先日分解を終えていた1/18BMWミニカーですが、
一部、まだ外していなかった部品=リヤのリフレクターレンズが残っているのを見つけました。
こちらのパーツはボディの窪みにしっかり嵌っていて、出っ張りも隙間も無く、
また裏側からの貫通穴もありません。
サイズ自体が小さいので(高さが1mm程しかありません)、フェンダーダクトを外した時のように裏からドリルでサービスホールを開けるにしてもピンポイントで位置を合わせるのは難しく、また透明レンズ(透過性パーツ)なので傷をつけたら使い物にならなくなってしまいますから、
結局外から外すしか方法が無く、とりあえずいつもの様にドライヤーで熱々にして接着剤の効果を落とし、その隙にピンセットとピックツールで抉る方法を試しました。
が、
部品全面に接着剤が浸透しているという事もあり、外したレンズはバラバラになってしまいました。
反対側も同様です。
ちなみに部品取り用にもう一台をお預かりしていますが、そちらでやってもこれは上手く活かして外せそうな気がしません。
ただそんなに複雑な形では無いので、だったらという事でアクリル樹脂の端材を削って作ろうとしましたが、やはりというかサイズが小さ過ぎる(厚みも薄すぎる)ので中々上手く出来ず、
その他の手段として、元々あった窪みに樹脂を流し込んで作る方法にしました。
そのまま流し込むとまたくっ付いて剥がれなくなってしまうので、まずは窪みとその周りに離型剤を塗り、
紫外線硬化の透明樹脂=UVレジンを充填します。
平面では無いので手で持ちながら流れないように盛り付け、ハンディタイプのUVライトを照射します。
さらにその後、トンネル型のUVライトに対象物を入れて硬化させます。
離型剤が塗ってあるので簡単に剥がれます。この時点では食み出たバリが残っていますが、
再度元に戻し、#240のペーパーで表面を削ります。ボディとツライチにするちょっと手前な感じですね。
その後適当な木片に両面テープを貼り、外した注型レンズを仮止めしてペーパー掛けをして形を整えます。一回り小さく&角を取るような感じですね。
削っては装着してを何度か繰り返します。
良い感じになる手前で番手を落としてペーパー傷も均していきます。
形状が良くなったら、一応もう一度紫外線を照射しておきます。念には念を入れてですね。
という感じで完成です。ラインがズレているように見えますが、それはボディの素地(アルミ地)が露出してそれが重なっているからですね。
現状白っぽくなっていますが、塗装すればいつも塗っているレンズと同様透明になるので問題ありません。
この後は裏側にミラーシートを貼り、表から透過性の赤=レッドキャンディーを塗る予定です。今回使っているUVクリアーはポリエステル樹脂系ですから、元々のPS=ポリスチレンと違い普通に塗装が出来るのは良かったです(PSは溶けてしまいますので)。
あとうっかりしていましたが、リヤのナンバープレートはパーツでは無く、車体本体の形状にデカールが貼られた構造なので、今回これを日本仕様のナンバープレートに変更で承っていますから、この段さを平らに削らなければなりません。研ぎにくい場所なのでアルミ素地をそのまま平らにする事は難しそうですから、多少削り過ぎるくらいにして、その後パテでラインを成型しようかと思います。
そして壊して穴を開けて割ってしまったフェンダーグリル(ダクト)です。
よく脱脂清掃し、割れた箇所の周りを研磨足付け処理します。
プラスチックプライマーを塗布し、構造用エポキシ接着剤(3Mオフホワイト)を用意します。
ポリプロピレンのシート(市販のクリアーファイル)を下に敷き、割れた断面と穴の開いた箇所に充填します。
その後60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。裏側から見るとしっかり充填されているのが判ります。またPPはプライマー無しでは塗料も接着剤もくっ付かないので、離型剤無しで簡単に剥がせるのが良いところです。
#240~#400で削ってラインを整えます。
元々着いていた箇所に嵌めてみます。透明なパーツや形状が複雑な物(フィン状のグリル等)であれば部品取り用の車体から移植するしかないのですが、こちらのパーツであれば修理した方が早く、またどの道塗装する物なのでこの方法で良かったと思います。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!