メガネフレーム マスキング~本塗り

megane9 かなりの画像数になってしまいましたが作業は一気に進みました(進めました)ので続けて紹介させて頂きます。

このメガネフレームは赤と黒がこのように配置されたデザインで、今回のご依頼はこの配置自体はそのままでそれぞれの色を「赤→こげ茶」「黒→明るい茶」に変更するようご依頼頂いております。

ただこの「柄はそのまま」って言うのが実は相当難易度を高めていて、私も実際にやってみるまではそこに全く気が付きませんでした。まあこれはいつもの事ですか(苦)。

megane10 今回ネックとなる事は「元の形」と「左右対称」の二つでして、これをフリーハンドでやるとなるとどれもちゃんと揃いそうも無いので今回は「型紙」を作る事にしました。

量産体制ならデータ化してカットも機械にやって貰うところですが、この柄はこれが最初で最後となるでしょうから(笑)今回はそこまでは行わず、クリアーファイル使って型を作ります。 柄に合わせてカットし、それを反転して反対側にも使います。

megane11 蝶番の箇所もマスキングが必要です。取れれば楽なんですけどね・・・。

megane12 この箇所のマスキングは簡易的に済ます場合もありますが、最近はちゃんと貼っています。偶然ですが定規が一緒に写ったのでやっている事がどれくらい細かいか解かりますよね。

貼り方としては、カッターで1ミリ~2ミリ幅にマスキングテープをカットし、それを適当な長さにカットしながらピンセットで貼っていきます。ちなみにこの後フレームの仮組みを行うのでこの蝶番部分のマスキングは最低4回必要です。忍耐の作業ですね。

megane14 そしてベースコート塗布です。フロントフレームは明るい茶色を全面に、テンプル(サイドフレーム)はこげ茶を全面に塗布します。塗り分けを行う都合上、この方法が最もスマートに完結する作業工程で挑んでいます。

megane15 そして仮組み~塗り分け部のマスキングです。塗り分けのマスキングはズレが生じたらマズイですので実際に組んだ状態で行っています。

この時点で塗り分けのラインを決めますが、それがそのままマスキングになる為に最初に2色それぞれ違う色でスタートしています。ちょっと説明が難しいですね。私的にはこの方法しか有り得なかったのです。

megane16 再度フレームとテンプルをバラバラにし、蝶番の部分をマスキングし直したらいよいよ最後の工程です。二度目の色を塗り、マスキングを剥がしたら「半艶クリアー」を塗って無事本塗り完了です。画像は塗りたてなのでクリアーにはまだ艶があります。

megane17そして強制乾燥後、艶が消えて「半艶」になりました。

組み付けはさらに数日寝かしてから行います。もう少々お待ち下さいませ!

メガネフレーム 色作成

megane7 こちらも大分お待たせしております。2トーンカラーでご依頼頂いているメガネフレームです。うっかりしていましたがご依頼は「半艶」だったのでしたね。ただ半艶クリアーの場合はそれ専用のクリアーを使いますから、オプションで付けて頂いた「クリスタルクリアー」は使えませんので見積もりから除外致します。失礼しました。

ただこういった半艶クリアーまたは艶消しクリアーは実はクリスタルクリアー以上に高額商品だったりして(笑)、本来はこの場合も値上げしなければならないのですが、まあ今の所はとりあえずOKと言うか余り深く考えていませんので引き続き今まで通りとしておきます。なので材料としては凄く良い物なので御安心下さい。後からシンナーのように入れるタイプとは違い最初から練りこまれている物なので耐擦り傷性能は高いのです。

megane8と言う事でこんな感じで色の作成が完了です。セオリーどおりですがやはり同系色の2色であれば違和感も無く渋く決まりそうです。ただし2トーン柄のマスキングは大変そうですね・・・。型を作った方が楽なようならそうするつもりです。

ではではもう少々お待ち下さいませ!

 

メガネフレーム 素地調整

megane4 今回のご依頼品のように複数の色で構成されているメガネフレームは「違う色の樹脂」を組み合わせて作られています。塗装では無いんですよね。

ただそれだけに溶かし込んで付けた時の歪み?のような物が残っています。まあ気にしなくても良いのかも知れませんが今回の肝な部分なので先にここを処理しておきます。

megane5 メガネフレームに使われている樹脂素材は比較的切削性が良いので簡単に削れます。溶け込みも良さそうで恐らくはアセテート樹脂でしょうか。

研ぎはいつものサフェ研ぎと同様、#320→#400→#600として平滑に研いだら最後に全#800で全体的に足付け処理を行います。

megane6そして素地調整~足付け処理はこんな感じで終了です。鼻当ての部分は塗装しないのでペーパー傷が付かない様にマスキングをしています。本塗り時にはちゃんとマスキングし直します。

次は色の作成ですね。進行しましたらまた紹介させて頂きます。

 

メガネフレーム塗装 完成

 紹介が遅れまして申し訳御座いません・・・そして大変お待たせしました!白いセルフレームは今回の塗装で無事黒フレームとなって完成となります。撮影したのは昼頃だったのですがバタバタしていたらあっという間に12時間が経過していまして・・・。

 レンズの取り付けについてはちょっと前までは公にしていなかったのですが、何度かお受け付けしていて特に問題は無さそうなので今はご相談に乗っています。レンズの脱着に関しては無料です(ただし責任は負えませんが・・・)。ただ現在別件でご依頼頂いているナイロンワイヤーで固定しているタイプのフレームに関しては非対応ですかね。そもそも材料であるワイヤーを持ち合わせていませんので・・・(ただいつかはマスターしたいかと)。

 メガネの塗装は正直な所今はまだ仕事としては成り立ちませんが(実は相当時間が掛かっているので・・・)、「場所を取らない」「材料を余り使わない」と言う事で、特に後者の溶剤臭の問題をクリアー出来る事により、いずれ私の老後を支える大切な仕事の一つになると信じています(笑)。自宅の一室でも出来るような仕事ですから、工場家賃など掛からずコスト安で仕事が出来るのです。個人年金だけじゃ到底生きていけませんからね(しかもそれすら貰える可能性は微妙ですが・・・)。

zoff8蝶番のマスキングも最初はこんなに細かい作業は大変だと感じていましたが、何度かやっているとやはり慣れるもので、恐らく今回の仕上がりもメガネ屋さんが見て気付かないと思います。技術と言うよりピンセットの使い方に慣れてきたんでしょうね。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました!

メガネフレーム 組み付け

 こちらもお待たせしております。塗り終わったのは結構前ですが今回はレンズの組み付け(と言うか嵌め込み)があったので出来るだけ塗膜をしっかり硬化させたかったのです。

megane3フレームを組み付ける前に先にレンズを取り付けてしまいます。レンズは多少小さくしていますが、嵌める時はどうしても無理やり押し込むようなやり方での組み付けとなるので、レンズの縁には予め潤滑の為に洗剤を塗っておきます。ちなみにレンズを取り付けるのは表側からです。

で、レンズは無事塗膜を傷付ける事もなく装着出来まして、この後テンプルとフロントフレームをネジで固定して完成となっています。

明日改めて写真撮って完成画像アップしますね。もう少々お待ち下さいませ!