車椅子 色確認

 先日お預かりしておりました車椅子です。色見本帳の中から近似色を探します。

 淡い水色系のパールメタリックで、意外とありそうな色だと思っていたのですが、車体(4輪車)に使われている色はどれもメタリック感が強く、この数の中でもまあまあ似たような感じ程度の物が2色だけでした。

まずはこちらのフィアット/ランチアの塗色ですが、やはりと言うかパールと言うよりかはメタリックが強いです。

 パール・メタリック感としてはこちらのプロトンの色の方が近い感じです。ちなみにPROTONはマレーシアのメーカーで、ロータスの親会社でもあります(と思ったら今年5月に中国の吉利汽車が株式の51%を取得していたようです)。

 あのままでは使えないので、多少(と言うかかなり)内容を変えて色を調整しました。

実際に作ってみて判りましたが、肝はパールでもメタリックでも無く、白を多く使っています。鮮やか過ぎた青赤味は黒では無く少量のオーカーで抑えています。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

車椅子用部品 塗装承ってます

 先日到着しておりました車椅子用のU字型アルミパイプです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は既に塗装されて綺麗な状態ですが、これを取り付ける車椅子本体との色が違って気になるとの事で今回ご依頼頂きました。

今回は色の作成の為に車椅子本体もお預かりしまして、並べてみると確かに色は違います。U字型アルミパイプの色はパステルカラー系の水色(ソリッドカラー)ですが、車椅子本体の方はパール(またはメタリックも)が入っています。

 実際に取り付けてみるとこのような感じで、確かにこれだとちょっと違和感が強く感じられます。全体を見た時のバランスとしては、黒かグレー(もしくはシルバー)か、今回ご指定頂いたボディ同色のいずれかであれば統一感が得られると思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

S-WORKS VENGE VIAS③

前回の続きで、いよいよ本塗り工程となります。上の画像はキャンディーグリーンの下塗りまでが完了したフレームです。クリアーも塗ってあって、ロゴが要らなければこれで完成と言う事でも大丈夫な状態です。

艶のあるまま塗装をしても密着しませんので、少し勿体ないですが再び全体にペーパー&スコッチを当てて足付け処理を行います。

全体が足付け処理されて塗装がよく密着する状態です。その反面汚れも付き易く落ち難い為、扱いは十分に気を付けます。

 元々あった位置にロゴを塗装で入れ直す為、最初に撮影した画像や数値をデータ化した物を準備します。

 予め作製しておいたマスキングシートも準備します。

 そしてフレームとフォークに、まずはベースクリアーを塗布します。

 ベースクリアはその名の通りベースコートのクリアーで、要は色の付いていないベースコートです。

先にベースクリアーを塗っておくとこれから塗るベースコートの馴染みが良い為、ロゴの輪郭が綺麗に仕上がります。

 ベースクリアーを十分に乾燥させテープフリーな状態になったら所定の位置に合わせてマスキングシートを貼っていきます。

 ロゴの白を塗り、マスキングを剥がしました。

 画像の一部に黒い点がありますが、これは被塗物では無くカメラのレンズ無いにゴミが混入した為です。

クリアーを塗って本塗り完了です。

追加でご依頼頂いたPioneerのペダリングモニターセンサーカバーも同じようにロゴを塗装で入れ直しています。時々「ロゴは残して」といったお問合せを頂きますが、ロゴを通常ロゴを残すことは出来ません。元のロゴを新たに作成し、塗装で入れ直さなければなりません。

一日自然乾燥させた後、60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

 その後必要に応じて磨き処理を行い、完成となります。

S-WORKSカーボンフレーム&フォーク塗装 完成

 

完成画像については上記ページで紹介しておりますので宜しければどうぞご参照下さいませ。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/01/24/s-works%E3%81%AEraw%E7%94%BB%E5%83%8F%E5%8A%A0%E5%B7%A5/#comments

 

また今回のキャンディーグリーンは実際に見た色味と撮影した色味では大分変ってしまって見えた為、その後色の見え方などを検証しています。

その後フレームが組み上がったとの事で、オーナー様から画像とコメントを頂きました。

「先ほど宅配便でフレームが無事に届きました。早速開けてみました。感動しました。メール等で何度もおっしゃっていたとおり実物の方が断然綺麗でした。
塗装を依頼した時にお送りした2016ツール最終日にサガン選手が乗ったVENGE VIASの画像に限りなく近いグリーンだと思います。ここまで色合わせ頂きとても感謝しております。大事に乗ります。ありがとうございました。」

との事です。

また後日こちらの画像もいただきました。お手数を頂き誠に有難う御座います。

この度のご依頼、誠に有難うございました!

BASSO自転車小物パーツ塗装 完成

 大変お待たせしました!BASSOの自転車フレームに取り付け予定の小物部品一式、フォークのロゴに合わせた艶消しゴールドのい塗装で完成となります。

それぞれのパーツ毎に最初の状態を紹介していきますね。

ステムキャップは元々艶ありの塗装が施されていて、ただその後左の黒い部品はどうも塗装っぽく無いという事でサンドブラスト処理を行っての下地処理としました。

 ちょっと向きが逆になってしまっていたのですが、左が赤で右が黒だった部品です。

奥にあるのはシートポストのキャップで、

こちらは黒アルマイト仕上げだった物を、やはりサンドブラストで全体を足付け処理し、その後プライマーを塗って上塗り塗装を施しています。

 内側はアルマイトを残すような処理としていますので、装着した後に塗膜が固着して外れない!と言う事は無いようにしています。

 そしてボトルケージです。

こちらは元々未塗装の黒い樹脂素地状態だった物で、

 ロゴの部分を削り落とし、全体に足付け処理を行ってプラスチックプライマー塗布後に上塗り塗装を行っています。

 元々の表面は若干の梨地(ザラザラ)になっていましたが、艶消し仕上げなのでそれも目立たなく仕上がっていると思います。

 そしてこちらはフォーク上部に取り付けるスペーサーで、

元々カーボン素地つや消しクリアー仕上げだった物を、

 他の部品と同様に、ロゴの色に合わせたゴールドの上に艶消しクリアーを塗って仕上げています。

今回のような自転車用の小物パーツは、後で部品の交換や追加があった場合、「これも同じ色にしたい!と言う時に塗料を残しておくと便利です。特に隣り合う部品、ボトルゲージなど2つ揃えた時に微妙に色が違うのは余り宜しくありません(むしろ違う色にした方が良いです)。

事前にご用命頂ければタッチアップ&再塗装時の為の塗料を小分けしておく事は可能ですのでお気軽にご用命くださいませ(ただし有料です)。

ちなみに車の場合は色番号が存在するのでこの必要はありません。調色作業を行った場合は必要ですが、配合データから作成している色であればいつ作っても同じ色が出来ますのでわざわざ取っておく必要は無いのです。

バイクの場合はこの配合データがある場合と無い場合が「3:7」くらいで(私的見解です)、自転車のフレームカラーはほぼありません。「ほぼ」と言うのは実は無い訳では無く、ビアンキのチェレステなどはSTANDOXに配合データが存在していて(!)、しかも1960年と言うヴィンテージ物です(笑)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!

BASSO自転車小物パーツ 本塗り

 先日色の作成をしておいた自転車用の小物パーツです。

まず塗装前の下地処理として、#800~#1500の耐水ペーパーやスコッチブライト、足付け処理用の研磨副資材やナイロンブラシなどを使って足付け処理を行います。

 ボトルゲージはポリアミド=ナイロン樹脂にグラスファイバーが練り込まれたような素材で、#800のペーパー掛けだと表面が毛羽立つ感じがする為、最終的には#1500程で均します。

 ステムのカバーについては赤い方は塗装だったのですが、どうやら黒い方はアルマイトだったかも知れません。

 #800程度で研磨しても表面にある黒い被膜が削れる感じがしなかった為、急遽こちらはサンドブラストを行う事にしました。

 全体を一皮剥き

 シートポストキャップと同様にプライマーを塗布しておきます。

 その後全体の足付け処理が終わり、いよいよ本塗り開始です。

尚こちらのステムのキャップについてはいつものように先に裏側にベースコートを塗布し、それが乾いたらそこをテープで固定して表側を塗るようにします。

また今回はこのタイミングを利用して色の確認も行う事にしました。

 シートポストキャップは事前にサンドブラスト処理を行っていて、またプライマーも塗ってあります。表面は#800で軽くサンディングしてあります。

 ボトルゲージは表面の一部にロゴがプリントされていて、結構しっかり着いていたので完全に除去はしなかったのですが、後に塗るベースコートでこれがチヂレっぽくなった為、結局途中で研ぎきって除去しています。

 事前に簡易的な色の確認(作成)はしていたのですが、やはりと言うか実際にスプレーしてみると結構色が違った為、多少調整する事にしました。

尚、簡易的に色を作成した時の作業は以下ページで紹介していますので宜しければご参照下さい。

BASSO自転車小物パーツ 色作成

 やはりと言うかメタリック系の塗色は実際にスプレーしてみないと色の明度・彩度・色相は判らなく、結構修正する事になりました。

尚、この作業は先ほど紹介したステムキャップの裏側を塗装後、それの乾燥待ちの間に作業をしています。

 厳密な調色作業と言う程ではありませんが、スティックで色を見ただけの状態よりかは良くなったと思います。

出来上がったベースコートを塗り、続けてつや消しクリアーを塗ります。

 上の画像は1コート目のつや消しクリアーを塗って5分程経った状態で、この状態だとかなり艶が無いのが判ると思います。

先日塗装したポルシェのメーターフードの塗り直し後の艶がまさにこのような感じで、今回も艶具合的にはこれくらいの方が良いのですが、つや消しクリアーを薄膜で仕上げた場合は表面が粉っぽくなるような感じで耐擦り傷性が劣ると思われる為、通常はしっかり2コート塗り込みます。塗装屋さんならこの辺は良く判りますよね。艶消しは色々な面で難しいです。

ポルシェのメーターフードの塗り直しと完成画像については以下ページから御確認頂けます↓

ポルシェメーターフード塗装 完成

 また1コートのみではやはり塗膜厚が薄く、ボトルゲージのように直接物が当たる(しかも動く)物だと接触する個所の塗膜が摩耗して下地が露出してしまう!と言う事が懸念されますので、やはりしっかり2コート塗り込むのが宜しいかと思います。

余り変わり映えしないように見えますが、しっかり2コート塗り込んだ艶消しクリアーは表面がツルンと仕上ります。実際に触ってみても缶スプレーのつや消しとは質感が違うのが判ると思います。

通常余った塗料はそのまま廃棄となりますが(大量の残った場合は下色として取り置きして再利用します)、ご希望に応じて小分けしたボトルにいれての販売も可能です。

塗料単品だとどうしても高額での販売となってしまいますが、今回のように塗装のご依頼を頂いた序でに余った塗料をと言う事であれば¥500~¥1,000で対応しております。元々20cc程でしたが余っていれば画像の40ccボトルでも同額で対応可能です。宜しければご利用下さいませ。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!