ジムニ―リヤホイールセンターキャップ塗装承ってます

 先日到着しておりましたジムニーのリヤホイール用センターキャップ×2セットです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はSUZUKI純正色の「ブルーイッシュブラックパール3」(カラーコード:ZJ3)の艶あり仕上げで承っております。

状態としては未塗装の樹脂素地で、多少ザラザラとした梨地やパーティングライン等はありますが、今回はこのまま「足付け処理→プラスチックプライマー塗布→本塗り」の作業工程で行う予定です。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

GMCホイールキャップ 下塗り

 少し前にサフェ入れまで完了していたGMCのホイールセンターキャップ(カバー)です。

その後熱を掛けて塗膜を効果させ、全体に黒をドライコートで塗ってガイドコートとしました。

 まずは水研ぎで平面のライン出しを行い、

 GMCの凹み文字部を研磨します。レーザー加工の際に要らなくなったアクリル片を削って幅を合わせ、#600→#800でラインを整えます。

 フチの黒くなっている箇所はまだ研げていないところで、この後さらに壁部分を研ぎ付けます。

 最後に#800でペーパー目を均し、全体の足付け処理を行います。

 良く脱脂清掃し、

 裏側にベースコートを塗布します。

裏は塗らないつもりでしたが、サフェーサーが飛んだのが気に入らなかったので色だけ塗っておく事にしました。

 後からパテを盛ったような跡がありますが、これも元々オリジナルにあった物をそのまま転写しているだけです。

 フチの内側からマスキングを行い、いつものボール紙筒を固定します。

 台にセットし、

 先日用意しておいたベースカラーを塗布します。

 続けてクリアーを塗って下塗り完了です。

この後熱を掛けて塗膜を硬化させ、再び全体を足付け処理したらGMCの文字周りに赤(ベースコート)を塗布し、食み出た個所はシンナーで拭き取り&研磨して除去、最後にもう一度全体にクリアーを塗って本塗りが完了すると言う算段です。

予定より大分長くなってしまいましたが(と言うよりこのサイズの複製を軽く考え過ぎていました・・・)、いよいよ完成間近です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

GMCホイールキャップ 下準備

 GMCのセンターキャップ上部に打ち込まれている4ミリ径のシャフトです。工場にあったステンレス製のS字フックが同じ径だったのでこちらを遣わせて貰う事にしました。

 元々打ち込まれているシャフトはそんなに長く無いようですが、強度の事も考えてギリギリの長さにする事にしました。14ミリ弱ですね。

 最初はバンドソーでのカットを試みたのですが、やはりと言うか粘りが強くてキリが無いのでワイヤーカッターで粗切りし、グラインダーで面を整えました。

シャフト接合部は#120のペーパーを掛けて足付け処理をし、よく脱脂しておきます。

 高強度なエポキシ接着剤(3Mオフホワイト)を塗り、シャフトを打ち込みます。

デヅラを合わせ、この後恒温器に入れて(他の物と一緒に)熱を掛けて硬化させます。

ちなみにデヅラって業界だと普通に使われている用語なのですが、恐らくは「面一」(ツライチ)から出来た造語なのでは?と思います。面が出ない=ツラが出ない=デヅラ、みたいな感じでしょうか。本来は顔を出したり出席した時に使う言葉のようです。他には調色の時などに、「もう少し赤を殺して」とか「ああ!黄色が死んだ」など、何故か物騒な言葉が飛び交います(苦笑)。

 と言う訳で、接着剤を硬化さえている間に色を確認します。何だかようやく塗装屋らしい画に(笑)。

 赤はフェラーリのロッソコルサ(カラーコード:300)を、

 ガンメタは色見本帳から近似色を探します。画像は信頼性の高いジャパンバリエーション色見本帳で、どれも同じ色(マツダ1H)です。

 透かしと正面の明るさが違いますが、雰囲気(メタリック粒子や色相、フリップフロップ性の癖具合など)が良かったので、こちらのスバル474を採用する事にしました。具体的に言うと、色見本に対してホイールの色は透かしが真っ黒で正面が少し明るいといった感じです。

 予め配合データから黒の分量を減らし、メタリックアディティブ(MIX008)を適当な量入れます。メタリックアディティブは「透かしを明るくする」「正面を暗くする」「メタリックのギラツキ感を高める」という効果があって、通常透かしを明るくするには白を使えば手っ取り早いのですが、それだと透かしが濁ってしまうので今回はそれを避ける為にこれを使っています。別名「フリップコントローラー」とも呼ばれる顔料で、それ自体に色は着いていませんがメタリック系の調色には欠かせない原色です。DUPONTだと4530Sですね。

色見本で見た時は正面が多少明る過ぎるくらいで、そこからさらに黒を減らしたのでさらに正面は明るくなる筈ですが、メタリックアディティブを結構な量入れたので正面からの色は黒くなる過ぎるくらいになったのでさらにメタリック原色(MIX589)を足しています。またそれらにより色味(色相・彩度)が減ったので、青味のある赤(MIX576ブリリアントレッド)も数滴追加しました。

既にサフェ研ぎも完了していますので、タイミングが来たらまずは下塗りとしてこちらのガンメタで一回目の塗装を行い、その後再び全体を足付け処理して凹み部分に赤を塗装、食み出た色を除去して再度全体にクリアーを塗れば完成です(ようやく完成のイメージが繋がりました・・・!)。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

GMCホイールキャップ サフェ入れ

 先日スプレーパテを塗っておいたGMCのホイールセンターキャップ(エポキシ樹脂製複製品)です。その後熱を掛けて完全硬化させておきました(と言うか他の案件と一緒に熱を入れさせて貰っています)。

 全体にベースコートの黒をドライコートで塗布し、それをガイドコート(研ぎの目安)として全体をサンディングします。最初は#120と当て板でカッチリとしたライン出しを行います。

 その後2ミリ厚のアクリル片に#180のペーパーを貼ってGMCの文字の内側を研磨します。

ちなみに当店で使用している空研ぎペーパーは全て裏側に粘着糊が付いているので、それを何かしらに貼れば手で抑える必要はありません。と言うか近年の塗装業界では糊が付いていない空研ぎペーパーの方が稀です。

 穴の内側は筆の柄にペーパーを巻いてグルグル回します。

 最後に表面を#180と当て板で研磨し、角やフチを#240手研ぎで面取りします。

 よくエアーブローをして巣穴に詰まったパテ粉を吹き飛ばし、脱脂清掃を行います。

 サフェーサーを5~6コート程ウェットで塗り込みます。毎コート間には自然乾燥で表面の艶が消えるまでのフラッシュオフタイム(乾燥時間)を十分設けます(内部に溶剤が籠ると表面に小さい巣穴が、また最悪ブリスターを発生します)。

凹み文字部は意外としっかり研げることが判ったので、その部分も容赦なくサフェーサーを塗っておきました。

ようやくこれで形が出来て来た状況で、次はサフェ研ぎと、カバー上部側面に開けた穴に4ミリのシャフトを打ち込み~接着します。そしていよいよ色の確認ですね。随分と時間が掛かってしまいまして申し訳御座いませんがどうぞもう少々お待ちくださいませ!

GMCホイールキャップ 素地調整

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/11/19/gmc%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97-%E6%B3%A8%E5%9E%8B%E5%AE%8C%E6%88%90/

先日注型作業が完了していたGMCのホイールセンターキャップです。ようやく塗装工程の作業に移ったので、今後はこちらの日記の方で紹介したいと思います。

注型して出来た物は何度も洗浄していますが、それでも離型剤は取り切れないのでスコッチブライト&ウォッシュコンパウンドで足付け処理をしつつ脱脂洗浄をします。

 良く乾燥させ、台にセットします。

 そのままサフェーサーを塗るには少々不安だったので、今回はその間にスプレーパテを入れる事にしました。サフェーサーはウレタン系ですが、こちらはポリパテと同じくポリエステル系の樹脂となります。

凹文字部が埋まらないようにそこを避けつつ、4~5コート程塗り重ねます。

この後熱を掛けて硬化させ、全体を研磨したら次はサフェーサーの塗布、その後色の確認となります。ようやく塗装屋の仕事っぽくなって来ました。どうぞもう少々お待ちくださいませ!