BMW K1200GTサイドカウル修正 パテ

先日欠損した個所をもう一つの部品からカット~溶着していましたBMW K1200GTの右サイドカウルです。

溶着の作業内容については以下の記事で紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

BMW K1200GTサイドカウル修正 溶着

裏側は溶着後にファイバークロスとエポキシ接着剤で補強しています。

表側はダブルアクションサンダー#120で溶着部の凸凹を平滑に均します。

 被塗面を脱脂後、プラスチックプライマーを塗布し、パテの準備を行います。使用するパテは柔軟性のあるポリエステル系の物で、イサム塗料の「バンパーパテ」です。100:2~3で混合して使います(通常のポリパテに比べると絡み易くネチっこいので私は3%にしています)。

 このパテ、マニュアル上はプラスチックプライマーを塗らなくても大丈夫(PPでも!)と言う事ですが、入れて悪い物では無いので私は必ず塗っています。

 当て板を使って#120→#180でラインを出し、#240で均します。

 今回はカウル全体にサフェを塗るので、#240にスポンジパッドを挟んでダブルアクションサンダーで全体を足付け処理しました。パッドの入らない細部はアシレックススカイ(#320相当)とヘラなどで処理します。

反対側のカウルと並べてみました。移植した個所は同じ高さになっているのが判ると思います。

後日サフェーサーを塗るか、または先にラバーコートが施されたアンダーカウル(ロアカウル)の作業を行う予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW K1200GTサイドカウル修正 溶着

BMW K1200GTサイドカウル修正(移植仮止め)

先日より作業を行っているBMW K1200GTのサイドカウルです。

 欠損した右サイドカウルの一部は、同型の部品をドナーとして該当箇所を切り出し、ネジ穴の位置を合わせて溶接します。画像はABSの溶接棒を半田コテで溶かし込んでいるところです。

 割れていた個所は芯までよく溶かし込み、さらに樹脂を盛って強度を高めます。切り取った破片も再利用します。

 この辺は見た目よりもしっかり溶け込んでいるかを重視して作業しています。

 表面は「革一枚」でくっ付いているような個所が無いよう、注意して溶接していきます。

 その他の割れた個所も、

 塗膜を剥がし、

 溶かして溶着した後、さらに盛り付けて強度を増しておきます。

 柔軟性のある3M 8106エポキシ接着剤です。1:1で混ぜ合わせます(今はパッケージが新しくなったみたいですね)。

溶着面をサンダーである程度削り、よく脱脂した後にプラスチックプライマーを塗布したらファイバークロスを併用して塗り込みます。ここはシゴキ命って感じでしょうか。

 表側は巣穴を埋めるだけなので、いつもの3Mパネルボンドを使います。堅くて密着性のすこぶる良い構造用エポキシ接着剤です。こちらはカートリッジ式のガンタイプなので、トリガーを引くと適量の比率で勝手に出てくれます(本当は専用のノズルで撹拌までやってくれるのですが、少量だと色々勿体ないのでそれは使わずヘラで混ぜています)。

こちらも溶接面をサンダーで粗研ぎした後に脱脂&プラスチックプライマーを塗布、ヘラを使って多方向から強くシゴくようにして巣穴にパテ(接着剤)を埋め込みます。

この後は柔軟性のあるポリパテ(バンパーパテ)を使ってラインを形成し、サフェーサーを塗る為の下地処理を行います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW K1200GTサイドカウル修正(移植仮止め)

BMW K1200GT サイドカウル修正(計測)

先日紹介しておりました、BMW K1200GTの全塗装の作業となります。

今回使うのはこちらのグリーン色の右サイドカウルで、

ただし欠損した部分は修復歴がある為、まずはそれらを除去して素の状態に戻します。

元々の修理に使われていた物はウレタンかエポキシ系の接着剤かと思いきや、ドライヤーで炙ると柔らかくなり、ドライバーで抉ると比較的簡単に剥がれてくれました。どうやら熱可塑性の樹脂のようです。

 補修材を剥がした跡には無数の穴が空けられていました。ちょっとかわいそうな感じです。

元々着いていた物は熱可塑性の接着剤(グルーガンの強力なタイプのような感じ)とファイバークロスを併用した物で、2液硬化性の接着剤に比べると脆い気がしますが、手軽さや環境負荷と言う面ではこういった物の方が優れているかも知れません。

ちなみに100円ショップで2液のエポキシ接着剤が売られているのを見かけますが、あれってシンナーとかよりかなりヤバい物だと思うので、本当に大丈夫なのかと時々心配になります。

 表側はサンダーでパテを削り落としました。

 穴に詰まっていたパテと樹脂もドリルで揉んで除去します。これからここを溶かして接着するので、熱に溶けない素材(熱硬化型樹脂で今回の場合はポリパテ)があるのはマズイのです。

 裏側もダブルアクションサンダーで削って綺麗にしました。また接着剤を塗る為の足付け処理として、これを広範囲に行っておきます。

 まずは革一枚(塗膜一枚)で残っていた破片2個を仮止め溶着します。

溶着に使うのは半田ごてとプラスチック製の溶棒で、手前の青い小手はブーストボタンでワット数が変わり温度が上昇するという優れ物です(最近は普通にあるかもですが)。

樹脂を溶かす場合に気を付ける事としては、熱くし過ぎると泡を吹いて強度が落ちる(密度が下がる)事、弱いと溶け込みが甘くなってしまう事で、その辺だけ気を付ければ普通の半田ごてで大丈夫だと思います。

 こんな感じで取り敢えず的に割れた個所を固定しておきました。尚、この時点では強度は無く、部位によっては革一枚と言う感じで、この時点では取り敢えずそれぞれが動かないようにするだけの感じです。

 そしてこちらがドナーとなってくれる白いカウルの方です。修復されている個所は避け、使える部分のみをカットして移植します。

 一応起点を設けてそこから目安をつけ、エアーソーで切り出します。

 同じようにして、グリーン色のカウルの方もカットします。

 ただカットして気が付いたのですが、切り出した白いカウルの方は角にも亀裂が入っていました。

 表側の塗装を剥がしてみると割れた個所にはパテが埋め込まれていました。中々男前な修理で、羨ましい限りです。

 最初に計測した数値を基に、カットした部位を調整しながら仮止めします。

 位置が決まったら軽く溶着します。多少隙間があったのでそこは溶接棒(青い色の部分)を使って充填します。

 再度位置を計測し、大丈夫なようなら表側も軽く溶着します。先程と同様、この時点ではまだ強度は無く、ここから溶接棒を良く溶かし込みながら充填して強度を高めていきます。

他にも割れている個所があるので、その辺もチェックしながら徐々に進めていきたいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW K1200GT サイドカウル修正(計測)

BMW K1200GT カウル一式塗装承ってます

およそ一年前くらいからお預りしておりましたBMW K1200GTの外装カウルパネル一式です。長くなりましたが作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

現在はホワイトパールに塗装したカウルを装着していまして、今回はそれの着せ替え用にと、全く違う色でのオールペンをご依頼頂いております。

今回塗装する色については以下の記事で紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

BMW K1200GT カウル一式塗装 色確認

 

ちなみに最初に届いた右サイドカウルがこちらの白い部品で、

 ただあらゆる個所に亀裂が入っています。

 通常こういった個所に亀裂が入る事は無いので、恐らくはカウル全面総パテと言う修理が施されているかと思います。

裏側をみてみると、かなりのダメージがあった物を直しているのが良く判ります。普通なら交換するレベルですが、部品が10万円以上とかするのかも知れません(または非常に低コストな方法で直しているかでしょうか)。

と言う訳でその後新たに用意して頂いた物がこちらの部品です。同じ右側のサイドカウルです。

 同じく補修歴があり、また一部カウルが割れて無くなってしまっていますが、先程の白いカウルを直すよりもこれを使った方が断然良いです。

 無くなった部分については、こちらの白いカウルから切り取って使います。

ただし欠損している個所は、ボディにボルトで固定する穴がある個所でもあるので、事前にその位置を出来るだけ正確に書き出しておきます。基準を出し易い他のネジ穴などから、10カ所くらい距離を測っておきました。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW K1200GT カウル一式塗装 色確認

 去年の夏頃にお預りしておりましたBMW K1200GTのカウル一式です。

別件で同オーナー様よりご依頼を頂いていたBMW M6のバンパースポイラー関係を先に作業していて大分こちらが遅れておりましたが、先日色も決まりましたので改めて作業内容を紹介したいと思います。

 塗装するのは外装カウルパネル一式で、いわゆるオールペンの作業となります。

アンダーカウルは一部の部品が無くなってしまっているので、

激しく酷い補修歴のあるこちらの白い同部品から該当箇所を切り取っての移植を行うようにします。車体へボルトで止める固定部位があるので位置が判るような冶具を作っておかないとですね(車体があればその必要も無いのですが、如何せん当店は小物塗装屋ですので・・・)。

ちなみに現状はこちらのホワイトパールになっていて、この時の塗装も当店にて塗らせて頂いたのですが、今回はこれの着せ替え的な物としてさらにもう1セットを御用意頂きました。

 ですのでそれぞれの部品も別々で購入されたようで、色などもバラバラになっていたりします。

 ここまでのカウルが全て同じ色で、以下の塗色で承っています。

こちらはホンダの「クリスタルターコイズメタリック」(カラーコード:BG-52M)となります。オーストラリアのホワイトヘブンビーチのようなブルーグリーンといったところでしょうか(見た事もありませんが・・・)。

そしてこちらは車体の下部に装着されるロアカウルで、この部品のみSMARTの「SANIDINE BEIGE」で承っています。以下のような色ですね。

こちらは海底の砂をイメージされた色だと思います(間違えていたらすいません)。

尚ロアカウルについては全体にゴムっぽいラバーコーティングが施されていますので、まずはこちらをカウルを活かしたままどうやって剥がそうかを考えなくてはなりません。以前知り合いの塗装屋さんがバンパーの塗装をサンドブラスト屋さんに綺麗に剥がして貰った(!)と言う事例があるので、もしかしたらそういった方面にお願いしようかとも考えております。

尚こちらの案件が終わるまでは同様の大掛かりな内容の御依頼には対応が出来ませんので何卒ご了承の程を宜しくお願い致します(特に剥離作業を伴う自転車フレームの塗装など)。作業期間は大よそ半年~一年くらいを想定しております。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。作業着手まではどうぞもう少々お待ち下さいませ!