BMW R1200RTトップケース&パニアケースカバー 本塗り

 先日サフェーサーを塗布しておいたアルピンホワイトⅢのBMW R1200RTパニアケースカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

 既に足付け作業は終えているので、サフェーサーを塗った個所のみ研ぎ作業を行い、よく清掃をしたら台にセットして本塗り開始です。

 トップケースは恐らくマスキングの為にネジ穴にトルクスのネジ(恐らく純正ネジ)が着いていましたので、そちらは一旦取り外し、適当なボルトに入れ替えておきました。最後に元に戻しておきます。

 まずはベースコートを塗布します。調色して作った色は200cc程で、最初からそれを使うと足りなくなってしまいますから、まずは配合データで作った色で隠蔽するまで下色として塗ります。

 おなじくセンターカバーも同色にします。

 STANDOXの白は隠蔽力が弱いので、下色として3コートしっかりウェットに塗り、最後に調色済みの白を1.5コート(1ウェットコート+連続してミッドコート)塗り込みます。

大抵はここで昼休憩にして、しっかり1時間以上のフラッシュオフタイム(コート間の感想時間)を設けます。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 今回は残った反対側のパニアケースとの差が出ないよう、通常クリアー(STANDOXイージークリアー)でのご指定となります。

 塗り方はクリスタルクリアーと同様、1コート目を塗ってから15分程のフラッシュオフタイムを設け、さらにもう1コートの合計2コートを塗っています。

フチも見える筈なので、色とクリアーは裏側に回り込むように塗っています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW R1200RTトップケース&パニアケースカバー 下地処理

 先日調色作業を終えていたアルピンホワイトⅢのBMW R1200RTパニアケースカバーです。

自家塗装されていた個所の塗料をシンナーで落とし、残っていた傷や、その他の飛び石傷を#240~の水研ぎで削り落とします。

 その後は全体を#800の水研ぎで旧塗膜の肌を均し、#800のスコッチとウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。

 裏側の汚れも清掃しておきます。ネジ穴に貼ってあったガムテープは一旦剥がしていますが、本塗り時にネジ穴部分はマスキングしますのでご安心下さいませ。

 その後よく乾燥させ、脱脂処理を行います。

 プラスチックプライマーを塗り、サフェーサーを塗布します。既に全体に足付け処理がされているのでサフェーサーを塗る範囲は自由ですが(足付け処理をしていない個所に塗っては絶対に駄目です)、当然研ぐ手間もあるので、マスキングをして傷の範囲に留めます。

ちなみに今回程度の傷でも、修理塗装の際には部分的に塗装を行うより、カウル全体を塗った方が間違いがありません。塗装はパネル全体に塗るよりも、スポット(部分的)に塗る方が余程大変で難しくなります。

よくあるのが「自転車を倒して傷が付いてしまったのでそこだけ直したい」といったお問い合わせですが、当店の修理方法だと、大抵の場合でフレームの新品金額を超えてしまいます。傷が小さいからといって3万円くらいで直ると思うのが一般的なようですが、車の塗装屋さんからするとそれでは採算が合わないのが判っているので、基本的に受け付けていないのが一般的かと思います(技術的に出来ない訳では無く、色々面倒なのでやりたくないと言う事です)。

しかも最近の自転車フレームの塗装は足付け処理がされていない(削ると艶のある塗膜が出て来てフェザーエッジが出せない)為、10年くらい経ったフレームは怖くて手が出せません。昔流行った密着剤を使った色替えオールペンのような感じで、ガムテープを貼って剥がすとクリアーまで剥がれる!と言う状態では手の出しようが無いのです。そうなるともう総剥離しかありませんので・・・。

 こちらは一緒にご依頼を頂いているトップケースカバーです。艶消しクリアー仕上げなのでサラッとしていますが、実は余り肌が良くないので(凸凹しているので)、

 やはり最初に#800の水研ぎで肌を均しておきます。以前足付け処理だけで本塗りをして酷い目に遭いました(1コート目を塗った時点で気づいたので研ぎ直しました)。

その後はスコッチとナイロンブラシ、ウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。裏側にも回り込むようにして塗るので、フチの裏側まで足を付けておきました。

この後はサフェーサーに熱を入れて硬化させ、そちらを研いだら本塗りとなります。ただ単体で熱は入れませんので(採算が合わない&環境に良く無い)、もう少し先になるかと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW R1200RTトップケース&パニアケースカバー 調色

 先日お預りしておりましたBMWR1200RTの純正パニアケースカバーです。今回は調色作業を承っていますので、その前にまずはエンブレムを外しておきます。主に裏側をドライヤーで温めて、隙間から先の曲ったヘラを差し込んで押し込みます。

 今回はオーナー様自ら自家塗装をされていた部分があるので、まずはそちらを除去しておきます。ラッカー系のようなのでシンナーと刷毛で洗い流すようにしてウェスで拭き取ります。

 その後コンパウンドとポリッシャーで磨いて汚れを除去しておきます。

 配合データから作製した色を基に、白・オーカー・オキサイドレッド・ブラックで微調整を行っていきます。

 白は簡単なようで非常に難しい色の一つで、と言うのもクリアーを塗る前と塗った後で色が変わるので(黒くなるので)、調色時も同じようにして色を確認する必要があります。今回は「こちらに残されたパニアとの見た目の差が出そうですので」と言う事でイージークリアーでご指定を頂きましたので、調色にもそれを使います。

ちなみに以前車を塗っていた時には予めスプレーガンにクリアーを入れっぱなしにした物を用意していましたが(ハードナーは入れないのでそのままで大丈夫です)、今は目調色をする事自体機会が少ないので、そのシステムは使っていません。

ただ塗装屋さんなら判ると思いますが、毎回クリアーを塗ると結構な時間が掛かってしまう為、

 その間は別の事をしています。

今回はパニアケースについていたエンブレムも傷が付いていたので、

 シルバーをタッチアップして目立たないようにしておきました。

 と言う訳で調色作業が完了です。

 色(ベースコート)は塗ったばかりの時は白く、時間の経過と共に暗くなっていきます。これはクリアーも同様で、塗った直後は白く、その後黒くなっていく傾向があり、一回色を見るだけでも結構な時間が掛かります(早くて15分くらいでしょうか)。

 白は特にずっと見ていると一体何が違うのかが判らなくなってしまうので、色板の位置を変えたり環境を変えたり(屋外でも見ています)、途中に休憩を入れたりするようにしています。

 今回は色を作っている内に「白い白」「黄色い白」「黒い白」の3種類が出来たので、それらを混ぜるようにして色を近づけていきました。画像の色板はどれも同じ物です。

ベースコートの時点で20回くらい、クリアーを塗ってからは10回くらい、合計30回くらい色の調整~確認をしています。

それではまた作業進行しましたら紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW R1200RTトップケース&パニアケースカバー塗装承ってます

 先日到着しておりましたBMWR1200RTの純正トップケースカバーとパニアケースカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 トップケースカバーは傷も無く良い状態に見受けられますので、足付け処理をしてそのまま上塗りを行う予定です。

 パニアケースカバーは一部に傷があり、オーナー様自ら自家塗装もされた跡がありますので、そちらも含めて下地処理をしてからの上塗りとなります。

尚、色はこちらのパニアケースの白=BMWアルピンホワイトⅢへの塗装で承っていますが、残る反対側のパニアケースとの色違いが懸念される為、今回は調色作業も承りました。

ちなみに色を確認する場合、例え配合データがあっても一旦色を作ってテストピースに塗装しなければ確認しようが無いのですが、幸いにして今回は先日塗装したBMW R1200RSのパニアケースがあった為、それと色を比較する事が出来ました。

左側が先日完成したパニアケースで、右が今回ご依頼を頂いているパニアケースです。どちらも同じアルピンホワイトⅢですが、色が違うのが判ると思います。

これは配合データが違っていると言う訳では無く、そもそも車体に塗られた色は固体毎に違っているので、通常はデータから色を作った後に目調色(微調色)を行ってから塗装を行います。私が車体を塗っていた時は100%それを行っていましたし、それが普通です(ただし現在はそれを毎回やると非常にコスト高になってしまうので別に分けました)。

車体の塗装は例え同じ色でも時期や製造工場によって色が微妙に(と言うよりかなり)違っていて、また今回のように「車体」と「オプションパーツ」では当然別の工程で塗装されるので、色が違っているのは普通によくある事です。

4輪車で「バンパーの色がボディと違う!」と言うのもこれと同じで、新車時は勿論、事故などで修理した際も、国産車の場合は最初から塗装されたバンパー(カラードバンパー)の使用が基本ですから、修理から戻って来た車体のバンパーと車体で色が違う!なんて事は普通にあります(殆どの方は気にしないと思いますが・・・)。

以前知り合いの塗装屋さんから、「どうしても納得の行かないお客さんが居て、新品バンパーを何個か取り寄せて目の前で梱包から出し、好きなの選んでくださいって言って仮組みまでし、どれも色が違っていてようやく納得して貰えた」なんて事も聞きました。外車の場合はプライマリー(色が塗っていないプラサフ塗装済み)のバンパーが基本なので調色をしてから塗りますから、そこまで色が違うなんて事は無いのですが、国産のカラードバンパーではあるあるの話です。

ちなみに上記の対処法としては、新品のカラードバンパーを調色済みの色でわざわざ塗り直したり、もしくは隣接するパネル(ボンネット・左右フロントフェンダー)に色を暈して前回り全部再塗装!なんて事もあります(どちらも経験済みです)。

実際にあった話では、「仕事柄どうしてもそこが気になってしまう」と言うお客様がいらっしゃいまして(美術学校の先生でした)、「可能であれば一緒に調色してみたい」と言う事で、私の仕事が終わってから一緒に調色作業をした事がありました。塗装屋さんなら「ボディ側に色を暈さないと絶対無理でしょ」と思う筈ですが、それはしたくないと言う事だったのです。

と言う訳で仕事が終わった21時くらいから一緒に調色を行いまして、その時のご感想としては「青を入れたからって青くなるわけじゃないんですね!」と言う事で、結果的に色が違ってもご納得は頂ける事となりました。通常あり得ない事ですが、私的にも勉強になった事であります(そういった事もあり、最後までお付き合いをする【最高仕上げコース】を設ける事にしました)。

と、話が反れましてすいません!

それでは作業進行次第改めて紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMWトップケースカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたBMW R1200RTのトップケースのカバーパネルです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はこちらをボディカラーと同色の「ALPINEWEISS Ⅲ」(カラーコード:300)での塗装で承っております。

ちなみにALPINEWEISS Ⅲは他に「751」と言うカラーコードもあって、ただ内容(配合)はどちらも全く同じです。BMWは4輪車と2輪車で共通した色を使っているので色名やカラーコードで区分しているのだと思います。ポルシェとアウディとVW、ランチアとフィアット、ランドローバーとローバーカーズなんかもそうですよね。

以前同型のトップケースを塗装していますのでそちらの記事も紹介させて頂きます。車体に装着された画像もありますので宜しければご参考にどうぞ↓

BMW R1200RT TOP BOX

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!