SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク塗装 完成

scott18 大変お待たせしました!SCOTTのアルミフレーム&カーボンフォーク、マットグリーンで完成となります。

scott19 グリーンとは結構珍しいですが、今回はこれの色見本となる某自転車ショップさんの名刺を同封して頂きましたので恐らくはそちらの関係者様かお客様なのでは?と思う次第です。これにそのショップさんのロゴシールを貼ればまるでデモカーのようになってしまいますしね(違っていたらすいません・・・)。

scott20ちなみに艶消しの場合のメンテナンス方法ですが、ワックスやコーティングは通常通り掛けても大丈夫です。ただしどうしても現状より艶が出てしまいますのでそれを気にされるのであればワックスは使わず中性洗剤での洗車のみで、または油汚れが付き易い箇所(チェーンステーなど)のみワックスを掛けておけば汚れも落ちやすいかと思います。尚、コンパウンドは艶を出してしまい元に戻らなくなりますのでそちらは御注意下さい(と言うか厳禁です)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク 本塗り

scott12 お待たせしました!スコットの自転車フレーム&フォークは無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

scott13 フレームはアルミ製でこちらのフォークは根元と先端がアルミでレッグの部分がカーボン製になっています。どちらもプライマー+ウレタンサフェーサーで下地を作っていて、フレームの方は凹みが多数あったのでそちらも修理しています。

scott14塗色は「マットグリーン」で承っておりまして、 ベースコートのグリーンは見本として同梱して頂いたサイクルショップの名刺の色に近い色を見本帳から選び、クリアーは艶消し専用のクリアーで仕上げています。画像はクリアーを塗ってから時間が経って既に艶が消えた状態です。

scott15今回は珍しくロゴ等は御依頼頂いていませんが、恐らく後からショップさんのシール?等を貼られるのかも知れません。艶消しのベースに艶のあるステッカーの組み合わせは私的にも好きですのでそういった仕上がりもアリだと思います。ただ私のTREKはクリアーの下に貼られた(純正)デカールがズレて剥がれて来てしまっているのですが・・・(酷)。シール&デカールが貼られている箇所をフックに掛ける時はどうかお気をつけ下さい(と言うか私のがもう古いからですか・・・)。

scott16フォーク周りはどうしても飛び石等で塗装が傷が付き易いですが、ある程度剥がしてサフェーサーで下地を作れば綺麗な状態に戻せます。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク 下準備

scott11先日塗ってあったサフェーサーが完全硬化したので研磨しています。自家塗装などでは1液型のラッカーサフェーサーが主流だと思いますが、プロが扱う材料としては現在は2液性のウレタンーサフェーサーが主流です。イメージ的にラッカー系の方が「早い」と思われがちですが、仕上がり(と品質)を考えると実は2液型の方が圧倒的に早く、一度にかなりの膜厚を付けても15分後には研磨可能、なんて事も結構普通に出来ます(ただしリスクは伴うのでそんな急いで焼く人も居ないとは思いますが)。

ただ早い硬化を求めると使用する硬化剤やシンナーもそれに合わせて選ぶことになるので、結果「肌が荒れ易い」という事になって今度は「研ぎ」が大変になりますから、私的にはサフェーサーでも肌が平滑に仕上がって欲しいので硬化剤は遅めに、シンナーも少量入れたりして肌が伸びるようにしています(システムにもよりますが私が使うサフェは通常シンナーは入れなくて良いのです)。荒れてしまった塗肌を時間を掛けて研ぐのは無意味ですので、だったら硬化が遅くてもそれを待っている間に別の作業をしていれば良いので、サフェーサーのような下地塗装だとしても綺麗に塗り仕上げる必要があるのです。本塗りの練習にもなりますしね。

brembo29こちらはSCOTTのフレームとは全然関係が無く業者さんからのご依頼品です。ブレンボのキャリパーに入れるロゴのサイズを確認しているところです。

ちなみに世の中の景気が良くなって来たのか最近は業者さんからのご依頼&お問い合わせが増えました。こちらはいつもご贔屓頂いているチューンショップさんからのご依頼品ですが、ここのところほぼ毎日一件は新規の業者さんからのお問い合わせを頂いています。有り難い事なのですが、ただもう頭の中はパンク気味でして・・・。

ただこういった業者さんからのご依頼で以前と大きく違うのは「業販割引」を求めて来なくなった事で、そもそもこういった割引は毎月定期的に安定して仕事を頂けるから出来る事であって、いきなり新規でのご依頼で、しかもその後のお付き合いがどうなるか判らない時点で割引と言われても・・・ですよね。業販割引に関しては当サイトでも紹介しています通り一切受け付けてはいないのですが(贔屓するのもされるのも嫌なのです)、最初の頃は何故かそれで逆ギレされる事もありまして・・・。

私的な考え方としては、BtoB(企業間取引)でも個人でもやる事は同じですから、そこで理由も無く金額を変える事は意味が無いですし、たとえその時喉から手が出る程仕事が欲しくても後で自分の首を絞める事になるので迂闊に手を出すような事はしないようにしています。まあそうはなりたく無いのでこうやって夜な夜なキーボードを叩いている訳なのですが(苦笑)。

御預かりしている新規ご依頼品もかなり溜まって来てしまっておりますので、それらも近日中には紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク 下準備

scott10溶剤槽に漬けておいたSCOTTのアルミフレームの旧塗膜がある程度剥がれてくれたので、後は細部をサンドブラストで処理します。画像はブラストボックスの中にはいったフレームをガラス窓越しに外から見ている光景です。

scott9旧塗膜を剥がすのには「剥離剤」といった材料がメジャーですが、色々な理由があって私的にはそれが好きでは無いので現在はシンナーを貯めた槽に塗装を剥がしたい部品を浸けて塗装を剥がすようにしています。熱を掛けたり圧力を掛けたりもしないので剥離能力はとても低いのですが、余計な廃棄物が出ないのと、一旦浸けてしまえば後は待っていれば良いのでこのシステムが気に入っています。

といっても今回のように比較的塗膜がしっかりしていると浸けているだけでは剥がれてくれなく、塗膜が柔らかくなったところをスクレーパーやワイヤーブラシ、ペーパー掛けなどを行ってかなり物理的な作業で剥がしていますからこの辺はDIYと大差は無いと思います。結構大変です。

ただ上記画像に写るワイヤーガイドの内側などアクセスの悪い箇所はどうしても塗膜が残ってしまいますので、最後はサンドブラストを使って除去する事にします。

scott5「だったら最初からブラストでやればいいんじゃ」なんて思うかも知れませんが、当店にあるのは吸い上げ式なのでこれではそこまでの能力はありません。そういった場合は直圧式が必要で、それが必要な場合は全部ブラスト専門のショップさんに御願いしてしまっています。直圧式は威力も強力ですが機材に掛かるストレスも大きいので、メンテナンスまで考えると私一人でそこまでやるのは逆にコスト高になってしまいますし、信頼できるショップさんが居れば任せるに限ると思います。餅は餅屋でしょう。

scott6 凹みがあった箇所はパテで補修してあります。よく脱脂洗浄をしたらプライマーを塗布し、続けて2液ウレタンサフェーサーを塗布します。ちょっと判り難いですが奥のフォークの先端、ホイールを固定する爪の部分も旧塗膜が剥離されているのが判ると思います。フォークはフルカーボンでは無く腕の部分のみカーボンのタイプですね。

scott7 そしてサフェーサー塗布完了です。塗装屋的にはここが大きな区切りとなるのでようやく一安心出来るといった感じです。

scott8フォークはアルミの部分のみプライマーを塗り、その後サフェーサーを全体に塗っています。ちなみにプライマーは金属用の物であってプラスチック用のそれとは全然違います。またファイバー関係は「強化プラスチック」なんて呼ばれたりしますが、塗装屋からするとそれはプラスチックでは無くポリエステルまたはエポキシの樹脂といった括りなのでプラスチック用プライマーを塗ったりなんて事はしません。足付け処理さえしてあればプライマーは必要無いのです。

巷にある材料としては主にこの「金属用のプライマー」と「サフェーサー」が合わさった「プライマーサフェーサー」が主流で、実はそれぞれ役目は全く違います。プライマーはそれぞれの素材に塗料を(化学的に)密着させる為の物で、サフェーサーは塗膜の厚みを付ける為の「充填」の効果があります。わざわざ二回に分けて塗るのは面倒なので多分一緒にされてしまったのだと思います(勝手な見解ですが。笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。本塗りは少し先になるかと思います。もう少々お待ち下さいませ!

(大田区も台風の影響で大分風が強くなって来ましたが今日はカブなので一安心です←多分間違い)。

SCOTTアルミフレーム 旧塗膜剥離

scott4数日前から溶剤に浸け置きしておいたSCOTTのアルミフレームです。下地にはちゃんとプライマーが塗られているようで意外と剥がれ難く、結局ダブルアクションサンダーである程度削り落とす事にしました。ただ普通の状態に比べれば断然塗膜は柔らかくなっているので作業は楽です。

サンダーのペーパーがが届かない入り組んだ箇所はスクレーパーである程度剥がして傷を付けておいたので、この後再度溶剤槽に浸け置きしておけば残った塗膜も比較的簡単に剥がれてくれると思います。

最終的にはもう一度全体的にダブルアクションサンダーで素地を整え、ワイヤーガイドなど物理的に手の届かないような箇所はサンドブラストで処理をします。また今回は凹みも多少あるのでそこの修正もですね。ちなみにフォークはカーボン製ですのでこちらは溶剤は使えませんのでペーパーでの研磨と、ホイールを固定する箇所についてはこちらもブラストで処理すると思います。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!