ロータスエキシージ スロットルボディ塗装承ってます

 先日到着しておりましたロータスエキシージ用のスロットルボディです。

ロータスエキシージと言えば先日完成したヘッドカバーの塗装で、やはりこちらも同じオーナー様から、また塗装内容も前回と同様の内容で承っております。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

参考までに前回ご依頼頂いたヘッドカバーの完成記事を紹介させて頂きますね。しかしまさかまたこれをやるとは思いませんでした(恐)。

ロータスエキシージヘッドカバー塗装 完成

お納めしたヘッドカバーについてもご満足頂けましたようで良かったです。

塗装する部位はアルミ素地部分で、黒いプラスチック部分はマスキングして塗らないようにします。本当であれば外したい所ですが、多分分解は想定されていない部品だと思います。

 前回と同様、ガスケットが当たる面は塗装しないように最後まで残します。

 下地処理は前回と同様、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で、またその後は一旦黒で下塗りを行った上で3コートSPFシルバーに仕上げます。クリアーはクリスタルクリアーを使用します。

 今回は印の付いている「Ⓑ」の一部分のみ削り落として平滑に仕上げます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!

ロータスエキシージヘッドカバー塗装 完成

 大変お待たせしました!ロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバー×2、STANDOX 3コートSPFシルバーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

 元々は普通のアルミ鋳造ヘッドカバーで、

表面はザラザラとした梨地にパーティングラインなどのバリもあり、

また元々あった凸部の研磨平滑化もご指定頂いておりました。

アルミ素材なので当然手で簡単に削れる訳は無く、主にシングルアクション系のサンダー(エアーツール)を使って素地調整を行い、

「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地を造りあげました。この形状で(笑)。

 また使用した塗料は通常のシルバーでは無く、比較的扱い易くなった高輝度メタリックのSTANDOX JLM-906を使い、下色に黒を塗る3コート仕様で金属感の高い仕上がりにしています。

 また今までの高輝度メタリックのように足付け処理無しで塗装を塗り重ねるような事はしていない為、耐久性は通常の塗装と同様に出来ているのが特徴です。

また一部のネジ穴を埋める作業も承っていましたので、そこにはプライマーを塗ったイモネジを奥まで捻じ込み、

構造用エポキシ接着剤を使って平滑に仕上げています。

 途中に熱を入れる工程で穴の跡は出ていませんので、今後もそれが浮き出て来るという事は無いと思われます。

 ただ思っていたよりも素地の歪が大きかった為、目立つ穴埋めをした箇所の天面は広範囲にエポキシを塗って平滑なラインに仕上げています。

 この形状でタップリ塗ったサフェーサーを研ぐのは中々に大変でした。

 塗装屋さんなら判ると思いますが、単にサフェーサーを研ぐだけでは研ぎスジや肌目が残ってしまう為、ほぼ全面当て板(ヘラや小さいアクリル片など)を使ってペーパー研ぎ作業を行っています。

 ただし高輝度メタリックは通常のシルバーメタリックに比べてさらにペーパー目が出易い(粗が判り易い!)と言う事もあって、サフェーサーを研いだそのままでは到底塗れず、一旦は艶ありの黒(通常通りの2コート仕上げ)で下塗りをし、その上に本塗りを行っています。

 SPFシルバーはメッキと言うよりかはアルミに近い質感です。

 原色であるJLM-906をバインダー(ベースコート用の透明な樹脂)で6倍に希釈し、下色の黒を完全に隠蔽させないようにして透かした時の黒味を表現しています。

 この形状で全体に均一に透過するシルバーを塗る為スプレーは多方向から、またエアー吹き返しの少ない低圧ガン(デビのDEMI 口径1.0mm)を使って対応しています。

 どうしても塗料が入らない個所はノズルパターンを最小にして狙い撃っています。画像左上にある柱の間などはそうですね。普通に塗っても色は入りません。

 この辺の逆アールライン箇所もかなり凸凹でしたが、サフェーサーの塗布~研磨で綺麗なラインに表現出来たと思います。

 しかしいつもの事ですが、ここまで大変だとは思いませんでした(苦笑)。

 オイルキャップが装着される個所やガスケットが付く面は塗装せずアルミ素地をそのまま残した仕上りにしています。

 一応室内の照明下でも撮影してみたのですが、

 メタリックの輝きが強過ぎて白飛びしてしまい、上手く撮れません…。

画像は全て未加工で、撮ったそのままでの掲載となっております(サイズの縮小のみしております)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ロータスエキシージヘッドカバー 本塗り

 先日下塗りを終えていたロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバーです。

その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、いよいよ本塗りの準備です。

 肌が悪い個所などは#800の水研ぎで平らにし、布状の足付け処理用の副資材(アシレックス)とスコッチとナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

 内部~裏側まで綺麗に洗浄し、マスキングをし直して本塗り準備完了です。

 足付け処理の際に下地のサフェーサーが出た個所がありますが問題ありません。この黒はあくまでも下塗りなので問題ありません。アルミ素地が出ている箇所は無いのでプライマーの塗布も必要無く、そのまま本塗り開始です。

 まずはベースコートの黒を塗ります。画像だと塗ったばかりなので艶がありますが、この後艶は消えていきます。

 そして今回の塗色であるSTANDOX原色JLM-906、SPFシルバーです。

左の色見本は以前施工したプレオのルームミラーと同じ仕様で、下色に黒を塗り、その上に「JLM-906:バインダー」を1:4にしたSPFシルバーを塗っています。

右側はJLM-906を100%で完全隠ぺいした仕様で、今回はこれの中間辺りを狙っています。

 下色の黒にはいつものIWATA LPH(低圧ガン)を使いましたが、最初に塗ってみた感じでこれはマズイと言う事で、同じ低圧でもより吹き返しの低いデビルビスを使う事にしました。こちらの方がより低圧ガンらしく、凸凹して奥まった細部にも塗料が塗着し易いです。

 SPFシルバーの仕様は「JLM-906:バインダー」を1:6で、これは先ほど紹介した「1:4」よりも顔料の含有量が低くなりますが、その分コート数を増やしてシルバー感を強くします。被塗面の形状が平らでは無くこんなに凸凹なので、膜厚を均一にする為に多方向から塗って分散させます。

 傍らには色見本も用意し、先にこれを塗る事でシルバーの具合を確認します。道先案内人みたいな感じでしょうか。

 そしてベースコートが完了です。上面は16方向、側面は4方向、都合32の角度から塗装し、何とかムラなく仕上げられたと思います。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。

  各部に貼ったマスキングは塗装直後に剥がしています。プラグホールに一個残っていますが、ちょっと固く入り過ぎていて、何だか嫌な予感がしたので無理はしないようにしました(落としたら終了ですので…)。

 もう片側です。

参考までに最初の状態も紹介しますね↓  殆どの個所は「そこ、どうやって研げば…」と言う形状でした。

 こちら側のカバーの方が形状が複雑な為、その分コントラストが効いて金属感が強く感じられます。

 製品自体の歪は残っていますが、これが元々あのザラザラとした梨地だったとは判らないと思います。

ブースの中だと照明の光が多方向から当たるので立体感に乏しくなりますが、それでも普通のシルバーでは無いのが判ると思います。

この後60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥し、さらに他の被塗物と一緒にもう2~3回くらいは熱を掛けておこうと思います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ロータスエキシージヘッドカバー 下塗り

先日サフェーサーの空研ぎまで完了していたロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバーです。その後#600→#800の水研ぎまでを行っていました。

その後良く洗浄し、マスキングを貼り直してまずは下塗りを行います。

 下塗りと言っても作業自体は本塗りと変わりはありません。

 サフェ研ぎの際、下地のアルミが露出している個所もある為、全体にプライマーを塗布します。

プライマーは金属が露出した個所にスポット的にでも構わないのですが、今回は下塗りの為、仕上がった状態がで多少艶引けしても構いませんから、どうせならと言う事で全体に塗っています(どうしても肌は荒れる為、艶引けの原因にはなります)。

 そしてベースコートの黒を塗布します。色が着くと深いペーパー目などが目立つ為、この時点で中研ぎ修正を行っておきます。

 ベースコートの黒を塗り終えたらクリアーを塗って下塗り完了です。

 下塗りを行うメリットとしてはペーパー目の取りこぼしなどの防止で、またどうしても研ぎきれないサフェーサーの肌を均す役目もあります。デメリットとしてはシャープさが損なわれてしまう事ですが、今回はこういったヌメっとした形状の為、大きな影響は無いと思います。

 ちなみに一般的なメッキ超の塗装などは、これを硬化した後、そのまま足付け処理無しで塗る事によりメッキのような金属感を出しますが、それだと色々懸念される事がある為、今回は再度全体に足付け処理を行い、再度ベースコートの黒を塗装、その上に高輝度メタリック(STANDOX SPFシルバー)をコートし、最後にクリアーを塗るという仕様となります。

比較的塗り易くなった高輝度メタリックのSPFシルバーだとしても、ちょっとしたペーパー目(#1500程)や、タッククロスで拭いた跡でも影響されてしまう為、サフェ研ぎのまま本塗りと言うのはかなりリスクが高いのですが、今回の下塗りにより、本来だったらアウトなペーパー目(#800よりも荒いペーパー目)が埋まってくれた為、この後に行う本塗りでは一気に危険度は減ったと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ロータスエキシージヘッドカバー サフェ研ぎ

 先日サフェーサーを塗布しておいたロータスエキシージのV6エンジンヘッドカバーです。

一晩自然乾燥させ、巣穴の個所に同じウレタンサフェーサーを筆指ししておきます。

 さらに全体にガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきます。研ぎながら凸凹したラインを確認する為と、研ぎ忘れ防止の為です。

 その後60℃40分程の熱を掛けてサフェーサーを完全硬化させました。

ちなみに一晩おいた自然乾燥だけでも見た目(触った感じも)固まっているように見えますが、そのまま熱を入れない状態で色を塗ると完全に硬化しきっていないサフェーサーが上に塗られた塗膜の溶剤に侵されて激しくチヂレます。

 そしていよいよサフェ研ぎです。

平らな面積はいつものように当て板と#320の空研ぎペーパーで面を出し、さらに狭い場所には小さい当て板や、画像にある極小サンダーを使って研ぎ出します。

 パッと見サフェーサーが平滑に見えるのは艶消しだからで、実際はボコボコ&ウネウネなのでとにかく硬い物を当ててペーパーを掛けなければなりません。ペーパーだけを使った手研ぎは最後の最後だけです。

画像はヘラにペーパーを巻いた状態で入り組んだ奥を研いでいるところです。

 唯一のスピードアップはペーパーを新しい物に替える事で、特に今回は景気良くペーパーを使いまくりました。イメージとしては10メートルくらい使った感じです(実際は3メートルくらいだと思いますが。笑)。

 と言う訳で何とか#320の空研ぎまでが完了です。

 空研ぎはここまでで、次は水研ぎの作業となります。

水研ぎも同じく全体を研ぎますが、その後はいきなり本塗りと言う訳では無く一旦「艶ありの黒」として仕上げます。作業自体はベースコートの黒+クリアーの本塗りと変わりありませんが、まずはそれを下塗り(下地)とし、その後の3コートSPFシルバーに備えます。

理由としてはやはり「ペーパー目」の防止で、このサフェーサーをそのまま#800(実際は#1000~1300相当)の均一なペーパー目に揃えられれば一番良いのですが、多分それは非常に難しく、また今回は特に素地(ペーパー目)の影響を激しく受けやすい高輝度メタリックの為、念には念を入れておきます。

と言うか以前BMWのヘッドカバーをMカラーに塗った時もそうしていますし、自転車フレームの塗装などもそうしているのが普通です。石橋を叩いて型枠を作りコンクリートを流し込んでから渡るような感じですかね(そこまでの手間では無いですが。笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。新たなご依頼品も入っておりますのでそちらも改めて紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!