Wilsonカーボンテニスラケット 本塗り

wilson11 先日旧塗膜を剥離しサフェーサーを塗布しておいたウィルソンのカーボン製テニスラケットです。

全体にガイドコートを塗り、#600→#800で水研ぎを行います。通常は最初に#320~#400で空研ぎを入れますが、面自体が少ないのでこういった場合は#600からで大丈夫です。

wilson12 サフェーサーを研ぎ終わったらよく清掃し、マスキングをし直して台にセットします。

wilson13 台からは抜けるようにしてあるので、本塗り時は左手でラケットを持って右手でスプレーします。

wilson14 ベースコートの黒を塗り、つや消しクリアーを塗って本塗り完了です。

wilson15 艶消しクリアーは基本的に艶ありのクリアーと同じようにウェットに塗り込みますが、塗装後徐々に艶が消えていきます。塗料中に入っているつや消し用の顔料(ポリカーボネート粉では無いかと聞いたことがあります)が表面に並び、光の反射を抑制しているのではと思います。

wilson16 触るとまだ手の跡が付くような状態で、こちらも一晩は常温で置いてから熱を掛けるようにしています。

wilson17 見た目は缶スプレーのつや消し黒と同じですが、塗っているクリアーは艶ありのクリアーと同様の強度がありますのでご安心下さいませ。身近な物としては自動車のボディの塗装と同じ物と考えて頂いて大丈夫です(新車時と補修では厳密には違う塗料ですが考え方としては特に問題ありません)。

wilson18穴の中には元の色の赤や白などがありましたので、そちらは黒で見えないようにし、クリアーは極力穴の中には入らないようにしてグロメットがきつくならないようにしておりますのでご安心下さいませ。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Wilson テニスラケット サフェ入れ

wilson2 先日お預かりしておりましたウィルソンのカーボン製テニスラケットです。

wilson3 旧塗膜はここまで剥がすつもりは無かったのですが、やはりと言うか自転車カーボンフレームの塗装と同じく怪しい層があったのでそこまで削り落とす必要がありました。具体的に言うと、下から艶のある赤が出てきました(実際はつや消し仕上げで、足付け処理がされていれば下から艶のある層が出てくる事はあり得ません・・・)。

それにしても自転車フレームよりもボディが細見なのでエアーツールは殆ど使えず、ほぼ手作業での研磨作業となっています。

wilson4最終番手は#240まで均し、さらに外周のグロメットが嵌る溝の部分は#320→#400 まで仕上げました。

wilson5 と言うのも、ここに塗膜が着くとガットを固定する為のグロメット?が嵌らなくなる為、極力塗膜を付けたくなかったのです。

サフェーサーは全部で6コート塗りましたが、溝の部分は最後の2コートのみにしたかったので最初はマスキングしてあります。6ミリ幅のマスキングテープを半分程織り込んでフチがペラペラ捲れるようにして、それを左右に展開するように二重に貼ってます(上手く説明出来なくてすいません。車の塗装屋さんならこの異様な作業が判って頂けるかもです)。

wilson6 穴の裏側が塞がっていればエアーが通る事も無いので、結果内側から塗るサフェーサーも穴の中に入らずに済みます。スプレー塗装の弱点は空気止まりの所に塗料を塗着させる事が出来ず、それを利用した感じです。

wilson7 ラケット下部の方には溝が無い為、ここのみ穴の中に詰め物をしました。綿棒の先端をカットして詰めています。ただしこの場合、塗料の表面張力により穴の周りに余計に塗料が溜まってしまう恐れがあるのでここは塗り方に注意して対応します。

wilson8 全体にサフェーサーを4コート塗った時点で溝に貼ったマスキングテープを剥がしました。

wilson9 5コート目からのサフェーサーはシンナーで希釈してさらに膜厚が着くのを防ぎ、2コートのみに留めています。

wilson10溝の部分も穴の中もサフェーサーの膜厚は極力抑えられたと思います。

この後60℃40分程の熱を掛けてサフェーサーを完全硬化させたら再度全体を研ぎ出します。一応旧塗膜の剥離の段階で既存のラインを損なわないよう気を付けて研いでいるのでそんなに激しく研ぐ必要も無いと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

テニスラケット 塗装承ってます

wilson 先日到着しておりましたWilsonのテニスラケットです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

状態としては新品で、ただ自転車フレームの塗装と同様、各塗り分けやロゴで塗膜に段差がありますので、一旦全体を「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」の下地処理で平滑にしてからの塗装とします。色は「つや消し黒」で承っております。

wilson1素材についてはファイバーのようで、一応素材について調べてみた所、こちらは火山岩の一種である玄武岩を溶かして作ったバサルト繊維、所謂「バサルトファイバー」なる物のようです。これはホンダのルーフライニング(天井の内装)などにも使われている素材で、廃棄の際に焼却して残った物をリサイクル出来ると言う点で優れているようです。

 

尚塗装後には穴の所にグロメットを挿し込むとの事ですので、そこには塗料の膜厚が極端に付かないように気を付けて対応致します(具体的にはスプレーガンを塗面に対して垂直にして塗るという感じです)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!