S-WORKSステム 下準備

 先日お預かりしておりましたS-WORKSのアルミ製ステムです。

現状は黒アルマイト処理が施されていて、このままだと塗装(プライマーも)密着しませんから、まずは足付け処理を行います。

 足付け処理の方法は色々ありますが、今回のような形状だとペーパーがしっかり当てられない箇所があるのでサンドブラスト処理を行います。

ただしサンドブラストだと元々ある凸凹がそのまま残ってしまうので、まず最初にそういった部分を削っておきます。上面にあったS-WORKSのロゴ周りを#120のダブルアクションサンダーで平らにし、目立つ平面部分の梨地を#180で均しました。仕上がった時に艶が出るようにですね。

 ネジ穴にボルトを挿し、フォークが入る穴の内側をマスキングします。

 マスキングテープを貼るだけだとブラストのエアーで飛んでいってしまうかも知れないので、マスキングテープの芯に切れ込みを入れてC型にし、穴に差し込んでいます。

 サンドブラストを行いました。

 酸化アルミニウム被膜が取れて、これでようやく塗装が出来る状態となります。

ボルトが入るフランジ部分(の谷ライン)もしっかり足付け処理が出来ました。

 その後リン酸処理と洗浄を行い、マスキングを行いました。

 そしてプライマーを塗布します。今回は一緒にWRX STIのエンブレムメッキ枠を一緒に塗っています(ただし使っている材料は全く違います)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

S-WORKSステム塗装承ってます

 先日お預かりしておりましたS-WORKSのアルミ製ステムです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 表面は細かい梨地に黒アルマイト処理が施されているので、下地処理にはサンドブラスト処理を行ってからの上塗りとします。

色はこちらのトヨタ ホワイトパールクリスタルシャインパール(カラーコード:070)で、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承っています。

同じ様な内容としては以前3Tのステムを塗装していますので、参考までにそちらを紹介させて頂きます。

 こちらも元々は黒アルマイト処理が施されていました。作業内容を纏めて施工例の記事を作製していますので宜しければご参照くださいませ。

3T Aluminum Stems

 一部にはブラインドナットが打ち込まれていますが、こちらも一緒にサンドブラストを当てて塗装します。

 フォークが入る内側は塗らずにこのままにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

3T Aluminum Stems

 3T(スリーティー)のアルミ製自転車用ステムです。

 ステムの場合は製品価格よりも塗装費の方が高くなるといったケースが多く、お問い合わせはあってもご依頼に至るケースは稀なのが現状でもあります。大量生産と違い、一品のみを手作業で行うとどうしてもコストが高くなってしまう事はどうかご理解下さいませ。

 色についてはフレームカラーの白に近い色をご希望されましたので、予めそれらしい色が含まれた色見本帳を何冊か送り、その中からご希望の色を選んで頂きました。

 ロゴが残ったまま塗装するとその段差が見えてしまうので、最初はサンダーを使って研磨します。

 ネジ穴などをペーパー掛けするのは困難な為、全体にサンドブラスト処理を行います。

 元々あった黒い被膜はアルマイト被膜の為、そのまま塗装を施しても密着しません。密着剤などを使えばある程度くっ付きますが、経年でその性能が落ちた時に塗装がペリペリと剥がれて来る為、塗装前の下地処理は必須です。

 サンドブラスト後、よく脱脂清掃をし、

 まずは裏側にプライマーを塗り、

 表面にも。

 本体はフォークと接する面は塗装はしないようにします。またそこはアルマイト被膜も残しておきます。

 軽くサンディング後、裏側にベースコートの白を塗ります。

 ベースコートがテープフリーな状態になったら台に固定し、

同じようにベースコートの白→クリアーを塗って本塗り完了です。

 本体も同様に行います。

 その後60℃40分程の熱を掛け、さらに数日寝かしたら完成となります。

 ボルトを着けて仮組みを行いました。

 フォーク取り付け面には塗装を行わないようにしているので、フォークに挿し込む時に塗膜がグニューっとなったり、取り付けた後に固着したりしないようになっています。

他にはfi’zi:k(フィジーク)のロゴを入れたステムの塗装例などもあります。宜しければご参照下さいませ。

Fizik bicycle parts

車椅子部品塗装 完成

 大変お待たせしました!車椅子用のアルミパイプ部品の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々明るい水色に塗装されていた物を、

調色作業を行って色合わせをし、

車椅子本体の色に合わせて塗装しました。

色はホワイトパール2種とメタリック、青が二種に白とオーカーで構成しています。

 それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

車椅子用部品 本塗り

 先日色の作製を終えていた車椅子用の部品です。全体を#800相当の研磨副資材(アシレックスレモン)で空研ぎ足付け処理し、各部をマスキングして自立するようにしました。

 パイプの裏側にはM5のネジ穴が空いていたのでそこを利用してステーを固定し、

 下側にも同じくM5の穴が空いていたのでそこにシャフトを固定して左手で持ちながら塗れるようにしました。

ベースコートを塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

針金で吊るして塗る事も考えたのですが、パイプの下側には車椅子本体に挿し込む為の脚が着いていたので、ちょっと変則的ですが今回はこれを利用して持って塗れるようにしてみました。

 細いパイプは意外と塗り難く、円と言うよりかは八角形をイメージしてスプレーしています。

脚との接合部には隙間が無かった為、ボディコンテ―プ(ビニールテープのようなマスキングテープ)を引っ張りながら貼るようにして溝部分にテープが入り込むようにしました。画像では既にテープを剥がした後で、マスキングで塗ったとは判らない程度に綺麗に仕上がっていると思います。

この後は自然乾燥で一日寝かし、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

完成次第また紹介しますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!