アテンザフロントグリル&ロアグリル塗装承ってます

 先日到着しておりましたマツダアテンザのフロントグリルとロアグリルです。 最初にお問い合わせを頂いたのは2年程前で、その間にご予算を確保して頂けたとの事、誠に恐縮です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

部品は新品で、発注されたディーラー様から直送でやってきました。未塗装の樹脂素地状態となります。

表面は細かい梨地で、本来であれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行いますが、さすがにこの形とサイズでそれを行うと信じられない程の手間と費用が掛かりますので、こちらは以前行ったような「二度塗り」での方法で行います。

ご指定頂いた塗色はマツダ純正色のジェットブラック(カラーコード:41W)で、またクリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」で承っております。

以下ページで以前施工した時の完成画像を紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

アテンザフロントグリル&ロアグリル塗装 完成

また以下ページでは「二度塗り」の工程についても紹介しておりますので宜しければどうぞ。

MAZDA6 Front Grill

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

アテンザフロントグリル塗装 完成

atenza46大変長らくお待たせしました!マツダアテンザの純正フロントグリル、2トーンカラーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介致します。

atenza4元々はザラザラとした梨地で、本来であれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な素地を作成するのですが、さすがにこのサイズと形でそれを行うとかなりの手間と費用になってしまうので今回は二度塗りと言う方法で行っています。

梨地の目が荒い場合には対応が出来ませんが(むしろ酷い仕上がりになります)、今回の部品は比較的凸凹が細かいのでいつもこの方法で対応しています。

atenza52一番上のフィンはフロントグリルとは別部品で、撮影の為に仮装着しています。隙間が開いているのはしっかり挿していないだけで問題ありませんのでご安心下さいませ。

ちょっと画像だけだと塗り分けが判り難いので作業内容書も紹介しますね。

atenza1今回のご依頼は少々複雑で、上段の別体となるフィンと同様に、そこから下部のグリル本体と一体となったフィンの色を変えています。単純そうに思えるのですが、各見切りをきっちり塗り分けるとなると中々手間が掛かるのです。こういうのは少しでもラインからズレると格好悪いですからね。

atenza48今回の完成イメージとしては、各フィンはまるで外して塗ったのでは、と思うような感じにしてあります。塗り難い奥まで艶々に仕上げています(まあこれはいつもの事ですが)。

atenza47尚、一番上のフィンはしっかり嵌め込むともっとピッタリ着きますし、また穴の周りとフィンの爪の部分はご指定通り塗らない様にしていますのでご安心下さいませ。

atenza53当店の塗装としては、派手なラメを多用したりエアーブラシを使ってフリーハンドで画を描いたりは出来ませんが、その代わりに塗膜本来の美しさや、まるで人が塗ったとは思えないといった機械的な仕上がりになるようにしています。また元々が「元に戻す」といった補修塗装が基本となっていますので、経年でも劣化しないような強固な塗膜の形成や下地処理に重きを置いています。

atenza54こういった奥まった箇所は後から磨きの調整などは難しいので、とにかく肌を荒らさないよう事前に塗り方をイメージして最速でクリアーが塗り終わるようにしています。途中で迷ったりしたらもうお終いですよね。

atenza49この辺の塗り分けはピンセットでマスキングテープを貼っていて、勿論手でも貼れるのですが、一旦足付け処理をした被塗面にベタベタと触れると後で指紋の跡が出てきたりするので極力素手では触らないようにしています。車の部品となると完全に実用的な物となりますから、そういう所でも結構気を遣う必要があるのです。

atenza502色を塗る順番としては、今回は敢えて手間の掛かる方で行う事としましたが(作業性としてはフィンは後からの方が楽だったと思います)、お陰で曲線ラインの見切り部分も綺麗に仕上がっていると思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

アテンザ フロントグリルフィン再塗装

atenza43 先日本塗りを終えていたアテンザのフロントグリルと、それに装着されるフィンです。

部品自体は新品なのですが、元々塗ってあった塗膜が弱かったか薄かったか完全硬化していなかったかで若干ですがチヂレを起こしていたので(しかも左右共に)、強制乾燥~完全硬化後に再塗装しました。

atenza44 ちなみにチヂレはそんなに酷い物では無かったので(そもそも装着されれば裏側なので殆ど見えませから通常では塗りなおさなくても良いレベルだったかもです)、旧塗膜の剥離まではせず、表面を軽く研磨するのみとしました。勿論足付け処理は全体に行っています。

atenza45先日の本塗りで下地は出来ていますから、二度目の塗装ではチヂレも起こさず普通に仕上がりました。どうぞご安心下さいませ。

それではこちらが完成次第、フロントグリルと併せて後日紹介しますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

アテンザ フロントグリルフィン チヂレ

atenza42先日本塗りを終えたアテンザのフロントグリルとそれに装着されるフィン×2ですが、どうやら裏側にチヂレが見られました。今回行った塗装が、元々塗ってあった塗膜(新品)を侵してしまったと言う感じです。表面は何とも無いので、恐らくは裏側の塗膜(クリアー)が薄かったからだと思われます。

装着されれば見えない箇所なので特段大きな問題では無いと思うのですが(ディーラー勤務の場合はこの辺はもうスルーするレベルです)、同じ様に塗ってあるフロントグリルのフィンの方は綺麗に仕上がっているので、折角ですからこちらも後日塗り直したいと思います。

こういった事はホンダ系のミラーカバーなどでよくありましたが(あとサターンの外装プラスチックパネルなどがどうにもならないと業界では有名でしたよね)、実際に塗ってみないと判らないところもあるので判断は難しく、この辺のリスクがあるのも塗装の怖いところなんですよね。今回は部品単体なのでどうにでもなりますが、以前行った、細部までフルマスキングで対応したSurfaceなどでこれが起きたら新たにもう一個用意するしかありません(と言う事も御了承でのお受付でした)。

と言う事で、予定よりも数日時間が掛かってしまいそうですがどうかもう少々お待ち頂けますよう御願い申し上げます。

アテンザフロントグリル 本塗り(3日目)

atenza30 そしてクリアー本塗り当日です。見切りの境界線については前日に2ミリのラインテープを貼ってあったので、後は塗らない部分を通常の和紙タイプのマスキングテープで埋めていきます。

atenza31 塗装のマスキングは貼るだけでは無くその後の剥がす事も考えなければならなく、塗装屋さんなら判ると思いますが、無理に横方向に引っ張って剥がしたりするとテープの糊が塗装面に残ったりして後々面倒な事になります。ここではもうシリコンオフも使え無いのでベタベタ触る訳にもいきませんしね。

atenza32 塗装する順番でわざわざ面倒な事をしている理由がこの辺のマスキングのライン形状で、先にグリル全体を塗ってからフィンを塗ろうとするとマスキングはこの逆の貼り方になる為、曲線部分の形が悪くなってしまうんですよね。テープを小刻みに貼って見た目的な曲線(実際は多角形)にしても良いのですが、テープが重なるとそこに隙間が出来る訳で(と言っても普通は気にするレベルでは無いと思うのですが)、出来れば切れ目無く一本のテープでマスキングがしたかったのです。

atenza33 実際のところ何が正解なのかは何回か同じ事をやってみないと判らないと思うのですが、今回はとにかく前段階で時間が掛かっても、最もミス無く、スムースに最後まで終わってくれる方法を選んでいます。色々な引き出しを総動員みたいな感じですかね。

ちなみに柱の箇所は最初にはったマスキングテープを貼ったままなのでここで露出していても問題はありません。

atenza34ラインテープは極力継ぎ目無く貼り、美しい曲線になるようにしています。

atenza35 そしてようやく全体にベースカラーとなるマツダジェットブラックを塗布します。順番をこれとは真逆でも勿論出来ますし、多分その方が全然楽だったと思うのですが、塗り終わった今となっては今回の方法で良かったと思います。ただマスキング時間が相当長くなって常に前のめりの姿勢が続いたので、昨日は脚がパンパンになってしまいました・・・。

atenza36ベースコート( ジェットブラック)を良く乾燥させたら全てのマスキングを剥がします。一応は剥がし易いように変な重ね方はしていないので、多少時間は掛かりましたが問題無く剥がす事が出来ました。

atenza37 少々判り難いですが、フィンの部分のみグレーメタリックで、グリル全体と、フィンとフィンを繋ぐ柱の部分はジェットブラックになっています。

atenza40その後昼食の休憩を取り、夕方からクリアーの塗装となりました。

atenza38クリアーはクリスタルクリアーを使い、気温は15℃でしたが肌が荒れるのが嫌だったので硬化剤は15-30を使い(この温度間で使うという目安です)、その代わりシンナーは10-20を使いました。何のことだか判らないと思いますが、小物の塗装であればいつもはもう少し早い仕様(硬化剤を5-25)なので、いつもよりもレベリングに重きを置いているという感じです。ただし当然垂れ易くもなります。

atenza39 単品で塗ったグリルフィンははこんな感じで・・・

atenza41このフロントグリルの最上段に装着されると言う訳です。

パッと見はそんなに派手では無いのですが、結構手間と時間(と費用)が掛かった内容となっています。

強制乾燥は後日熱を入れ、その後一週間くらい寝かしてからの完成となる予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!