バイク用ブレンボキャリパーが装着されたようです

hayabusa3 先日お納めしましたバイク用のブレンボキャリパーが無事車体に装着されたようで画像送って頂きました。ストライカーなるマフラーメーカーのデモカーでもあるらしく、これからの露出度も高いそうです。超格好良いじゃ無いですか・・・。

brembo49色はSUZUKIのDAYTONA YELLOW」(デイトナイエロー。カラーコード: YMF)で、凹文字部分は黒で塗ってありますが、ここは塗料を流し込んで塗る墨入れでは無く、通常通りマスキングをしてスプレーで塗装し、最後に全体にクリアーでコートしてあります。何が違うかと言うと耐久性が違います。

brembo28これはアルマイトの上にそのまま色(上塗り塗料)を塗っているので剥がれて当然ですが、これはやり方が悪いとかそう言う事では無く、これが製品のスタンダードという事なので特に問題はありません。むしろこういう風になって貰わないとうちのような場末の塗装屋の出番が無くなってしまいますので・・・(苦)。

塗装はその製品の性能自体を上げる訳では無くても「あると嬉しい」といったところがあって、今回のキャリパーもそうですが、古くなった物でも新たな価値をプラスして誰もが羨むような形に生まれ変わらせる事が出来る凄い力を持っていると思っています。
ただそれだけに一旦何かトラブルが起きればとてつもないガッカリ感を生じてしまう為、私的にはそこに重点を置いて作業をするようには心掛けています。折角お金を掛けて塗った物が上の画像のようになったら悲し過ぎますので・・・。

そう言えば塗装の業界に入って初めの頃、上司のアメリカ人から言われた言葉で、「お前がやっているのは新車の塗装では無く補修の塗装なんだから新車以上のクオリティじゃないと意味が無いんだよ!」見たいな事を言われましたが、後になればなるほど確かにその通りだと思います。ただ実際はこんな感動的な言葉では無く、もっとひどく汚い言葉で罵られた訳でして(酷)、当時は相当反発はしましたが今思えばその反骨精神のお陰で色々考えられるようになったのだと思います。ただ仕事の場で言葉の端々に「ファッキン!」とか入れるのは辞めて欲しかったですけどね(苦笑)。テキサスだとそれが普通なのでしょうか・・・?。

バイク用ブレンボキャリパー塗装 完成

brembo46 こちらもお待たせしました!バイク用のブレンボキャリパー3点、本日完成となります。

色はSUZUKIの純正色「DAYTONA YELLOW」(デイトナイエロー)」(カラーコード: YMF)なる色で、凹んだ箇所の文字とロゴは黒で塗装しました。

brembo47 この程度なら筆で塗料を流し込んで拭き取ると言う方法も可能ですが(所謂「墨入れ」です)、今回は一応塗装屋らしく正攻法で行いました。随分と手間は掛かってしまいましたが・・・(苦笑)。でも耐久性云々考えるとこれが一番確実かと思います。塗装屋さんなら判りますよね。

brembo48 ブレーキパッド等の付属品は一応元に戻しておきました。ステンレスメッシュホースのみ外した状態で梱包しておきますね。

brembo49凹んだ箇所への墨入れは、よくやるやり方としては一旦クリアーまで完成させ、このクリアーを侵さない低溶解な塗料を流し込みます。例えばラッカー系やフタル酸(ワンショットなどのペンキ系)、あとは水性などですかね。食み出た分はウェスで拭き取れば良いのでそんなに面倒ではありません。ただし後々剥がれなければですが・・・。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。明日以降で発送可能です。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

バイク用ブレンボキャリパー×3 本塗り

brembo38 こちらもお待たせしました!バイ用のブレンボキャリパー3個も本塗り完了しております。本日は土曜日でしたがいつも通りの通常営業で、ただお陰で結構仕事は進行しました。5月はGWがあったので売上げは微妙な気がしますので何とか6月に期待しましょう(仕事は常に詰まっているのですがどうも働きが悪いようでして・・・)。

brembo39 サイズとしてはこれと一緒に塗っているF50用のキャリパーの3分の1程度ですが、行う事は殆ど変わらないので金額もいきなり安くなる訳ではありません。今回の場合は2割安い程度です。ただし個数が3個なので複数割引が20%→30%と結構お得になっています。

brembo40 今回ご依頼頂いている色はSUZUKIの「DAYTONA YELLOW」(デイトナイエロー カラーコード: YMF)で、「隼」のボディカラーに採用されている塗色です。塗料の配合データからすると激しく隠蔽が悪い色のようで、データによっては3コート塗装(低隠蔽の為「アンダーカラー」使用)になっています。今回は白に少しその黄色を入れた色を下色として塗っておきます。

brembo41 そしてベースカラーを塗装し終えたらロゴ入れ塗装を行います。ただこちらは平面では無く凹んだ箇所に黒を塗装するので通常のロゴ入れに比べると結構面倒です。まあ大変なのはデータとマスキングシートを作るまでで、この時点ではそんなに時間は掛かりませんけどね(そのために事前準備に時間を掛けていますので)。

brembo42この場合のマスキングは 凹み箇所に少し食み出るような貼り方にします。

brembo43 こんな感じです。ただ凹み箇所は平面では無く、また素地の凸凹もあるので多少輪郭がボケてしまう箇所もあり、そういったところは綿棒にシリコンオフを浸して拭き取ります。ベースのイエローは充分に乾燥しているのでシリコンオフでは溶けず(シンナーでは無く低溶解性のノルマルヘキサンです)、ただ塗ったばかりのベースカラーであればシリコンオフでも拭き取れます。STANDOXの技術講習を受けた事のある方ならご存知ですよね。マニュアルには書いていないような事でも特徴を知っておけば色々な場面で助かるケースはあるのです(経験で得られる殆どはこう言う事でしょう)。

brembo44 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

ちなみにプラモデルの塗装を行う方なら「クリアーを塗って後から黒を墨入れすれば」なんて思うかも知れませんが(プラモはそれが基本です)、私が学んできた「Automotive Refinish」(自動車補修塗装)は「耐久性」がありきの塗装なのでそれでは充分では無いのです。塗装の前には必ず足付け処理が必要となり、ただそうなると凹みの内側だけで処理するのは難しいですから、結局キャリパーは全体を足付け処理をし、クリアーは再度全体を覆うような塗り方になります。確か以前行ったAPレーシングのキャリパーはその方法で行いましたがそれではコストが掛かり過ぎますので今回は一回の塗装で出来るようにと対応しています。データ作成の方に重きを置いたようなやり方に変えた感じですかね。

brembo45こちらの「brembo」の凹み文字も同様のやり方で、ただやはりサイズが小さい為か事前に練習で行った時よりも実際にはシビアに感じ、結局文字一つ一つを切って貼り合わせるやり方に変えました。ちょっと時間は掛かりましたがそれくらいならやっておいた方が確実ですので。

それではこちらも完成しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

バイク用ブレンボキャリパー 下準備

brembo28 先程紹介した4輪車用のブレンボキャリパーに続きこちらのバイク用キャリパー×3もブレーキ屋さんから戻って来ました。ピストンはダストブーツが無いタイプなので一旦分解してブラスト作業後、元の状態に組み直してもらっています。有り難い限りです。

brembo30 ただ今回はいつものブレンボキャリパーとはちょっと違い、文字の部分が凹み状になっているのでこれを塗装する為のマスキングシートを作らなければなりません。ちょっと厄介ではありますが、こういった事も出来ないと小物の塗装だけでやっていくには難しいので何でもやらないと駄目ですかね(と言うかこういう作業は結構好きですので)。

作業方法はいつもの通り「石摺り」で、凹部にコピー用紙を当ててクレヨン(のような物)で擦れば輪郭が転写出来ます。子供の頃によくやりましたよね(最近はやりませんか・・・)。

brembo29同じくブレンボの旧ロゴも転写します。このデータは持っていなかったので丁度良い機会でした(流通はしません。ご理解御了承下さい)。

brembo24転写した紙をスキャナーでPCに読み込み、それをIllustratorなるソフトでトレースしていきます。バージョンが結構古いですが使い慣れているのでOSがwin7になってからもこっちメインで使っていますかね。

という事で用紙がちょっと斜めってますが大体こんな感じでロゴのトレースが完了です。ただし今回はこのままでは使えません。単にロゴを塗装で入れる訳では無く「凹部」を塗るのでそこに合わせた調整が必要なのです。後は実際に「カットアウト→現物確認」を繰り返して調整していきます(これがまた地味な作業でして・・・)。

brembo25ブレンボのロゴマークに関しても今まで持っていたデータとは随分違います。角が尖っていなく丸味があるんですよね。なのでそれに合わせて調整していきます。

brembo26   こんな感じでデータ作成完了です。と思いきや裏側にもサイズ違いの物がもう一個あってこの後さらに作業は続くのですが・・・。

brembo31 実際にキャリパーに貼ってみて具合を確かめます(これは本番ではありません)

brembo32裏側に少し大きめのロゴマークがありました。

本塗りの流れとしては、

・プライマー塗布
・ベースカラーのイエロー塗布
・今紹介しているマスキングシートを使ってマスキング
・ロゴを黒で塗装
・クリアー塗装

といった感じです。これなら当初のように凹文字部分の塗装が浮いて来たりはしませんので安心です。

それではこちらも近日中に本塗り予定です。もう少々お待ち下さいませ!(今日帰って色を作っておきます)。

バイク用ブレンボキャリパー 塗装承ってます

brembo27 先日到着しておりましたバイク用のブレンボキャリパー×3です。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

ご依頼内容としてはこれら全てをSUZUKIの「DAYTONA YELLOW」(デイトナイエロー)、カラーコード: YMFで、ロゴ部分は黒で承っています。

サイズとしてはいつもの自動車用のキャリパーよりも小さいですが、実は手間自体は殆ど変わらないので(むしろ慣れたブレンボキャリパーの方が楽です)費用は特別安くはなっておりません。それ以上に今回は面倒な事がありまして・・・。

brembo28ロゴはどれも「凹」に色が付いている状態で、塗装屋さんなら判ると思いますがこれが結構難しいのです。ウレタン塗装後にワンショットのようなフタル酸(ペンキ)や水性塗料などであれば墨入れ的な塗り方も出来ますが、そうなると結局このようになる訳でして・・・(剥がれてます)。ちなみにこれはアルマイト素地に直接上塗りされているのでこれも剥がれて当然です。

今回のやり方としては、いつものように全体をサンドブラストで素地調整(足付け処理)をした後、イエローを塗ってからこのロゴ通りの型のマスキングシートを作成してそれで黒を塗り、最後にクリアーを塗ってコートします。それならこうはなりませんからね。

ただその型(データ)はまだありませんので、今回も「石摺りで紙に転写→PCにスキャンして読み込み→細部の修整→マスキングシートのカット」といった工程となります。中々楽しそうですがちょっと時間は掛かりそうですね。

下地処理はいつものブレーキ屋さんに御願いするので一旦発送する予定でしたが、明日丁度こちらの方に来る用事があるとの事ですので直接引取りに来てくれるそうです。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!

まだ紹介していない案件も随分と貯まってしまい申し訳御座いません。順次紹介していきますので今しばらく御待ち下さいませ。