BMW K1200GT カウル一式塗装承ってます

 紹介が遅れましたが、少し前から色々届いておりましたBMW K1200GTの外装パーツ一式です。この度もご贔屓頂き誠に有難う御座います!

 どこに着く部品なのかは不明なのですが、取り敢えず届いた順番に紹介していきますね。

 両サイドカウルです。

 傷をタッチアップで直した跡がありますが、こういった処理はいつも通りなので問題ありません。

 もう一方の車体右側に着く部品にも擦り傷や、

 割れ等もありますが、

 部品の一部が欠損してしまっている場所もあります。

 どうやら補修した個所が再び折れてどこかに飛んでいってしまったようですね。

せめて破片があれば・・・。

 と言う事ですが、実はその前にもう一個(実際は左右1セット分)届いていて、ただこちらは余りにも程度が悪くて「ちゃんと直すには新品部品が何個か買える」といった状態だった為に今回の部品を送って頂いたのです。

ただ届いた方もこんな感じですから、だったらと言う事でこちらの部品を切り取って移植する事にしました。

ちなみに白い方がその余りにも程度が悪い方で、見た目はそんなにでもないのですがカウル全体の割れを無理やり修復されたような感じで、もう一個の部品よりもかなり重たくなっています。

 他にも後から追加で部品が届きまして、

 フロントフェンダーは状態が良いので問題はないのですが、

 こちらのロアカウルには飛び石傷防止の為の黒いラバーコートが塗られていて、既に加水分解が始まっているようでベタベタするのですが、これが意外としっかり張り付いていてかなり厄介そうな感じです。

これもかなりの作業になるので、未塗装の新品があればその方が安価で済む筈なのですが、部品を探す作業にもかなりの労力が掛かるとの事でこちらは剥がして塗装する事になりました。まあでも素材がABSでは無く耐溶剤性の高いPA(ポリアミド)なのである程度はシンナーが使えますから何とかなるのでは、と思っています(と言いつついつも大変な目に遭うのですが…)。

先ほどのサイドカウルの真ん中に着くタンクカバーです。大きな損傷は見られませんが、ステッカーが長く貼ってあるとその跡が残るのでやはり表面の研磨~サフェーサーによる下地処理は必要と思います。

ちなみにこちらのオーナー様、以前ホワイトパールでオールペンのご依頼を頂いておりまして、今回はそれとは別にもう1セットを色違いで(!)と言う内容となります。以前の完成画像も紹介させて頂きますね。

こちらが前回ご依頼頂いて組み付けも終わった状態の車体です。今気が付きましたが、このページの上から二番目の画像の部品はアッパーカウルの左右に着く部品だったのですね。そしてこれにはロアカウルは着いていないようです。

完成後の他の画像はこちらのページでレビュー紹介されていますので宜しければご参照下さいませ。

また完成時の記事は以下のページで紹介しております。二回に分けて行っていました。

BMW K1200GTカウルパネル塗装 完成

尚、今回の色に関しては「ブルーメタリックパール」で承っておりまして、ただ詳細についてはまだ検討中ですので、そちらは決まり次第改めて紹介させて頂きたく存じます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。作業着手も完成時期もかなり先になるかと思いますがどうぞ今しばらくお待ち頂ければと思います。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMW K1200GTカウルパネル塗装 完成

bmw368 大変お待たせしました!BMW K1200GTのアッパーカウル&サイドカウル&タンクトップカウルの3点、3コートホワイトパールで完成となります。

bmw369 色が明るくて画像だと判りにくいですが、元々塗ってあったデロデロ肌は綺麗に払拭出来たと思います。塗装前の画像も紹介しますね。

bmw293 こちらが最初の状態で、塗装屋さんが見れば判ると思いますが、明らかに塗り過ぎというかエアー圧が足りないような塗り方で、かなり気持ちが悪い状態でした。ただ傷などは殆ど無かったのでサフェーサーを使った下地処理は行わず、ペーパーに当て板を当てて全体を研ぎ、さらに砥石を使って平滑にしました。お陰で違和感の無い仕上りに出来ていると思います。

bmw370 アッパーカウルとタンクトップカバーは下地の状態が良かったので、こちらは全体を#800相当で足付け処理のみ行っての塗装となります。

bmw371 今回のホワイトパールはカラーコードが不明でしたのでSTANDOXの色見本帳から近似色を選びそれを利用していますが、以前パニアケースの蓋も片側だけこの配合データで塗っていて、オーナー様的に違和感は感じていないとの事なので今回も大きな差違は感じられないと思います。是非装着後のご感想頂ければと思います。

bmw372これらのカウルは海外から購入して費用を抑えているとの事でして、既にもう1台分のカウルも揃いつつある?との事です。まあでも折角今回の塗装で既存のボディーカラーが復活した事になりますから当面はこちらで楽しんで頂き、さらにこれらのカウルがいよいよと言う時にまたご検討頂ければと思います。その頃にまだ私にサイドカウルを塗れる体力が残っていればの話ですが(笑。久しぶりに大きいパーツだと感じました)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご贔屓頂き有り難うございました!

BMW K1200GTカウル 本塗り

bmw339大変お待たせしました!BMW K1200GTのカウル3点、(多分)限定色のホワイトパールで本塗り完了しております。

上の画像はタンクトップカウルで、この辺に深い傷が幾つかあったので削ってサフェーサーを塗っています。

bmw340巨大なサイドカウルは補修歴があって、その肌が酷い状態だったのですが全体にペーパーと砥石を当てて平滑にしています。幸いにして深い傷は殆ど無かったので研ぎだけで済んだのが幸いでした。

bmw341アッパーカウルは状態が良かったので下地処理は足付け処理のみとなります。部品全部色が違うのは、現在車体に付いている部品とは別に集めて頂いたからですかね。

bmw342そして本塗り完了です。色は3コートパールなのでグランドカラーの白を4コート、パールコートを2.5コート塗って合計6コート半塗っていますから途中の乾燥時間を含めると結構時間は掛かっています。

bmw345パールコートはしっかり3回塗らず、2回目を塗ったそのまま半コート塗るような感じにしています。見本としてお預かりした方の色が「透かしが白く正面が黒い」傾向にあったので、これを抑える為に少し控えめにしています。パールコートは塗れば塗るほど透かしが黒くなっていくので注意が必要ですよね。

bmw346本当は昨日紹介したバックカメラと一緒に塗ろうと思っていたのですが別々に塗って正解でした。久しぶりの大物で体力的に厳しかったですし(こ、これくらいで・・・)、やはり3コートパールは気を遣うので精神的にも大変でした。勿論その分の割増しは頂戴していますので有り難い限りなのですが(笑)。

後日磨き作業をしたら改めて完成画像紹介したいと思います。少し寝かしますので来週末くらいですかね。もう少々お待ち下さいませ!

 

BMW K1200GT 素地調整

bmw293 先日折れた爪を修理したBMWのサイドカウルです。一見綺麗に見えますが肌がデロデロになっているのが判ると思います。これは塗装として一番してはいけない塗り方で、ここまでの垂れ肌になると全体のラインが崩れてしまっていますから単に塗り直すだけではどうにもなりません。これなら塗り足りなくて肌が悪くなっている方が全然マシだったりします。原因はエアー圧が弱かったかガン距離が遠かったかですかね。

bmw294 全てを手研ぎとなると大変なので最初はダブルアクションサンダーを使って#600の空研ぎを行います。この後もまだ研ぎ作業は続くのでこの時点である程度のペーパー傷は入っても構わないのですが、ペーパーが角に当たると下地が出てしまいますのでそれに注意しながら肌を削り落としていきます。

bmw295 その後は当て板を使って#400→#600の水研ぎでラインを正し、さらに砥石を使って平滑な面に仕上げます。

bmw296逆アールのきつい箇所はさらに小さな砥石を使い、角を当てないように注意しながら縦横斜めに動かして研いでいきます。あそこまでラインが崩れてしまうと単にペーパーを掛けただけではウネリが残ってしまうので、全面このようにしてネチネチと研ぎ付けていきます。ただこの作業に時間が掛かる事は覚悟していましたから、この時はもう最初から靴下を脱いで夏を満喫しながら作業に勤しんでいました。完了後の画像は撮り忘れていましたが(すいません・・・)、何とか一番大変な素地調整は完了したので来週中には本塗り出来るのでは、と思う次第です。

どうぞもう少々御待ち下さいませ!

BMW K1200GT カウル「爪」修理

bmw323 こちらもお待たせしました!BMW K1200GTのカウルパーツ3点も作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

まずは巨大なサイドカウルの「爪」の部分の修理で、元々ここにはタンクトップカバーと連結する為の爪がありました。隣の爪は生きていたのでそちらを紹介しますね。

bmw324こちらが無事な方です。 BMW MOTOのオーナーさんなら良くご存じかも知れませんね。

bmw325 素材はABS樹脂で、身近にある物を切り取って爪を作り直します。BOSEのスピーカーボックスの端材が厚みがあってしっかりしていたのでそれを使いました。

bmw326切って熱して折り曲げて押すとこんな感じになります。肝は先端の引っかかり部分ですかね。

bmw327 削って切るとこんな感じです。ちなみにここで気が付いたのですが、隣にあった爪を参考にして作ったら厚みがあり過ぎて、それぞれを差し込む溝をみたらこちら側は隣よりも全然狭かったです。 なのでこの後かなり削って薄くしました。

bmw328 意外と難しいのが爪の長さで、隣を見ながら丁度よい出面になる様に長さを調整します。

bmw329 余分な部分をカットしたらこんな感じで軽く溶かして溶着し仮止めをします。ここで一旦タンクトップカバーと仮合わせをして長さと角度の調整を行います。

bmw330 良い具合になったら先ほど半田ごてで穴を開けた箇所にABSの破片を詰め込み、半田ごてで熱して溶かし込んでいきます。まずは4カ所です。

bmw331 その後、先ほど穴を開けて埋めた箇所から一個分ずらしてさらに穴を開け、また樹脂片を詰め込んで溶着していきます。一度にやらないのは熱によって角度や長さが変わらないようにする為ですね。金属の溶接と一緒です。

bmw332 使ったのは一般的な半田ごてと(確か1000W)、ブーストボタンが付いたプラスチック補修用の半田ごてです。今回は裏側からの処理がやり難かったので、局所的に貫通させて表裏をしっかりくっつけるやり方にする為に先端が尖ったタイプの半田ごてを使いました。ただ1000Wはちょっと強力過ぎて取り扱いが危なかったですかね(ちょい触れで貫通しますので・・・怖)。

bmw333そして表面を均して溶着完了です。一応グイグイやってみまして強度も申し分無いと思います。

この後パテを使って「見た目も元の通りに!」と言う事も可能ですが、装着されてしまえば見えない部分ですので今回はコスト優先でこれで終わりとします。いい加減にしておかないと新品部品が買えてしまいますし・・・(苦)。

bmw334 実際に脱着テストを何回も繰り返し、良い案配に出来ていると思います。

bmw335私的な見解では少なくとも隣に残っている爪よりはちゃんと出来ていると思います(笑。是非体感して下さいませ)。

ちょっと今回は画像が多くなってすいません。爪の修理となると実は一般的では無く(普通ここを直すくらいなら部品交換が基本です)、接着剤とかでは付けても取れてしまう筈ですから今後どなたかの参考になればと思いましたので。ABSは取り扱いが容易な樹脂ですので是非DIYでもチャレンジしてみて下さいませ。

それでは塗装の下準備も進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!