THOMSONステムなど塗装 完成

thomson6 大変お待たせしました!ステムやハンドルなどの自転車小物部品は本日完成となります。

thomson8塗装としては単なる艶消しに見えますが、実際には表面はザラザラ(と言うよりはサラサラ)した質感での「ストラクチャー塗装」になっています。上の画像奥にあるハンドルグリップを見本にしてそれらしく仕上げました(ただしそもそもあちらは塗装とは違うので全く同じと言う訳にはいきませんが)。

thomson7 このストラクチャー塗装は元々は自動車バンパーの「梨地のプラスチック素地」を補修する為の塗料であって、今回これを使ったのもかなり久しぶりです。3年ぶりくらいですかね。

表面は細かい凸凹になっていて光の反射を抑え指紋や汚れなどもかなり目立たないので、使い方によっては中々面白いかも知れません。また一つ面白い発見があったと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

THOMSONステムなど 本塗り

thomson1こちらもお待たせしました!無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

部品は左から「シートポスト」「ステムの部品」「ステム」「ハンドル」となります。これの他にシートポストの部品が2点ありますがそちらも一緒に塗り終わっておりますので御安心下さい。

thomson今回の御依頼に関しては色だけではなく、見本と同じような「ザラザラとした質感」で御依頼承っています。

恐らくこの部品自体は、小さな鉄球のような物を勢い良く当てて加工するショットブラストによって表面を梨地に仕上げ、その後アルマイト処理で黒く染められたものかと思われます。

故に今回もお問い合わせ頂いた時点では塗装では無くアルマイトをお勧めしたのですが、それも御納得の上で塗装で御依頼頂く事となりました。シートポストなんてスライドさせたらその時点で塗装が傷付いてしまうのではと心配したのですが、自分の位置が決まっていればそれ以上動かす事は無いとの事なので問題無かったようですね(と言うか最近はシートポスト自体がフレームの一部になっていて最初に合わせた位置でカットしたらそれで終わりって言うのもあるらしいですし)。

ちなみに色の再現としては、単なる黒ではアルマイトな輝きが出ないので多少メタリックを入れておきました。そもそもアルマイトは塗装では無く気孔に染料が入り込んでいるので塗装でそれと同じように再現と言うのは難しく、なのでメタリックを入れて対応しています。

thomson3そして先日も紹介しましたが、トップコート(クリアー)には一番手前の「ストラクチャー」(ファイン)と一番奥の艶消し剤を使っています。真ん中のは同じくストラクチャーですがこちらは粗目なので使うとしたらスケートボード中央の滑り止めくらいですかね(それくらい粗いのです)。

thomson5そして本塗り完了です。塗装工程としてはいつも通りで、ベースコートに黒(メタリック少量混入)を塗り、それにストラクチャー仕様にしたクリアー(勿論これも硬化剤との混合比率は2:1)の2コート仕上げとなります。

thomson4塗ったばかりの時は艶消しクリアーの時と同様ですが、乾いていく過程でザラザラとした質感が出てきます。恐らく顔料に珪砂のような物が使われているんでしょうね。

thomson3ドライコートにするとその珪砂のような顔料が突起してしまうのでウェットに塗るように気をつけます。タオルで拭いたら繊維が引っかかったりしたら嫌過ぎますからね(塗り方を間違えるとこれは実際有り得ます)。

それでは完成次第改めて画像紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

 

THOMSON シートポストなど 下準備

thomson5 こちらもお待たせしました!ようやく実作業進行しましたので紹介させて頂きますね。

まずは素地調整としてサンドブラストを掛けるのですが、ステムの内側などは塗装しない箇所にはサンドブラストが当たらないようにする為にマスキングをしておきます。

thomson6 こんな感じでブラストボックスの中に部品を並べたら蓋を閉めて手袋に手を通してサンドブラストを掛けます。ブラスト作業は密閉した空間内で作業するか、または自分自身防護スーツを着て作業しないと大変な事になります(激しく痛いです)。

thomson7 そしてブラスト作業終了です。ボルト穴など窪んでいる箇所はペーパー掛けでは素地調整(足付け処理)が出来ませんからこういった場合にはサンドブラストが重宝します。アルマイト皮膜がしっかりしているとリン酸も効果は低いのです。

thomson10thomson8 そしてよく脱脂洗浄をしたらマスキングを貼り直しプライマーを塗る準備をします。

最初のツルツルの状態に比べると如何にも塗装が食いつきそうな感じがしますよね。ただしこのままトップコート(色またはクリアー)を塗ってもやはり塗膜は密着しません。必ず金属専用のプライマーが必要なのです。

thomson9そしてプライマー塗布完了です。

ちなみに今回は通常の塗装では無く、「触るとザラザラした感じ」といった塗装でご依頼頂いておりまして、それについては「ストラクチャー塗装」で対応します。これはスタンドックスの塗装システムにあるもので、主にプラスチック部品の「梨地」の補修に使われるものです。

ただそのままだとちょっと質感が違うので、それに使う「添加剤」「クリアー」「艶消し剤」の3種類の組み合わせを変えて見本の質感に近づけたいと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

 

THOMSON 分解

thomson4分解と言う程の作業ではありませんがとにかく作業は着手しておりますので御安心下さい。

素材はアルミですがご覧のようにかなり光っている物なので、塗装をする(プライマーを塗る)にはまず表面の素地調整が必要です。

平面的な面であればダブルアクションサンダーでも構わないのですがこういった小物製品はイビツな形をした箇所が多いので、こんな場合はサンドブラストでの処理が有効です。

という事で、他にもサンドブラスト処理を行う業務があったら並行して作業したいと思いますのでそれまでもう少々お待ち下さいませ。

 

ロードバイク用小物パーツ 塗装承ってます

thomson こちらも紹介が遅れましたが先日無事到着しておりましたロードバイクのハンドル・ステム・シートポストです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

thomson1 素材はアルミニウムで、この輝きからして表面処理が施していない訳がありません。

アルミはアルマイト処理を施す事で美観と耐蝕性が非常に向上しますが、これはスチールに装飾クロムメッキが施された物と同様に塗装にとってはちょっと厄介です。専用のプライマーでも食い付きが悪く密着性が弱いのです。

という事で、ちょっと勿体無いですが一旦表面をサンドブラストで一皮剥いてから塗装を施す事となります。勿論ダブルアクションサンダーでも大丈夫ですが、ネジが刺さる箇所など入り組んだ箇所にはこれでは無理なのでブラスト処理が適していますかね。ここまでアルマイト層が厚いとリン酸の効き目も弱いのでやはり物理的な処理が必要となります。

thomson2そして今回のご依頼としてはこのバーエンドの質感と同じようにと承っております。む、難しいですね・・・。

このバーエンドの場合はスチールボールを用いてのショットブラストか何かで素地を梨地状にし、その上にブラックアルマイト(アルマイト処理に黒の染料を用いて染めたもの)を施したものだと思います。これを塗装では・・・と思いましたが、STANDOXには「ストラクチャー塗装」なるシステムがあるので今回はそれで対応しようと思います。自動車の塗装屋さんなら良くご存知ですよね(ですよね?)。普段は使う事はありませんが稀に梨地のバンパーを補修する際に使う専用の塗料です。

thomson3各メーカーでもこういったストラクチャー塗装システムが出ているようですが、スタンドックス社のこれは恐らくかなり良く出来ていると思います。DUPONTでスマートリペアも経験していますがあれではどうしようも無いですよね(単なるボディシューツかと思いましたよ・・・)。今はもう少しマシになったのでしょうか。

スタンドックス社のストラクチャー塗装では「細目」(FINE)と「粗目」(COARSE)があって、後者も使った事はありますがこれはスケートボードに貼る滑り止めになるくらい粗いのであまり使う機会は無いですかね。一度お上の仕事(役所の備品)をする時に取り寄せて使いましたがこれが活躍出来る場は極限られているように思います。

そして今回利用するのが一番手前の「細目」でして、ただこれだとちょっと艶が強いので一番奥にある2Kエナメル(色のついたクリアーな塗料)専用の艶消し剤を配合して艶を調整します。

これらの材料はクリアー同様に硬化剤を50%混合して使います。という事は基本的にはクリアーと同じ樹脂成分で、使う用途に合わせて体質顔料や添加剤を加えられた物がそれぞれの製品となっているのです。

ちょっとややこしいですが、塗装は「これはこうしないといけない」といったマニュアル的な物は基本的な事しかないので、後はどれだけ自分で色々な手段や材料を知っているか(または経験しているか)で仕事の内容は大きく変わります。って言う程今回の材料は大袈裟なものでは無いんですけどね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!