INTENSE アルミフレーム&スイングアーム塗装 完成

intense18 大変お待たせしました!インテンスのアルミ製MTBフレーム&スイングアームの塗装、本日完成となります。現在GW連休中ですが17時までにご連絡頂ければ本日中に発送可能です。

intense19 色は自動車メーカーSUZUKIの純正カラーで、スイフトなどに採用されている「チャンピオンイエロー」(カラーコード:ZFT)なる色となります。とにかくとても鮮やかです。元の状態も紹介しますね。

intense 状態としてはとても良かったので恐らく納車されて直ぐに分解されたのではないでしょうか。塗膜自体には問題がないのですがとにかく厚みが凄いのとその為か肌がデロデロしていたので今回は全部剥がしてから塗り直しています。

intense4剥離している途中の画像で、ちょっと驚愕と言うか、折角なので重量を計っておけばよかったですね。

intense20 時々「強い塗膜になるように出来るだけタップリ塗ってください」といったご希望を頂く事がありますが、タップリ塗っても良いのは下地(例えばエポキシ)くらいであって、上塗りの塗膜を分厚く塗っても良いことは殆どありません。塗装屋の見解としては「塗膜は極力薄くしつつレベリングの良い美しい肌」が理想的になります。タップリ塗って綺麗な肌にするというのは誤解なんですよね。

intense21 これらの画像を見て大量に塗料が使われていると思うかも知れませんが、この時使っているスプレーガンはクリアーでも口径が1.0mmで、塗装回数もセオリー通り2コートのみとなっています。車のボディを塗る場合は口径が1.3mm~1.5mmが一般的なのでこれだけ見ても塗っている量が少ないのが判ると思います(塗装屋さんなら、と言う事かも知れませんが)。

なので塗りっぱなしでも綺麗な肌に仕上げる為には塗膜の厚みと言う訳では無く、クリアー本来の性能や硬化剤・シンナーなどの組み合わせ、後は一応塗り方に気をつけるという事ですかね。当然ですがクリアーを塗る時はゆっくり時間を掛けてやっていては塗ったクリアーの馴染みが悪くなりますから、予めスプレーガンの動きをイメージして出来るだけ短い時間で塗り終わるように心がけます。フレーム一個を1コートするのは多分1分くらいではないでしょうか(面白そうなので今度計ってみます)。

intense22スイングアームの分は塗膜分で重量が増えたと思いますが、フレームは明らかに元々塗ってあった塗膜が厚かったので結構軽くなったと思います。ってMTBでそこは気にする所ではないですか(笑)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

INTENSEアルミフレーム&スイングアーム 本塗り

intense14 大変お待たせしました!インテンスのアルミフレーム&スイングアーム、無事本塗り完了しておりますのでご安心くださいませ。

intense15 いきなりの本塗り完了ですが今回ご指定頂いたスズキスイフトの「チャンピオンイエロー」(カラーコード:ZFT)はそれ単体では殆ど隠蔽しないような色ですので、まずはホワイト、その後隠ぺい力の高いイエロー(今回はVWの「サンフラワー」)、その後この色に似てもう少し隠蔽力の高いイエロー(フェラーリのイエロー)、そしてこちらのイエローを塗ってクリアーを塗っています。都合下色を3色使っていたりします。

intense16 ちなみに塗装のトラブルで多いのが「ベースコートの厚塗り」で、例えば最初からこのイエローだけで始めたとなるとベースコートだけで8~10コート程度必要です(STANDOXの場合ですが他も同じでしょう・・・)。ここまで塗るとかなり問題なので、先に紹介したように下塗りを駆使してコート数を減らし(今回は5コートです)、さらにベースコートに直接硬化剤を入れて硬化不良を防止しています(通常STANDOXはベースコートに硬化剤は入れなくても大丈夫です。ただDUPONTは・・・笑)。

intense17それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。GWに突入してしまいますので完成は来週7日以降になるかと思います。もう少々お待ちくださいませ!

INTENSE MTBフレーム 下準備

intense7 溶剤槽に浸け置きしておいたインテンスのアルミフレームです。旧塗膜はかなり綺麗に取れましたがワイヤーガイド部など細かい部分に若干残っているのでそこはサンドブラストで除去します。

intense8 子傷などがある場合はダブルアクションサンダーで削り落とし、その後リン酸処理を行いよく洗浄しておきます。

intense11 こちらはフレームのリヤ周りに着くスイングアームで、元々塗装はされていませんが表面は艶々で恐らくアルマイト処理がされているので全体にサンドブラストを掛けます。

intense12こんな感じで全体の素地を荒らして塗装の密着性を高めます。この後はフレームと同じく燐酸処理を行いますが、全体的にブラスト作業がしてあればそれは省いてもOKです。今回はフレームにその処理を行うので、これを溶剤を使って脱脂洗浄するなら一緒に燐酸処理をした方が効率が良いですし、やらないよりはやった方が良いので行っています。

ちなみにサンドブラストやペーパー掛けが物理的な素地調整とすると燐酸処理は化学的な処理方法(化成処理)といった感じです。金属表面に出来た燐酸皮膜は塗料との密着性が高いと言う訳ですね。

 

intense9 そしてセット完了です。ボトムブラケットが着く部分やシートポスト内側、ネジやベアリングが入る箇所はマスキングしてあります。

intense10 そしてプライマーを塗って下準備完了です。ここまで来ると一安心です。

intense13元々の状態は(多分)アルマイト皮膜があったので未塗装の状態でも腐食はしなかったですが、それが無くなると何かしらの処理をしてあげないとアルミも腐食します。アルミ自体も酸化皮膜を作りますが(と言うか金属なら全てそうですよね)、それだけでは足りないので補助的に塗装などで防錆処理をしてあげる必要があります。「だったらアルマイトの上に塗装をすれば完璧なんじゃ」と思いそうですが、この場合は鉄に施してあるメッキと同じく塗料の密着性が著しく劣るので、メッキやアルマイトの上にそのまま塗装を行う訳にはいかないのです。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。昨日自宅で色も作って来ましたので近日中に本塗りを行う予定です。もう少々お待ちくださいませ!

INTENSE MTBフレーム 旧塗膜剥離

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先日溶剤槽に浸け置きしておいたインセンスのアルミフレームです。一週間くらい浸けておいたので半分くらいは剥がれて来ています。

剥離に使っているのは一般的な使い捨てタイプの剥離剤では無く、スプレーガンを洗った後に廃棄する汚れたシンナーを集めて満たしたタンクにフレームを沈めておいています。使っている内に目減りする分は新たなシンナーの追加が必要ですが、こういった塗膜片以外にゴミとなる物が出ないので私的に気に入っています。工場を移転した際にも一旦一斗缶に移して持ってきていますからかれこれ5年くらい使いまわしているのではないでしょうか。

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ただしその威力は剥離剤程に強力では無いので、残った塗膜はスクレーパーやワイヤーブラシなどを使って剥がし、ある程度傷を付けたら再度溶剤槽に沈めておきます。多少でも傷が付けばそこから溶剤が浸透し易くなるので剥離のスピードが上がるので時々これをやってあげると効果的です。ちなみに温度が高い方が分子の動きが活発化する為か剥離能力は高くなりますので冬場に比べればこれでも大分スピードは早い方なんですよね。

という事でもう少々お待ちくださいませ!

インテンスMTBフレーム&スイングアーム塗装承ってます

intense先日到着しておりましたインテンスなるメーカーのMTB用フレームとスイングアームです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

ちなみに車種はm1 SLとの事で、私的に知らないメーカーでしたので(すいません・・・)一応調べてみましたが、どうやらバリバリのMTBメーカーの模様です→INTENSEオフィシャルサイト

intense1 スイングアームは未塗装の状態ですが余りにもピカピカなのでこのままだと塗装の密着性が悪いですから、こういう場合は燐酸処理だけではなく最初にサンドブラストで素地を荒らしておく方が塗装は剥がれ難くなります。折角綺麗なので勿体無いですが、これが塗装の下地となると逆に仇になってしまうんですよね。

intense2 ご依頼頂いた色は鮮やかなソリッドカラーのイエローで、これはスズキのスイフトに採用されている「チャンピオンイエロー」(カラーコード:ZFT)です。ちなみにこの色はキャリパー塗装で何度か塗っているので知っていますが、ちょっとあり得無い程隠蔽しない色でして・・・。

 

intense3ちなみに自転車の塗装で良くあるケースなのですが、現状の塗膜は「艶はあるのに映り込みが悪い」といった状態になっています。これは肌調整をしないまま塗膜を塗り重ねてしまった為か、あるいは一度の本塗りで何度もクリアーを塗ったかですかね。エアー圧が低いとこういった肌にもなりますがもはやそういうレベルではありませんので・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。ちなみに剥離を行う溶剤槽には現在業者さんからご依頼頂いているマセラティのヘッドカバー一式が入っていましてこちらはそれが出てからとなりますので少し先になるかと思います。ご容赦くださいませ。

改めましてこの度のご依頼誠に有難う御座います!