VWゴルフエンブレム「GTD」改「TDI」制作塗装 完成

先日本塗りを終えていたフォルクスワーゲン純正のGTDエンブレムです。

「T」を加工して「I」に変更し、艶消し黒の塗装を施しています。

元々着いていた両面テープは塗装の際に剥がす必要があり(剥がさなくても出来ない事は無いのですが見た目が悪くなる事と、メッキと同様プライマーを全体に覆うようにしたいのでそうしています)、その前にスキャナーで形をPCに読み込んでベクトルデータを作成しておきます。

作成したデータを使ってレーザー加工機で、

両面テープをカットします。

これくらいの形ならカッターとハサミで切る事も出来ますが(むしろその方が早いです)、

純正と同様、エンブレム本体より一回り小さく、そして美しくカットされていると気持ちが良いのでそうしています。

尚、この時の両面テープは作業前に作成した物で、元々貼ってあった両面テープより若干厚く感じましたから、

完成後はもう少し薄いタイプの両面テープに変更しています。いずれも3MまたはNITTOの自動車補修用で使う物なので製品については信頼でき、また貼る前にはプライマーも塗っていますのでご安心くださいませ。

そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこういった「GTD」と「T」のエンブレムだった物の「T」を「I」に加工し、

改めて「TDI」のエンブレムとしました。

 

元々あった装飾クロムメッキは薬品で剥がしてから加工・塗装を施しています。

「T」と「D」はメッキは剥がしておらず、ただそのままだと上塗りは密着しませんので(密着剤の類は経年で劣化する為に当店では使用しませんので)、素地調整と下地処理を行ってからの上塗りとしています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

VWに詳しい方でも、まさか後から作ったとは気付かないかと思います。

ちなみに「わざわざメッキを剥がさなくても良いのでは?」と思うかも知れませんが、素材となるABS樹脂と装飾クロムメッキは密着はしておらず、全体を覆う事によってその形を保持しているだけなので、一部をカットして断面を露出してしまうとそこからメッキが浮いてきてしまうのでNGなのです。今回のように何かしら加工をするなら全部剥がし、残すなら下地を露出させないように注意が必要です。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

VWゴルフTDIエンブレム 本塗り

先日「T」を「I」に加工する作業と、メッキの素地調整、プライマー、サーフェサーを塗っておいたフォルクスワーゲン海外仕様車純正品の「GTD」改「TDI」のエンブレムです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

研ぎ作業としては、ペーパーをそのまま当ててしまうとラインが崩れてしまうので、こういった小さい物の場合でもしっかり当て板を使うようにします。画像だとちょっと判り難いのですが、今回は3mm厚のアクリル片に#800相当のシート状研磨副資材(トレカット イエロー)を貼って使っています。画像は表面と側面を削った所で、最後に斜めの面を削る前の状態となります。

 

最後にアシレックスレモン&オレンジでペーパー目を均し、

よく清掃したら台にセットします。

確実に固定するなら被塗物に穴を開けてネジを差し込むのが望ましいのですが、お預かりした品でそれを行うのはマズイので、ガムテープを丸めた物を裏側に貼り付け、それをワニクリップで掴むようにして固定しています。

裏側まで回り込んでフチまでしっかり塗り込めるようにしています。

こちらは「T」を「I」に加工したパーツで、上下で厚みが違うのが判るかと思います。

最終脱脂を終えたら本塗り開始です。

まずはベースコートの黒を塗布します。

御依頼は「つや消し黒」なのでこの状態でもそれにはなるのですが、

トップコートが無い状態だと1液ラッカー(缶スプレー)と変わりない程度なので、

最後に艶消しクリアーを塗ります。

艶ありの場合と同様ウェットで2コート塗ったら本塗り完了です。お待たせしました!

しっかり裏側まで回り込んで塗っています。

その後数時間の経過と共にクリアーの艶が消えていきます。

こちらの「T」と、

こちらの「D」は元々ある装飾クロムメッキはそのままで、その上に塗装が剥がれないよう下地処理を行ってから上塗りを行っています。

こちらの「T」を「I」に加工した物は、元々あったメッキを薬品で剥がし、サフェで下地を整えてから上塗りとしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

VWゴルフTDIエンブレム 下準備

先日お預かりしておりましたフォルクスワーゲン海外仕様車純正品の「GTD」と「T」のエンブレムです。

裏側に貼ってあった両面テープを剥がし、糊も綺麗に除去しておきます。

今回は「T」の文字を「I」への加工で承っていますので、まずはメッキを剥がします。

メッキを剥がす薬品についてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

薬品に浸けた翌日です。

綺麗にメッキが剥がれています。

ちなみにプラモデル等に使われているメッキは弱い物なのでハイター等で剥がせますが、今回のように耐久性が必要となる自動車部品には装飾クロムメッキが多く使われていて、これはハイターでは剥がせません。

またネックとなるのが使い終わった後の薬品で、これには重金属が溶けだしていますから、趣味として使うのは難しい所もあります。

当店の場合は密封容器に保管してあり、最後の最後にはメッキ工場さんに御願いして廃棄して貰うようにします(一応製品に付属する説明書にはコンクリートで固めると記載ありますが、だったら有料でもメッキ屋さんに御願いする方が良いかと思う次第です)。

綺麗にメッキが剥がれ、ABS樹脂の状態となりました。

その後長い方の辺を大体の位置でカットし、

研磨して長さを整え、面取りを行います。

このままでも塗れない事は無さそうですが、滲み(ブリード)等のトラブルが出る恐れもあるので、プライマー&サーフェサーを塗っておく事にします。

まずはプラスチックプライマーを塗布し、

ここで他のメッキパーツと共に下塗りのプライマーを塗布します。

各エンブレムはフチから裏側まで周り込むようにプライマーを塗ります。

その後サーフェサーを塗布します。

肌が荒れると研ぐ際にラインを崩してしまうので、サフェはシンナーの希釈率を高くしてサラっと3回程塗ります。

ちなみにエンブレムは上と下で厚みが違っていて、例えば上記の「I」は左側が上となります。

こちらの「T」は右側=上になる方の厚みが薄くなっているのが判ると思います。なので貼り付ける際には注意が必要ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

VWゴルフTDIエンブレム加工&塗装承ってます

先日到着しておりましたフォルクスワーゲン海外仕様車純正品の「GTD」と「T」のエンブレムです。こちらのオーナー様は以前ホンダS2000のハイマウントストップランプの塗装を御依頼頂いた方で、この度も当店をご贔屓頂き誠にありがとうございます!

御依頼内容としては、今回お預かりしたこちらの「GTD」の内の「T」と「D」を使い、

さらにこちらの単体の「T」を加工して「I」とし、最終的に「TDI」のエンブレムとするよう承っております。

「T」から「I」への加工方法としては、


①既存のメッキを剥がす

②「Tの上部分」の左右をカットし、「Tの下部分」と同じ様に研磨して成型

③「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」で下地を整える


となります。

既存の「T」と「D」についてはメッキは剥がさず、ただしそのまま上塗りを行っても塗膜は密着しませんので、メッキ用の下地処理を行ってからの上塗りとします。色は全て「つや消し黒」で承っています。

尚「G」は使わないのでそのまま返却するようにします。

メッキを剥がす作業については以前施工した事例がありますのでそちらを紹介します。

こちらは以前御依頼頂いたプジョーのステアリングスポークカバーで、

薬品を使って既存のメッキを剥がし、凹み文字部を削ってパテで埋めてから塗装を施しています。

一見するとメッキは「プラスチックとくっ付いている」と思われますが、実際にはそれらは密着しておらず、「プラスチックをメッキで包んでその形を維持している」と言うような表現が正しく、部分的にメッキを剥がすとそこをきっかけにメッキが剥がれたり浮いたりするので、全部剥がしてから作業する事が基本となります。足付け処理されないまま塗り重ねた塗膜にパテを被せたり塗装を行うとその際でチヂレが起きるのと同じような感じですね。

両面テープは剥がすと再利用が出来ないので、同じような感じで元に戻しておくようにします。

以前御依頼頂いたS2000のハイマウントストップランプも紹介させて頂きます。

元々赤いレンズだった物を、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理で整え、ボディ同色の「グランプリホワイト」(カラーコード:NH565)に塗装を施しています。3年程前に御依頼頂いた案件ですが「その仕上がりはとても良く、現在まで綺麗な状態を保っております」とのご報告を頂いております。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!