先日新しいドライポンプとクリスタルレジンNEOを使って真空脱泡注型を試みた溶けたウサギです。離型剤を綺麗に取り除き、表面に軽くペーパーを掛けて均しました。
このままでは気泡の具合が判り難いので、クリアーを塗って艶を出します。
クリアーを塗りました。仕事の序でなのでリッチにクリスタルクリアーです。
耳の外側に何カ所か気泡が見られますが(画像では見えません)、初めての仕様としては中々良い感じに出来たと思います。
その後熱を掛けて完成です。前回テスト的に透明ポリエステル樹脂で作った物と並べて比較してみました。
こちらの黄ばんでいる方が透明ポリエステル樹脂で、最初に購入したドライポンプでテスト的に行った物ですが、かなり気泡が入っているのが判ると思います。
ちなみにこれらの溶けたウサギ「TOROBBiT」はアートトイぺインターのGUNさんから頂いた未塗装品の物を、許可を頂いてシリコーン型を作って個人的に楽しんでいます。
ポリエステル樹脂で作った物と比べると、新たに作成したエポキシレジンのこちらは黄ばみも無く透明感があってとても美しいです。
気泡が多く入った理由としては、ポリエステルレジンは可使時間が短い為、気泡が消える前に樹脂が固まってしまうのが原因だと思います。反応が始まるまでは3分くらいでしょうか。
それに比べるとこちらのエポキシレジンはカタログ値で可使時間が70分とかなり長めで(実際この高温多湿な時期だと30分くらいだと思います)、真空脱泡機を使っての減圧→常圧戻し(加圧)を3回くらい繰り返す余裕があったので気泡もしっかり抜けたのだと思います(またはもしかしたら常圧のままでも綺麗に出来るのかも知れません)。
下から見ると何故か背徳的に感じるのは気のせいでしょうか・・・。
それにしてもこちらの透明ポリエステル樹脂、単体で見ている分にはかなり透明に見えていましたが、こうやって並べて比べてみるとかなり黄ばみが強いのが判ります。最初はこれでもかなり良い方だと思ったんですけどね。
対してこちらのクリスタルレジンNEOの方は相当透明なのが判ると思います。ただしこれでもいつも塗装で使うクリアーに比べると多少青黒いんですけどね。
ちなみに右耳(画像だと左側)中央辺りに極小さい黒い毛ホコリが混入していて、なるほどかなりしっかり仕上げる場合は塗装と同じくストレーナー(ろ紙)に通さないとダメな事も判明しました。まあでも繊維の形が立体的に見えるのでこれはこれで新鮮で面白いのですが(笑)。
先ほどのとは関係ありませんが、こちらは普段FRPの補修として使う不飽和ポリエステル樹脂(リゴラック)で、内部にはあり得ない程気泡が混入しているのが判ると思います。ゴミではなく殆ど気泡です。
こちらは可使時間が一分くらいしかないのと、そもそも注型用では無い物ですのでこれが普通です。
そういえば真空脱泡装置を作る前にはこんな物も用意してたりしました。ポリエステル樹脂に使用可能な「消泡材」なる添加剤です。
樹脂中に数%程添加すると泡が消え易くなるとの事で、ただデメリットとして白濁りするらしいので出来れば今回のような用途には使いたくなかったのです。ただ幸いにして(か)結局その後怒涛の勢いで真空脱泡化が進んだので出番は全くありませんでしたが(笑)。
後は場数を踏んで、目指すは大量生産ですね!(多分間違い)