コスワースヘッドカバー結晶塗装 完成

 こちらもお待たせしました!ロータスなどに採用されているコスワースエンジンのヘッドカバーも結晶塗装の赤で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々艶消しの黒っぽい塗装がされていた物を、溶剤槽に浸け置きして旧塗膜を剥離し、全体に軽くサンドブラストを行ってから塗り直しています。

 こちらは元々全体を塗り潰してあったので、今回施工した結晶塗装も同じようにプラグホール部の側面まで塗っています。と言うか穴の形も結構ガタガタなので、恐らくここに精度は要求されていないのでは、と…。

 こちらも画像だと少し青っぽく見えるのですが、実際はフェラーリのヘッドカバー同様の鮮やかな赤になっています。この場所で結晶塗装を撮影するとどうも彩度が落ちて写ってしまい、もしかしたら窓ガラスのせいかも知れないので、今度トレーシングペーパーなどを使って工夫してみようかと思っています。

 凸文字は高さが少ないので作業がし難かったのですが、良い感じに仕上がっていると思います。

 こちらも面研後、アルミ素地にはクリアーを筆塗りしています。

それでは続けて190ベンツのヘッドカバーを紹介致しますね。

コスワースヘッドカバー結晶塗装 本塗り

 こちらは元々黒い塗装が施されていた(恐らく)新品のコスワースヘッドカバーです。塗膜を剥がしたらしたから艶々なアルミ地が出て来たので一応軽くサンドブラストを掛けておき、さらにリン酸処理を行いました。

 全体にプライマーを塗り、ネジ穴部分だけ軽く黒を塗ってマスキングしています。ヘッドカバーはアルミ製なのですが、ネジ穴部分はスチール素材でリコイル?されていた為か錆が出ていて、見た目が嫌だったのでこうしています。ネジが入らないと言う程塗っていませんのでご安心下さいませ。

 こちらはパネルヒーターで熱を掛けているところで、奥にあるのが既に熱が入って結晶目が出たコスワースのヘッドカバーです。塗り終わった直後は手前のヘッドカバーのように艶々しています。塗装屋さんなら判ると思いますが、当店の結晶塗装は通常ではあり得ない程の厚さまで塗り込んでいて、ただこれくらいまで塗らないとはっきりとした結晶目が出ないのです。

ただやはりと言うかここまで乗せようとすると時々は垂れてしまい、結果最初からやり直しとなるケースもあります。

先ほどの画像のように、当店の結晶塗装は「一度に塗ってまとめて焼く」と言う作業では無く、一枚一枚結晶目を見ながら仕上げています。効率は良くありませんが、そうでないと毎回コンスタントにこういった結晶目は出せません。

さらに一緒にご依頼頂いている190ベンツのヘッドカバーも一緒に塗っていますので続けてそちらも紹介致します。車種は全然違うのに色は全部同じなのは珍しいですよね。

ヘッドカバー関係 下準備

 少し前にお預かりしておりましたTOYOTA2000GTのヘッドカバーです。剥離には剥離剤では無く、使わなくなった溶剤(廃棄シンナー)をタンクに貯めてそこに被塗物を浸け置きしていて、ただこの場合は剥離剤程威力が無いので時間が掛かる事(二週間くらい)、またそれだけでは綺麗に剥がれてくれないのでワイヤーブラシなどを使って擦ってあげる必要があります。

新品だったコスワースのヘッドカバーも綺麗に剥がしました。

この方法だと少々手間は掛かりますが、剥離剤を使った時のように嫌な廃棄物が出ないので私的に気に入っています。

こちらは190Eベンツのヘッドカバーです。マグネシウム分が多い素材で非常に腐食し易いので、こちらはブラスト屋さんにて直圧ブラストを掛けて貰い、先日到着していました。乾燥材も一緒に入れてくれているので準備が出来るまでは開けないでこのまま保管しておきます。

コスワースのヘッドカバーは輝きが異常だったので、一応全体に軽くサンドブラストを掛けておく事にしました。

この後さらにリン酸処理を行ってからの塗装となります。

結晶塗装関連の部品は現在20個を超えておりまして(結晶塗装は業者様からのが多くこちらでは紹介しておりません)、新たなご依頼に関しては3ヶ月程とかなり長い納期が予想されます。ご迷惑をお掛けして申し訳御座いませんが何卒ご了承頂ければと思います。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ロードスター・COSWORTH・ベンツヘッドカバー結晶塗装承ってます

road245 先日到着しておりましたメルセデスベンツ190エンジンヘッドカバー、コスワース(ロータスでしょうか)のヘッドカバー、そしてロードスターのヘッドカバーです。3点共に同じオーナー様となります。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

road246結晶塗装は3点とも全て鮮やかな赤(イタリアンレッド)でご指定頂いておりまして、こちらのロードスターは状態が良いので下地作業はリン酸処理とプライマー塗装、凸文字は塗装後に面研して光らせます。

cosworth コスワースのヘッドカバーも状態が良く、現状はつや消し(または半艶)の黒が塗られていますが、一旦剥離してからロードスターと同じように作業を行います。

以前同じ部品を施工していますのでそちらも紹介しますね。

cosworth1調べてみたら7年前に塗装した物で、こちらは元々ゴールドだった模様です。オイルキャップ部分が溶接して埋められているので、ドライサンプ化しているのでは?といったコメントがありました。

benz282 そしてこちらはメルセデス190のヘッドカバーです。

benz283 こちらもW124のヘッドカバーと同様、素材がマグネシウム(寄り)なので経年で腐食が激しく発生するのが特徴です。塗料が垂れているように見えますがそうでは無く、浮いて中が空洞になっています。

こちらは剥離して塗る直すだけでは早い段階で腐食が再発しますので(半年くらいで出るかもといったレベルです)、いつもお世話になっているブラスト専門ショップさんに強力な直圧ブラストをお願いして腐食を根こそぎ削り落として貰い、その後浸透型エポキシプライマーを使っての重防錆仕様とします。

benz284尚オーナー様が裏側の処理を気にされていましたが、こちらのヘッドカバーについては表面と同様に裏側もブラスト処理を行います(ブラスト屋さんに行って頂きます)。既に何かしら作業した跡があるのでオーナー様はお察しだと思いますが、このヘッドカバーは裏側も塗装がしてあって、それもペリペリと剥がれて来るのでとても厄介なんですよね。

尚、裏側にはプライマーは塗りませんが(装着していればオイル漬けになるので大丈夫だと思います)、ご希望される方には裏側へのエポキシプライマー塗装も対応しています。装着しないで飾るもしくは長期保存したい場合は新品時と同様にプライマーの塗装をお勧め致します。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!