アテンザフロントグリル塗装 完成

atenza46大変長らくお待たせしました!マツダアテンザの純正フロントグリル、2トーンカラーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介致します。

atenza4元々はザラザラとした梨地で、本来であれば「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な素地を作成するのですが、さすがにこのサイズと形でそれを行うとかなりの手間と費用になってしまうので今回は二度塗りと言う方法で行っています。

梨地の目が荒い場合には対応が出来ませんが(むしろ酷い仕上がりになります)、今回の部品は比較的凸凹が細かいのでいつもこの方法で対応しています。

atenza52一番上のフィンはフロントグリルとは別部品で、撮影の為に仮装着しています。隙間が開いているのはしっかり挿していないだけで問題ありませんのでご安心下さいませ。

ちょっと画像だけだと塗り分けが判り難いので作業内容書も紹介しますね。

atenza1今回のご依頼は少々複雑で、上段の別体となるフィンと同様に、そこから下部のグリル本体と一体となったフィンの色を変えています。単純そうに思えるのですが、各見切りをきっちり塗り分けるとなると中々手間が掛かるのです。こういうのは少しでもラインからズレると格好悪いですからね。

atenza48今回の完成イメージとしては、各フィンはまるで外して塗ったのでは、と思うような感じにしてあります。塗り難い奥まで艶々に仕上げています(まあこれはいつもの事ですが)。

atenza47尚、一番上のフィンはしっかり嵌め込むともっとピッタリ着きますし、また穴の周りとフィンの爪の部分はご指定通り塗らない様にしていますのでご安心下さいませ。

atenza53当店の塗装としては、派手なラメを多用したりエアーブラシを使ってフリーハンドで画を描いたりは出来ませんが、その代わりに塗膜本来の美しさや、まるで人が塗ったとは思えないといった機械的な仕上がりになるようにしています。また元々が「元に戻す」といった補修塗装が基本となっていますので、経年でも劣化しないような強固な塗膜の形成や下地処理に重きを置いています。

atenza54こういった奥まった箇所は後から磨きの調整などは難しいので、とにかく肌を荒らさないよう事前に塗り方をイメージして最速でクリアーが塗り終わるようにしています。途中で迷ったりしたらもうお終いですよね。

atenza49この辺の塗り分けはピンセットでマスキングテープを貼っていて、勿論手でも貼れるのですが、一旦足付け処理をした被塗面にベタベタと触れると後で指紋の跡が出てきたりするので極力素手では触らないようにしています。車の部品となると完全に実用的な物となりますから、そういう所でも結構気を遣う必要があるのです。

atenza502色を塗る順番としては、今回は敢えて手間の掛かる方で行う事としましたが(作業性としてはフィンは後からの方が楽だったと思います)、お陰で曲線ラインの見切り部分も綺麗に仕上がっていると思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

マツダアテンザフロントグリル 下塗り

atenza6 大変お待たせしました!マツダアテンザの純正フロントグリルも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

ご依頼内容は2トーンカラーでの艶有り仕上げで、ただ新品部品は素地がザラザラとした梨地なので、まずは一旦これを平滑な下地にしなければなりません。

ただしこれ全てをいつものように「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程をやるとそれだけで大変な時間と費用になってしまいますので、今回は「2度塗り」といった方法で対応するようにします。ちなみに梨地の目が粗い場合はこれでは対応が出来ませんので御理解下さいませ。(むしろデロデロと汚い仕上がりになってしまいます)。

atenza7 まずは全体の足付け処理ですが、形がここまでイビツだとそれだけでもかなりの手間が掛かりますし、サフェーサーでは無く通常の上塗り塗料(STANDOX 2Kエナメル)を下地として使うので余り粗いペーパーは使えないと言う縛りもあります。

なので今回は空研ぎでは無く水研ぎをメインに色々やってみる事にしました。

atenza8 まずは全体的にスコッチとウォッシュコンパウンド(先ほどのハジキシラズ)で脱脂&足付け処理を行います。素材はPP(ポリプロピレン)なので、この場合粗いペーパーや研磨時の摩擦熱で傷が毛羽立ちますから今回はそれに気をつけての水研ぎとしています。

atenza9 その後、スコッチが当たら無い箇所に、布状の研磨材(アシレックス)をヘラに巻いて足を付けていきます。アシレックスは水研ぎだと目詰まりがし難く、またペーパーのように破れたり角が立ったりしないので非常に便利です。

atenza11 ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドのお陰で、ペーパーでは入りきらないような細かい凸凹部分も綺麗に足が付きました。これだけ見ても何の事だか判らないと思いますが、塗装屋さんならこの凄さが判りますよね。

atenza12 そしてさらに物理的に足が付きにくかった箇所(穴の断面部分など)にもと言うことで、最後は専用のバーナーを使って火炎処理を行っておきます。樹脂の表面を炎で溶かしつつ、ガス中に入った成分(多分ガラス珪素系)が被塗面に形成され、この後に塗るプラスチックプライマーの密着性を向上してくれます。

atenza10そして指定の箇所(モールが装着される箇所の穴)をマスキングしてようやく下塗りの準備完了です。もう今回はフルコースみたいな感じで、これが雇われだったら多分クビになっていますよ(笑。たかだか足付け処理に時間を掛け過ぎてます)。

atenza13 下塗りといっても本塗りと変わりありませんのでブース内もこんな感じです。

atenza14 あれだけ下地処理を行っていてもプラスチックプライマーが塗られていなければ簡単に剥がれてしまうのがPPと言う樹脂ですから、プライマーは四方八方、裏からもしっかりスプレーしています。

atenza15塗っているのは通常1コートソリッドとして使用する上塗り塗料で、一応次に塗るグレーシルバーの隠蔽が良いように同じ程度の明度にしておきました(白と黒を混ぜているという事です)。

ちなみに塗った直後は画像のように艶がありますが、素地は細かくてもザラザラと梨地なので、完全硬化すると艶が消えたような仕上がりになります。さすがにこれを磨きで艶を出すと言うのは現実的では無いですから、下地の段階でその凸凹を平滑にしておく必要がある、と言う事ですね。何にしても重要なのは下地です。

この後熱を掛けて完全硬化させ、ただしチヂレが怖いのでさらに一週間以上寝かしてからの本塗りとなります。その前にまたこれを全部足付け処理しなければならないんですけどね(苦)。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

マツダアテンザのその後

 

atenza

こちらはちょっと前にご依頼頂いた案件で、フロントグリル・フォググリル・内装スイッチパネルを塗装でご依頼頂きましたマツダアテンザです。

フロント周りは当初からするとかなり手が入れられていますが、使用している部品自体が純正部品そのままなので、凄みは増していますが綺麗にまとまっていると思います。この辺が純正部品の良い所ですね。

atenza4ちなみにフォググリルはわざわざ二種類の仕様を作られましたが、選んだのはシンプルな配色の方になったようです。私的な見解では、今回は「黒」と「メッキ」の二種類での組み合わせに拘ったように見受けられます。

atenza17オーナー様からは、

「昨日、ようやく塗装して頂いたものを装着完了しました。

 イメージ通りの仕上がりに大変満足しております。
 
装着画像を添付させて頂きました。よろしければ日記に載せて頂けたらと思います。
 
また、なにかありましたら利用させて頂きますので宜しくお願いします。」
との事です。格好良い画像、わざわざ有難う御座いました。こちらこそどうぞ今後とも宜しくお願い致します。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました!

マツダアテンザフロントグリル・スイッチパネル塗装 完成

atenza5 そしてこちらはフロントグリルです。元々は表面がザラザラとした梨地でしたが今回は「艶々」でご依頼頂いております。サイズが結構大きいだけにアピール度は高い気がします。ただ出来れば余り受けたく無い仕事ではありますが・・・(想像以上に大変でした・・・苦笑)。

atenza6 反対側からです。これもフォググリル同様にバンパーの裏側から着くタイプで、周りの部分は殆ど見えないのですが結局塗ってしまっています。取り付けて渡すのとこれ単体で渡すのとではやはり見え方(感じ方)が違うのでやり方(仕上げ方)も変わって来ます。見えないからといってクリアーがザラザラしていたら・・・ですよね。なので部品単体での仕事はどうしても敬遠されがちなのです。そしてうちはその盲点をついている訳ですが(笑)。

atenza7 これらのスイッチパネルも元々は梨地でした。ウネりも凄かったですが、サフェーサーである程度のラインは修正していますので違和感は無いかと思います。

奥にあるプレートは今回のアテンザ用では無くレクサスに取り付ける物のようですが、今回一緒にご依頼頂きました。同じ色で複数であれば割引が適用されますので断然お得です。どうぞご利用下さいませ

atenza8こういった形の物で梨地を処理するのはやはり大変ですが、それだけに仕上がった姿は何とも言えないと思います。ちなみに黒に見えますがこちらはマツダの純正色「ジェットブラック」で、ホワイトパール2種にブルーパールも入っています。画像だと殆ど解らないですが太陽光に当ててみると確かにパール感が解ります。純正色らしい色ですね。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

マツダアテンザフォググリル(2セット)塗装 完成

atenza2 大変お待たせしました!マツダアテンザの各パーツ、無事完成となります。これの他にも諸々あるのですが画像一杯になってしまうので個別で紹介していきますね。

atenza3 当店に来た時は既に「真空蒸着メッキ」が施されていて、これは通常の自動車部品に使われる装飾クロムメッキとは違い、どちらかと言うと「塗装」に近いです。なので最後はクリアーで仕上げられていて、良く見ると内部にはゴミなども入ってはいます(これはもう私にはどうしようも無いので手付かずで進行させて頂いております)。

atenza4ただ真空蒸着メッキも「部分的」には施工出来ないとの事で、一旦部品全体にメッキを掛けて、その後オーナー様自ら決めたデザインで今回の「ジェットブラック」を塗装しています。ただ恐らくはそのデザインをどちらか決めかねたので今回「2セット」でのご依頼になったのだと思います。最初これが届いた時は予備品か見本品かと思って完全に無視して見積もりしていたくらいですので(失礼しました・・・)。

まあそれだけに後悔も無く好みでどちらかを選ぶ事は出来そうです。ちなみに取り付けはバンパー裏側からとなると思いますから気軽に「気分で取り替える」って事は出来なさそうです(笑)。