日産S20ヘッドカバー 下準備

いつもご贔屓を頂いている業者様から、二か月くらい前にお預かりしておりました日産スカイライン(ハコスカ)用のS20エンジンヘッドカバーです。ご承諾を頂いたので紹介をさせて頂きます。

現状はグレーの結晶塗装が施されていますが、もはやチヂレ目と言うより干ばつで出来た地割れのような状態になっています。

熱を入れるタイミングが遅かったか、使用期限を切れた塗料を使ったのではないでしょうか(ここまで酷くは無いですがこういった兆候が出た場合はやり直しています)。

  以前ご依頼を頂いたTOYOTA2000GTのボスに塗られた結晶塗装も凄かったですが、これで完成として出せる精神力が羨ましい限りです。

と言う訳で、その後アルカリ洗浄槽、溶剤槽に浸け置きをして旧塗膜を剥離しました。

前回の塗装はこの状態からそのまま上塗りを行われた筈ですが(なので塗装が密着していなく剥がれています)、

 マスキングをしてブラストボックスに入れ、

 サンドブラスト(軽め)を行いました。

その後凸部を#80→#120で粗研ぎし、

リン酸処理→洗浄を行いました。表面が黒っぽくなっているのは不働態被膜が出来ているからで、これだけでも一応は防錆効果があるのですが空気に触れていると劣化してしまうので、

その上にプライマーを塗り、サーフェサーを塗っておきます。

鉄にメッキが掛かった金属はそれ自体で防錆処理はされている訳ですが、屋外に置いておくと錆が発生するのはメッキが薄かったり気孔を水分(水蒸気)が通ってしまうからです。

その場合は屋外でも耐えら得るメッキ層にするか、その上に塗装を施す事で腐食は防げます。塗装の主な役割は「美観」「識別」「保護」となりますが、元々塗られていた塗装はその役目をどれも果たしていなかったのではと・・・。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

尚、ご依頼内容は日産純正色の「ミッドナイトパープルⅡ」(カラーコード:LV4)で、艶あり仕上げで承っております。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!