(今レベルはほぼ不可能)、またクリアーの膜厚が大きくなる箇所=フチなどでスモークが濃くなってしまう等の弊害がある為、時間が掛かっても今の2コート仕様で対応しているという訳です(実際その方がリスクも少ないですし)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

インプレッサGC8テーランプ 本塗り

先日下準備を行っておいたスバルインプレッサGC8の純正テールランプです。

よく脱脂清掃し、エアーブローで埃を飛ばします。

今回はクリアーレンズ部にスモークを塗らないようにする為、ラインテープを境界線に貼ります。

今回のテールランプは、クリアーレンズと赤いレンズとのつなぎ目よりも赤い色が2~3ミリ食み出たようになっている為、その箇所を境界としています。鮮やかな赤が残ったら変ですからね。

ラインが決まったらクリアーレンズ部全体をマスキングします。

全体にマスキングテープを貼ってしまう場合もありますが、足付け処理されて脱脂された被塗面は糊が非常にくっつき易いので、養生紙を使っています。

ご希望されている濃さの画像を参考にスモークを塗装します。

スモークのベースコートは4~5コートに別けて塗っています。一度に塗ろうとすると塗りムラが出来たり濃度の微調整が出来ない為ですね。

濃さが決まったらマスキングを剥がし、露出した被塗面を改めて脱脂清掃します。

エアーブローとタッククロスで埃を飛ばしたらプラスチックプライマーを塗布し、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

クリアーは2コート、極力塗り肌が出来ないようハードナー・シンナーを規定よりも遅めにし、またスプレー時に塗料中の溶剤が無用に揮発しないようエアー圧を落としてガン距離を近めにして塗っています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

180SXサイドマーカー&フロントポジションレンズ 本塗り

先日下準備を行っておいた日産180SX用のフロントポジションランプとサイドマーカーです。

被塗面は#800~#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン~オレンジ)で足付け処理をしてあります。

フロントポジションレンズは土台とレンズとの間に隙間が無いので、2回目のクリアーを塗り終わったら直ぐにマスキングを剥がせるようにしてあります。

サイドマーカーは裏側まで回り込んで塗るようにしています。

よく脱脂清掃し、エアーブローで埃を飛ばしたらプラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。

ご指定頂いた画像を参考に、スモークのベースコートを4~5コートに別けて塗り重ねていきます。

サイドマーカーとこちらのフロントランプでは内部の構造が違っていて、

左のフロントランプは内部にメッキの反射板があり、右のサイドマーカーにはそれが無い為、同じようにスモークを塗っても濃さの見え方が全く違います。

なのでまずはサイドマーカーで希望する濃さに調整し、その後スモークが薄く見えるフロントランプをそれに合わせてスモークを追加していきます。

それぞれの濃さが決まったらよく乾燥させ、

 

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

2コート目のクリアーを塗り終わったら直ぐにフチのマスキングテープを剥がしておきます。

これくらいのサイズなら自宅の作業場でも塗れるので、今の工場を返して自宅で極お小さい物だけを塗っているであろう20年後も対応出来るかも知れません。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルレヴォーグテールランプ 本塗り

先日に引き続き、下準備を行っておいたレンズパーツ一式です。

テールランプ系のレンズはPMMA=アクリル樹脂素材が殆どで、他の塗装と同様そのまま塗っても塗膜は密着しませんから、被塗面を#800~#1300程度で研磨して足付け処理を行います。また製造時のゲート部分のバリがある場合は#120~#500と当て板を使って均しておきます。

ブース内の床と壁、塗装台は予め清掃してあります。通常の塗色=下地を隠蔽する塗装であれば多少のゴミでも誤魔化せますが、透過性塗装の場合は延々それが見えてしまうのでとても気を遣う必要があり、かといって毎回塗装前の準備に多くの時間を費やしてしまうと費用が今の倍くらいになってしまいますから、ある程度の数を纏めて作業をする事でコストを落としています。

スモークはベースコートで、4~5コート程に分けて塗っています。

今回のように薄めのスモークは微調整が難しく、塗料中のスモーク含有量を減らし、逆にコート数を多くする事で対応しています。先ほど紹介したゴミの付着の件もそうですが、塗り過ぎて濃くなっても塗り直しは出来ませんから、通常の塗色より気を遣います。

ご指定の画像を参考に濃さが決まったらしっかり乾燥させ、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

前記したようにテールランプ等の透過性塗装はかなり気を遣うので、あと数年で受付を停止しようと考えています。丁度今の私が「車体の塗装」の引退を考えていた年齢で、今後は身体的に衰えが顕著に表れると思っているので、それに併せて仕事内容も徐々に変えていこうと考えています。

とは言ってもまだあと25年は働かないといけない状況ですから、塗装屋自体を辞めるという訳では無く、後で焦らなくて済むよう徐々に環境を変えていくといった感じですね。うちは代々糖尿病になる家系なのですが、せめて私はそうならないようにとかなり気は遣ってはいます(その甲斐あって現在健康面で問題は殆どありません)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!