BMWエンブレムバッジ 本塗り

 先日お預かりしておりましたBMWの純正エンブレムバッジです。

画像だと艶が引けたような感じですが、実際によく見てみると純正の塗装は大体このような感じです。恐らくはシャブい(シンナー量が多く固形=樹脂分の少ない)クリアーが使われているからだと思います。

 フチのアルミ素地部は塗らないのでマスキングをし、まずは全体を#1300相当(アシレックスオレンジ)で軽く研磨します。ここでガッツリ足付け処理をしようとすると角で素地が出てしまい部品自体がダメになってしまうのでそれを避けるようにしてペーパーを当てます。

 ペーパーでは当たり難い入り組んだ箇所(谷部分)は、液状の研磨剤=ォッシュコンパウンドと固めのナイロンブラシを使って研磨します。歯磨きの凄いVer.みたいな感じですね。

 その後枠のマスキングを貼り直し、よく脱脂清掃をして本塗り準備開始です。

 まずはベースクリアーを塗ります。これは色の着いていない(着色顔料の入っていない)ベースコートで、樹脂分のみの塗料(MIX599)にベースコートシンナーを入れただけの物となります。

ちなみに以前はこういった場合には専用のベースコートカラーレスを使っていましたが、3コートパールに使うバインダー(MIX599)をシンナーで希釈すれば同じようになるので今はこうしています(ただベースコートカラーレスの方が透明度が高いのでデリケートな塗色での車体塗装ではそちらが良い筈です。手間とコストどちらかで使い分けます)。

マスキングシートを作成します。

今回は白い部分をイエローに変えます 。

 フチを残して大まかにマスキングをしたら

 際の細かい部分をマスキングします。

 色は前回と同様ポルシェ純正色のレーシングイエロー(カラーコード:L1S1)で、違うのは塗っている部分が青では無く白になった事です。

尚、今回は白の上にイエローなので隠ぺい性の事から前回よりは少ない量(塗膜)で済みますが、薄すぎると下地の白が透け過ぎてしまい本来の色にはならないので(キャンディー塗装になってしまうので)、ある程度はしっかり塗っておく必要があります。

 マスキングを剥がしました。

ぱっと見は綺麗に塗れているようですが、近寄って見ると(近接撮影をすると)フチはガタガタになっていますから、ここから時間を掛けて修正を行います。

 最初と同じように大体のマスキングを行い、

 次は一か所ずつ修正していきます。

ここでは隠ぺいの事は考えなくて良いので薄膜の塗装で済みますから、フチがガタガタになる心配はありません。 尚使っているガンは口径0.3mmのSATAエアーブラシとなります。

 そしてマスキングを剥がしてベースコートが完了です。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ちなみに途中色のとまり(隠ぺい)具合を見る為に、通常はゼブラカード(白黒縞模様が入った色板)を使ったりしますが、それの代わりにイモリの形に切ったアクリル板を塗っています。どうせなら後でキーホルダーに出来るようにと大量にカットしておきました。イモリの作成については以前のこちらの記事が判り易いと思いますので宜しければご参照くださいませ。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMWエンブレムバッジ塗装承ってます

 先日到着しておりましたBMW純正のエンブレムバッジです。こちらのオーナー様は先日同じ部品を2個、青い部分をイエローに塗装をご依頼頂いた方で、今回は新たにこちらの一個をご依頼頂きました。この度もご贔屓頂きありがとうございます!

今回はこちらの一個を、白い部分をポルシェ純正色のレーシングイエロー(カラーコード:L1S1)で承りました。前回は白とイエローでしたが、今回は青とイエローの組み合わせですね。

前回ご依頼頂いた時の画像と、装着された画像も頂きましたのでそちらを紹介させて頂きます。

 この時は青い部分をイエローに塗っています。

仕上がりはイメージ以上と喜んで頂けたようで何よりでした。ちなみにボンネットは現在補修中で、それが終わってから取り付けられるとの事なのですが、その間に違う仕様も・・・と言う事で今回のご依頼になったのだと思います(笑)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMWエンブレムバッジ塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗を終えていたBMW純正のボンネットフードバッジとトランクバッジの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はこのような純正エンブレムでしたが、

 水色の部分をポルシェ純正色のレーシングイエロー(カラーコード:L1S1)にしました。

 下地処理(足付け処理)自体は枠を除く全体に行っていて、

 またクリアーも枠を除きエンブレム全体に塗っています。

 よく見ても元々ここが青だったとは判らない仕上がりに出来ていると思います。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!


 ちなみに梱包する際には塗装面に和紙(のような紙)を重ねてから包むのですが、インスタで紹介する際用にこのような形でも撮影しておきました。エンブレム単体だと社外品に思われてしまうので、ちゃんと純正品だと判るようにです。

実際にボディに装着されるとどう見えるのかも気になるところです。

BMWエンブレムバッジ 本塗り

 先日お預かりしておりましたBMW純正のボンネットフードバッジとトランクバッジです。

フチの部分はアルミ素地が露出しているので、その部分だけマスキングをしています。

 その他の部分はクリアーが塗られているので、まず#1300相当で軽く研磨します。研磨した粉に色が移らないので、その部分にはクリアーが塗ってあるという事が判ります。

 表面は凸凹しているのでペーパーだけで研ごうとすると下地が露出してしまいますから、細かい部分の足付け処理はナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状の研磨剤)を使います。

 よく水気を飛ばして、

 シリコンオフを塗ってみます。

金属に傷が付いているとこの時点で傷が目視できるのですが、ウェットにして見えなくなるので、この事からBMW文字などのアルミ部分にはクリアーが塗ってあるという事が判ります。

 フチのマスキングを貼り直し、よく脱脂清掃をしたら本塗り開始です。

 まずはベースクリアーを塗ります。色の無い=顔料の入っていないベースコートです。

 ベースクリアーを塗る理由としては、これから塗るイエローが定着し易いようにで、これによってマスキングでバツ切りにした際がシャープに仕上がります(私的な見解ですが、両者が溶け合うからだと思います)。

 よく乾燥したら場所を工場二階に移し、マスキング作業を行います。

 バツ切り際を残すようにして、まず全体をマスキングします。

 その後塗り分け部分の際をマスキングします。

 再び塗装ブースに戻り、

 まずは比較的隠ぺいの良い適当なイエローを塗布します。具体的にはVW社のサンフラワー(カラーコード:LB1B)です。これ自体決して隠ぺいの良いイエローでは無いのですが、断面に白が見えたりするのが嫌なので色相を揃えています。

 右がサンフラワーで、左がそれに今回ご指定のポルシェレーシングイエロー(カラーコード:L1S1)を1コートだけ塗った状態です。かなり隠ぺい力が低いイエローなのでこれだけで塗ろうとすると大変な事になります(恐らくは8コートくらい必要で、もはやまともに仕上がるとは思えません)。

この後3コート塗って隠ぺいします。

 通常ならこれでクリアー塗装となりますが、実際はそんな簡単ではありません(と言うかここからが本番です)。

 バツ切りマスキングしたフチはどうしてもガタガタになっていて、これが文字や模様ならそんなに目立たないのですが、今回のように「円」と「直線」で形成された物はこういった事がちょっとでも目立ってしまうので、ここから修正を行っていきます。

まずは段差が着いた部分をペーパー(布状研磨副資材)で研いで均し、

 再びマスキングを貼り直します。

これを何度か繰り返し、最終的には一か所ずつ仕上げていきます。

 下地の青が完全に見えなくなり、また最初からズレていた部分も違和感なく仕上がったらベースコートが完了です。

 再び台にセットし、タッククロス(塗装に影響の無い粘着剤の付いた不織布)とエアーブローをしてしっかり埃を飛ばし、

 トップコートのクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 普通に考えると「青い部分に黄色を塗るだけ」と思われがちですが、極近距離で見ても違和感なく(汚くなく)仕上げるのは意外と大変です(なので塗装のコストも新品エンブレムが何個も買える程になっているかと思います)。

密着剤などは使っていませんので経年で塗膜が劣化してクリアーがペリペリと剥がれるという事もありません(新品の塗膜に問題が無ければ、ですが)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMWエンブレムバッジ塗装承ってます

  先日到着しておりましたBMW純正のボンネットフードバッジとトランクバッジです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は青い部分をポルシェレーシングイエロー(カラーコード:L1S1)に変更で承っています。それだけ聞くと簡単そうに思えますが、実際は中々面倒な作業です。

 恐らくはフチがアルミ素地(通電しないのでアルマイト処理済み)で、それ以外の部分にはクリアーが塗ってあるものと思われます。

作業工程としてはフチをマスキングして全体を足付け処理し、マスキングをした上で青い部分にイエローを塗り、その後全体にクリアーをコートします。クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーで承っております。

よく見ると「M」や「W」の谷の部分で黒が鋭角に食み出ているのが判ります。となるとこういった箇所に段差が出来る筈ですが、それが無いので最後にクリアーをコートしているのでは、と予想しています(足付け処理をしたら判別出来ると思います)。

ちなみに今回の部品、新品状態で塗膜にビニールの痕が付いてしまっています。塗装直後に梱包するとよくこうなっていて、メッキエンブレムに密着剤だけで色を塗った物を買ったりすると、塗膜がビニールに完全にくっ付いて手元に届いた時には既に塗装が剥がれている!という事があるそうです(と言う事で改めて新品をご用意頂いて当店にご依頼を頂いた方が以前実際にいらっしゃいました)。

尚、塗装する上では問題ありませんのでご安心くださいませ。

また参考までに以前施工したBMWエンブレムの施工例を紹介させて頂きますね。

今回と似ていますが、中央の細いラインの部分が凹んでいます。本来であれば買い直した方が遥かに安価に済む筈ですが、思い出の品という事で塗装で何とかするようご依頼を承りました。こちらのページで作業内容をご確認頂けます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!