BMW E30 Intake Manifold

bmw60 以前ご依頼を頂いたBMW E30のインテークマニホールドです。純正は未塗装の状態みたいで、今回はこれを赤の結晶塗装に、またBMWのロゴマーク部分の塗装も承りました。

bmw61 上下のフィン部分を面研して光らせ、中央にあるBMWのロゴマークに色を入れます。

bmw63 全体的に腐食が出ているのでサンドブラスト処理も行ないました。

bmw64 その後よく洗浄してリン酸処理を行ないます。一緒に写っているヘッドカバーはBMWでは無くNSXの物です。

bmw64 ガスケットが着く箇所についてはマスキングを行ないますのでわざわざご指定を頂かなくても大丈夫です。

bmw67 サージタンクは純正の状態では裏側が塗っていない事が殆どなのですが、防錆という面では全体に塗装をした方が良いですし、また単体で見た時に気持ちの良い物では無いので裏側までしっかり塗るようにしています。ただしその為の固定方法は少々面倒な事を行なっています。

bmw69 最初に裏側を塗装し、ひっくり返して表側も塗ったら熱を掛けて完全硬化させます。

結晶塗装の場合はメラミン系の熱硬化型塗料なので140℃程度の熱を掛けて硬化させます。

bmw71 そして今度はBMWのエンブレムマークの塗装を行ないます。

尚この時は画像から同じ様な色を作成していますが、先日Mカラーの配合データを入手しまいたので、今後はそれに倣って色を決める方法になるかと思います。

bmw72 マスキングを剥がした状態です。下地には予めプライマーが塗ってあります。

bmw73 凸部を面研して光らせます。

bmw75 その後部分的に色を塗っていきます。

bmw78 再度凸部を面研して光らせ、クリアーを筆で塗って完成です。

bmw79ヘッドカバーとは違い立体的な形で、しかも大きくて塗り難い所はありますが、均一でしっかりとした結晶目を出せていると思います。

bmw80 ネジ穴やインジェクター周りなどは塗らずにマスキングしてあります。

bmw81 裏側も綺麗に塗れていると思います。

bmw82元々は塗装される事を前提に作られていないので、ロゴやフィンは出っ張りの高さは無く余りハッキリとしてなかったのですが、今回の塗装と面研でかなり引き締まった感じになったと思います。地味なエンジンルームも華やかになったのでは無いでしょうか。

BMW E30 M3 EVO2ヘッドカバー&サージタンク サフェ入れ

bmw202 先日旧塗膜の剥離を終えていたMカラーのBMW E30 M3 EVO2ヘッドカバーです。その後リン酸処理を行っています。

bmw203 今回は結晶塗装では無く艶有りのMカラーの塗装なのですが、如何せん砂型鋳造の梨地が凄く、とても不安です。

bmw204 これにサフェーサーを塗って平滑に研ぐのは非常に困難なので、だったらと思ってスプレーパテを考えたのですが、そこで気がついたのが元々塗ってあった黄色っぽい下地です。恐らくあれはスプレーパテで、熱に弱いポリエステル樹脂が故にあのクラックが発生していたのでは?と思いました。なので同じ轍は踏みません。

bmw205 サージタンクの方は下地から白い塗膜が出ているので、これは普通のサフェーサーだと思います。塗膜の状態も良く、こちらは傷のある箇所のみを削って通常通りの下地処理を行います。

bmw206 傷は元々あったというよりかは、恐らくこれを車体から外す時に付けられた物が殆どのような気がします。特にパイプ周りは工具で抉った跡が多くみられます。テコの支点となる部分にプラスチックヘラでも挟んでくれればここまで酷くはならないんですけどね。

bmw207という訳でまずはプライマーを塗布します。

bmw208 サージタンクはアルミ素地が露出している箇所のみでOKです。

bmw209 続けてサフェーサーを塗布します。こちらは既存の塗膜で下地が出来ているのでそんなに厚塗りをする必要は無く、シンナーで希釈して肌を荒らさないようにしています。

bmw210 今回の固定方法としては、木製の台を作成してサージタンクの中で支えるようにしています。またズレ防止の為、両側にL字のステーを取り付けて既存のスタッドボルトに固定しています。

bmw211 そしてヘッドカバーです。こちらは梨地が非常に粗いので濃い目のサフェーサー(と言うか規定通りです)を7コート程度塗っています。

bmw212 どうやら文字部分は輪郭を整える為にエンドミルでフライス加工をしているっぽいです。ただここまで彫らなくても・・・。

サフェーサーが硬化後にこれを削って被塗面を平滑にしますが、さすがに一度では難しそうなので多少遠回りをしても確実な方法で行なうつもりです。

bmw213プラグホールの周りは今回の為にレーザーで切り抜いた型が上手くいったので、かなり綺麗にマスキングをする事が出来ました。本塗り時にも使えるので手間もかなり低減出来たと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

BMWインマニ結晶塗装&ロゴ塗装 完成

bmw78 大変お待たせしました!BMWのインテークマニホールドは結晶塗装の赤、そしてロゴ部分を色分け塗装して完成となります。

bmw79 もともとこのフィンとエンブレムの箇所は面研がされていなく、「凸」と言うよりは「∩」といった形状でしたん。なので余り精密に作られていないせいかフィンもちょっと歪んでいます。まあ結構な時代物?なのでこの辺は想定内ですかね。

bmw80 裏側のインジェクター?が付く箇所はこんな感じでマスキングしてあります。御安心下さい。

bmw81車体についてしまうとこの辺はもう見えないかも知れませんが、実際どうなるか判らないので裏側も普通に仕上げています。新車の場合は見えない箇所は塗っていなかったりしますよね。

bmw82当初私的な見解としては、このエンブレム部分の上にプラスチック製のよくある「ボンネットエンブレム」を貼り付ければいいのでは?と思いましたが、確かにそれだと軽い感じがしてこの重厚なインマニには全然似合いませんでしたね。この手仕事っぽい感じが雰囲気を良くしていると思います(多分に漏れず今回もかなり油断していましたが・・・)。

bmw65番外編じゃありませんが一応失敗時?の画像もあったので紹介致します。水色に塗った垂直ライン自体は今の完成形とは全く変わりは無く、ただ横の格子線が斜めになっているせいで凄くズレた状態に見えますよね。実際に画像をダウンロード?してラインを引いて頂くと判ると思いますが見切りのライン自体は垂直になっているのです。目の錯覚なんですよね。

ただこのままではかなり残念ですから、この後改めて横の格子線を水色で塗ってズレを判り難く仕上げているのです。正直私もこんなにひどくなるとは思っていませんでしたので・・・。完成形は自然な感じに仕上がってますので御安心くださいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!

BMWインマニ ロゴペイント

bmw71 予定では少し後回しにさせて頂こうと思いましたが、夕方から夜の部に突入する時間帯が空いたので着手する事にしました。これとは別件でロゴデータの作成やらメール返信などもっとネチネチとした作業をやるにはまだ日が高過ぎるんですよね。という事でそちらは深夜の部(苦)に回す事にしました(故に今日も今日中には帰れないでしょう・・・)。

bmw72先日はここまで完了しておりました。一緒に塗ったNSXのヘッドカバーは既にオーナー様のお手元に届いたようで、そちらも無事喜んで頂けたようで何よりです。

bmw73まずは凸部の面研です。ロゴの部分は余り輪郭が余りはっきりしていないのですが、凸がそんなに高くは無いので研磨はそこそこで済ませておきます。

bmw74 もう少し削れれば「M」がはっきりしたと思いますがこれくらいで辞めておかないと取り返しが付かなくなりますからね。

ちなみにここで大きな問題が発覚しました。円の中心の「+」、何だかズレてます(苦)。

この部分は「白」と「水色」での塗り分けで、横線の細かいフィンがある箇所が水色になるのですが、このフィンの形に合わせて塗ると曲がった具合がかなり目立ちますからちょっとどうした物かと思いまして・・・。

bmw75 と言う訳でフィンの凸部は気にせずに水色を塗る事にしました。ちなみに最初に「白」を塗ってそこからマスキングをして水色を塗っていきます。上は良いんですよね、問題は下です。

bmw76 で、「白」「水色」「黒」を全部塗り終わって凸部を面研してみるとちょっとと言うか余り良い感じではありませんでした。ライン自体は真っ直ぐになっていても横縞のフィンが影響していかにも「食み出ました」みたいに見えてしまうのです。

結果、それの対応として横縞の凸フィンを後から水色で塗る事にしました。アルミ素地が露出しているので当然プライマーからの塗り直しです。マスキングは曲線があるので、丁度それに合ったマスキングシートが無いかと探し回った状態が上の画像です。丁度28ミリの丸にカットしたシートがあったのでそれの外側(本来は捨てる方)を使って上手くマスキングが出来ました。

bmw77そして完成です。これなら垂直ラインも曲がっては見えないですよね。何とか一番落ち着いて見れる形に出来たと思います。

とりあえず作業をしたブース内でそのまま撮影しただけなので後日ちゃんと紹介しますね。アルミ素地部分にはクリアーも筆塗りしたのでそれが硬化して発送が出来るのは来週始めになります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

 

BMWインマニ結晶塗装 本塗り

bmw64こちらもお待たせしました!BMWのインテークマニホールドはNSXのヘッドカバーと並行して作業しておりますのでこちらも無事本塗り完了しております。

インマニはご覧のように結構マスキングが大変で、今回は特にサイズ、重量、ついでに形も化け物級なので費用も高くなっています。一般的なヘッドカバーの倍程度ですかね・・・。

bmw65塗る為のセッティングもちょっと特殊で、表と同時に裏も塗らなければなりませんからこんな感じで固定しています。塗っている途中に裏返しに出来るようにしてあります。

bmw66 フィンの部分はいつものように塗装後に研磨して光らせますが、BMWのロゴマークに関しては黒とブルーで色を付けるよう承っています。

ちなみにこれら凸部はどれも鋳型そのままの状態でしたから先に#80で研磨してある程度平滑にしてあります。これでも結構削ったのですが「M」の部分がちょっと足りない感じですかね。これ以上削ると凸が足りなくなってしまうのでこれが限界でしょうか。

bmw67 そしてプライマーを塗布します。先ほどのNSXのプライマーとは違うのが判ると思います。

bmw68 こんな感じで台ごとひっくり返して裏側を塗れるようになっています。新車なら多分こういった所は塗っていないのが普通ですが「再塗装」となるとそうはいかないんですよね。最初に勤めたディーラーの集中センターで、ドアヒンジ部分に色がちゃんと入っていない時があって、それを上司(の何故かアメリカ人)に指摘された時、「だって新車でも同じ様な感じでしょ?」と言ったら「おまえがやっているのは新車の塗装ジャナイ」と言われたのを今も覚えています。若い頃は言い訳ばかりで何も判っていなかったんですよね。ちなみに私が塗っていたのは米国車じゃありません。ただ何故か部長がアメリカ人だったのです(その他ドイツ人・イギリス人・ブラジル人も居ました・・・)。

bmw69そして本塗り完了です。お待たせしました!

やはりと言うか面積が大きかったので使った塗料はヘッドカバー3個分くらいになったと思います。まさかパーツ一個でスプレーガンに入れた塗料が途中で足りなくなるとは思いませんでしたので・・・。

BMWのロゴ部分はマスキングしてあるので、この後こちらは別工程で黒と水色を塗り、最後に凸部を面研してフィニッシュの予定です。こちらは今週一杯は掛かりそうですね。作業進行しましたらまた紹介致します!