カーボンフレーム&フォーク 旧塗膜剥離中

project12カーボンとクロモリで構成されたフレームとフォークも大分剥離作業が進ました。エアーツールは使いましたが基本的に人力での剥離作業なのでやはり相当時間が掛かっています。

project13そして残る継ぎ手やボトルゲージが付く部分ですが、この辺りは形がイビツなのでペーパーでの研磨では剥離しきれませんからこの後はサンドブラストで剥がす事にします。

「だったら最初からそれで全部剥がしちゃえば」と思われそうですが、私も以前ブラスト屋さんに相談はしたら砂をそれ専用の物に一旦全部換えるのでフレーム一個だけで10万円以上は掛かる、との事でした。「出来ない」とは言わない所がプロっぽくて良いですよね。ただそのお金を掛けてやる意味があるのか、という事です。なので今回は手で削ってます。

ブラスト前のマスキングに関しては先方さんがやってくれるとの事ですので、こちらはそれが判るように「目印」としてだけ仮貼りしています。

ブラストが終わって戻ってくる時はクロモリの地金が出ている状態なのでそのまま即プライマーを塗りたいですから後はこのタイミングを見計らってお願いする事になります。都合が合えば一旦車で来て直接持ち込むか、或いは発送でお願いするかも知れません。取り扱いには注意して欲しい旨を伝えてありますのでその点は御安心くださいませ。ちなみにフォークはこちらで行います(極小面積なのでこれなら直圧ブラストで無くても大丈夫なのです)。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。戻って来たらエポキシ形のプライマーでの重防錆仕様を予定しています。

 

カーボンフレーム&フォーク データ化完了

project5画像だと白が飛んでしまって非常に見難いのですがこちらはわざとですので御容赦くださいませ。各部にロゴをプリントした用紙を貼ってあるのですがそれが見えない方が良いとの事で判り難いようにしています。

各部のロゴ・デザイン柄のデータ化、採寸、位置の計測など全て終えましたのでいよいよ旧塗膜の剥離となります。途中で工場に移転が入りましたがお預かりしてからもう3ヶ月くらい経ちますでしょうか。大変お待たせしました。

ちなみに継ぎ目の部品(ラグで良いんですかね)はクロモリですがチューブは全てカーボン製なので溶剤は使えませんから全て手作業での剥離作業となります。エアーツール(ダブルアクションサンダー)も併用しますが平面が少ないので余り出番は無いですかね・・・。最初は手研磨で細部は最後にサンドブラストで処理を行いエポキシ系で下地を造る予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

カーボンフレーム&フォーク デザインデータ化

projectm 大分前にお預かりしたカーボンフレームですが、ようやく概要が決まって来たのでいよいよ作業が再開しました。ちなみにオーナー様のご配慮によりフレームのメーカー名などは伏せての紹介となりますので全容はオープンに出来ない事はご理解下さいませ。

ご依頼内容としては、新車の状態のフレームを基本的には元の通りのデザインに、且つ随所のクォリティを高く、といった事となります。折角の新車なのに全ての塗装を剥離して下地からやり直す、といった感じですかね。

「なんだ元に戻すだけか」と思われがちですが実はこれが一番面倒(=高額)な作業で、塗装屋さんなら判ると思いますがこれはもう本当に大変です。ロゴ入れの塗装も10箇所くらいありますし・・・。

例えば上の画像では、シートチューブに紫色のラインが入ったデザインになっていますが、良く見るとjこの部分の塗装あ形など色々と宜しく無い箇所があるのでそれを修整しつつ、元と同じ様に戻します。

project4一応車体とは別にオーナー様の理想とする参考画増も頂いてますので、現車とその画像とを見比べながら車体にある既存の柄をデータ化していきます。一旦全てを剥離してしまうと画像しか残りませんから、それではまた同じ事を繰り返してしまいますので駄目なのです。剥がす前に全てをデータ化しておき、元のように復元させなければなりません。クオリティはあげつつしかもそれを3次元で左右対称に行うのでこれは中々大変です。

projectm1という事で、「データ修正→アウトプット→現車合わせ」  を繰り返して車体にあった形に整えていきます。最終的には紙では無くマスキングシートにして実際に車体に貼ってさらに修整を加えていきます。とりあえず紙ではここで完了ですかね。

project1フォークにも同じようなデザインで模様が入っていて、これもフレームと同じ様に形を整えていきます。上の画像は現在の状態ですがラインがちょっとカクカクしているのが判ると思います。参考画像と比べても何か違います。

project2ただし元々のデザインを無視しても良いという事でも無いので、とりあえずはこちらを転写してパソコンに取り込み、それを元にサンプル画像のようなラインに整えていきます。ちなみにサンプル画像の車体はこれとは全く別物なのでそれ通りに作成しても勿論形は合いません。それ故に各部のデフォルメ~再構築が必要になるのです。こういうこと、誰か代わりにやってくれませんかね・・・(苦笑)。

project3面倒なのは「3次元→2次元→3次元」といった変換が必要な事で、いくらディスプレイ上で良いデザインが出来ても実際にフォークに張ってみるとラインが合わないという事が普通に起こるので、これを何度も修整して形を合わせていきます。ちょっとこれはもう塗装屋の仕事じゃないですよ(笑)。

projectm2こんな感じでフォークの模様も出来ました。この時点でそろそろ日付が変わる時間だったのでとりあえず本日はここまでとなります。今回は時間に関してもお金に関しても特段制約は無く(恐)、とにかく良くなってくれればとの事ですのでかなりの時間を費やしています。

既に各部のロゴのデータ化は完了していますので、最終的に全てのサイズや配置が決定したらようやく旧塗膜の剥離作業となります。と言ってもそこまでにはまだまだ時間は掛かりそうですけどね。匍匐前進よろしく夜の部でネチネチと進行させていきたいと思います。

カーボンフレーム&フォーク データ取り

project 二ヶ月程前にお預かりした時にちらっと紹介したのですが、メーカー名は出ない方がとのオーナー様の御配慮によりそちらは一旦取り下げる事にしました。目ざとい方なら「あれはどうなったのか」と気になっていたかも知れませんね。あれからちゃんと続いていたのです。

project1 依頼品は新車の状態で、オーナー様のご意向としては「元通りに」(?)といった内容になっています。細かい箇所を見ていくとオーナー様的にはちょっと気になる箇所がいくつかあるようでして、デザインや色はそのままに(ただ一部変更や追加はありますが)「品質を高くして欲しい」といった内容になっています。

ただこういった内容は塗装する側としては一番厄介な内容でして(塗装屋さんなら判ると思います・・・)、修理内容としては一旦全ての塗膜を剥離する事になるので既存の色やロゴ、デザインが判らなくなってしまうのです。同じ物が横に並んでいればまだマシなのですがそうもいきませんからね。余程新たなデザインへの塗り替えの方が作業は楽なのです(費用も全然安く済みます。故に今回は凄い金額になっています・・・)。

project2という事で既存の色やデザインを数字や文字列などのデータに変換します。まずはアナログ的に既存の形をマスキングテープで転写し、それをスキャナーで読み込んでベクトルデータで作成します。ただし今回は既存のガタガタしたラインを修正する必要があるのと、一部のデザインは変更となるのでこのデータを基に色々と変更させていきます。またマスキングシートを作成するには「データ修正→カット→貼り付け→修正」を何度も繰り返す必要があります。これが結構大変なのです。

project3剥ぎ取る際には広めのテープを貼ってから歪まないように注意して転写しましたが、それでも3次元ラインに貼ってあった物を一旦剥がすと歪みが生じている筈ですから大抵は何度も修正が必要になってきます。ただ片側だけ作れば反対側はデータを反転させるだけで済むのでその点は楽ですね。しかも完全に左右対照の物が出来ますから気分的にもスッキリします(ただしフレーム自体が左右対照では無いと思いますが・・・)。

各部のロゴもかなりの数があるのですが、これはステッカーを用意して頂けましたのでそれをそのままスキャナーで読み込み、やはりこれもIlustratorなるソフトを使って一つ一つトレースしてデータ化していきます。本日は夜半までこの作業になるかと思いますが、工場二階の机周りも無事整備が整ったので集中して作業は出来ると思います(好きな音楽も流せますし)。