RB26→RB28タイミングベルトカバー 調色

先日到着しておりました日産GT-R用RB26エンジンのプラグカバーです。現在施工中の同車タイミングベルトカバーの色見本として送って頂きました。

色はR35GT-Rに採用されている日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)で、これに関してはメーカーから配布されている配合データもありますが、今回はさらに調色作業(有料)も承りました。

今までの一般的な調色方法としては、メーカーから配布されている配合データから色を作って実車(見本)と照らし合わせて調整を行う方法がありますが、今回は珍しく平面部分があったので、測色機=アクワイヤーを使って配合データを出してみる事にしました。

ただ使うのが余りにも久しぶり過ぎてソフトの使用期限が切れていた事に気が付かず、困ってデモマンの方に連絡したところ、緊急の対応方法を教えて頂き無事使えました!

カメラで読み込んだ画像を基に修正が行われた配合データを使って塗料を作成します。

ちなみに自動車のボディ色であれば各塗料メーカーからその配合データは配布されていますが、塗料の原色はメーカー毎に違っている為、今回のように予め再塗装されていた物だとしても同じ色が出来るとは限りません。と言うより同じ色になる事はまず無いです。

さらには実車の色も車体毎に色ブレは生じていて、以前作成しておいた色でも、同じ車種なのに今回の車両とでは全く違う!なんて事も普通にあります。

バイクのパニアケースやフロントグリル等であれば多少の色ブレがあっても目立ちませんが、例えば四輪車のドアを交換した場合はそれだけを塗ると隣接するパネル=フロントフェンダーとリヤクォーターパネルとの色違いが目立ってしまいますから、調色作業をした上でさらにどちらのパネルにもベースコート(色)のボカシ作業(塗装)を行うのは基本的な作業だったりします。コストを極力抑えたいという実費作業ならブロック塗装を行う事もあり得ますが、保険作業でわざわざボカシ無しで1パネルのみの塗装にする事は普通しないですよね(勿論メリットよりデメリットが上回る場合は何とかしてブロック塗りを行う場合もありますが)。

と言う事で今回は測色機を使えたのでちょっと安心していた所もあったのですが、やはりと言うかブロック塗りとなると(タイミングベルトカバーだけの塗装となると)全ての方向=正面&斜め&透かし全てを合わせようとするのは難しく、結局かなりの時間を要してしまいました。

配合データそのままだと正面で見た時のメタリック感=MIX895のオレンジメタリックが強く、それを抑える為にその他の原色=主にマルーン系を増やし、

さらに斜めの角度で正面の黒さを出しつつ、透かしの透明感のある白さを出す為にフリップコントローラー=MIX008を使って調整を行いました。

尚ベースコートだけだと艶が無いので色の確認が出来ませんから、途中まではシリコンオフをスプレーして色味を確認していますが(缶スプレータイプの艶出し剤と同じです)、ある程度のところまで来たら実際にクリアー(硬化剤は入れず主剤とシンナーのみ)を塗って色味を確認します。

完全とは言いませんが、配合データそのままに比べると大分良くなったと思いますので、こちらを本塗りに使おうと思います。

ちなみに調色で作った塗料は0.03L程度なのでこれでは足りず、なのでこれとは別に下塗り用を配合データそのままで作り、最初にこれで完全隠蔽してから調色して作った色を最後の2コートに使います。小物の塗装の場合、塗料を無駄に余らせても使い道が限られますから、出来るだけ無駄を無くす為ですね(それにしても塗料の高騰が止まりません…)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

インプレッサステアリングスイッチパネル 本塗り

先日下塗りを行っていたスバルインプレッサ用ステアリングスイッチカバー(リモコンカバー)と、色の見本としてお預かりしたステアリングスポークカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

艶具合は良さそうで、色だけ若干調整しておきました。

ゴミが着いた部分は#800で研摩して均し、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行います。

台にセットし、よく脱脂清掃をしたら本塗り開始です。

色は既に塗られているので(完全隠蔽しているので)、

ベースコートは1回のみで大丈夫ですが、一応1コート目が塗り終わった時点でタッククロスで全体を拭き上げ、もう1コートだけ塗っておきます。

そして調整した半艶クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

塗った直後は艶があるのですが、埃が付くとまた塗り直しになってしまう為、今回は指触乾燥するまで近寄らず、1時間以上経って艶が引いてからの撮影としておきました。

ゴミの付着は見受けられず、この後熱を入れて完全硬化後に最初に行った下塗りと艶具合が変わっていなければ完成となります。条件からして問題無いかと思います(ベースコートの厚塗り等で艶具合が変わったりしますがそれに対応しての下塗りだったので大丈夫だと思います)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

インプレッサステアリングスイッチカバー 下塗り

先日調色作業を行っていいたスバルインプレッサ用ステアリングスイッチカバー(リモコンカバー)と、色の見本としてお預かりしたステアリングスポークカバーです。

塗装するのはこちらのスイッチカバーで、足付け処理の為に表面をペーパー(布状研磨副資材)で擦ってみると、クリアーが塗られていないのが判ります。

全体を#1300相当で研磨したら、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って細部まで足付け処理を行います。

そしてこちらは先日調色作業を終え、3種類の半艶クリアーを塗っておいたテストピースです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

平面と曲面では艶具合が違って見えるので、それぞれ違う形の見本を作成しています。

また今回使用しているパールは艶具合によって色味(彩度・明度・色相)が変わってしまう為、ここでもう一度調色作業も行います。

艶具合に関しては、当初は当店規定の半艶クリアーで大丈夫だと考えたのですが、それだと曲面で見た時に艶があり過ぎたので、今回はこちらの艶消しと半艶の中間=「1:1」を採用する事にしました。平面で見ると艶具合が足りないのですが、曲面で見ると少し艶があり過ぎる感じで、これが実物に塗られれば丁度良くなると思った次第です。

そして今回の被塗物を台にセットして本塗り準備完了です。

素地が露出している箇所があるので、プラスチックプライマーも塗っておきます。

ベースコート塗装後、お預かりした見本のパーツの色と確認し、

最後にクリアーを塗って下塗り完了です。

作業内容自体は本塗りと変わり無いのですが、実際にこの形に塗られてみないと色味・艶具合が判らないので、今回はまずこれを下塗りとし、次を本塗りにしようと思った次第です(手間は増えますがその方が精神的に断然楽になりますので)。

本塗り時と同じ様にこの後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

インプレッサステアリングスイッチカバー 調色

先日お預かりしておりましたスバルインプレッサ用ステアリングスイッチカバー(リモコンカバー)と、色の見本としてお預かりしたステアリングスポークカバーです。今回は画像手前にあるスポークカバーのグレーメタリックを参考にして色を調色し、奥にあるスイッチカバーに塗装を施すよう承っております。

通常の自動車車体色であれば予め配合データがありますが(市販の量産四輪自動車であればまず100%あります)、今回のような内装パーツの場合はそれが存在しない為、一から色を作成する必要があります。

実際に色を作ってみて判った事ですが、これまでは「グレーメタリック」と紹介していたところ、実際にはメタリックでは無く「パール」だという事が判りました。またホワイトパールの原色は4種類あり、実際に試してみた結果、一番粒子が小さいアーミンパール=MIX836を使う事にしました。

使用した原色は黒(MIX571)とアーミンパール(MIX836)、赤青味を出す為にブリリアントレッド(MIX576) 、赤茶色味を出す為にカッパートナー(MIX582)の4種類となります。

色の見本には艶が無いので、その状態で色味が合うようにしつつ、

ウェットに濡らして艶のある状態で色が近づくよう調整します。ちなみに色見本は恐らくクリアーが塗っていない(ベースコートのみ)の為に溶剤系は使えず(表面が溶けて色味が変わる恐れがあるので)石鹸水を使い、色板の方は水を着けると台紙に染み込んでしまうのでシリコンオフを使っています。

調色が終わったら、次はクリアーの作成となります。今回は色だけでは無く「艶具合」も合わさないといけない為、3種類の半艶クリアーを用意しました。

また平面だけだと艶の比較が難しい為、立体的な色見本も作成します。

尚、半艶クリアーは艶ありクリアーと同じく2液ウレタンなので、塗って直ぐに艶の比較は出来ず、なのでこの後本塗り時と同様に熱を入れて完全硬化させてからの確認となります。また塗って直ぐに熱を入れると艶の引け具合に影響が出てしまう為(メーカーのマニュアルにもこの記載があります)、こちらも本塗り時と同様、一日自然乾燥させてから熱を入れるようにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

インプレッサステアリングスイッチカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたスバルインプレッサ用ステアリングスイッチカバー(リモコンカバー)です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状はシルバーメタリックに塗装されたこちらのカバーを、

見本としてお預かりしたこちらのステアリングスポークカバーのグレーメタリックカラーへの塗装で承っております。

以前同じような感じで塗装した事例がありますので、そちらを紹介させて頂きますね。

恐らくこの時と同じ色で、黒の上にシルバーを薄く重ねて表現したような色になるかと思います。

その時は通常の艶あり仕上げでしたが、今回は艶具合も合わせるよう承っておりますので、調色作業とは別に「艶調整」の作業も行います。

早速分解しました。塗装するのは画像右下のシルバー色のスイッチカバーのみとなります。

ちなみにですが、丁度この時別件でご依頼頂いていたパーツが「半艶仕上げ」で、そちらの艶具合と確認する事にしました。

大きい方のパーツはトヨタ2000GTのエアークリーナーボックスで、以前ご依頼頂いた時の同型パーツは艶あり黒の塗装でしたが、今回は純正風にという事で半艶黒でのご依頼となりました(一応撮影しているので後日施工例紹介のページで紹介させて頂こうと思います)。

艶具合的にはこちらと丁度良いのですが、実際に塗ってみるとこれが結構変わってしまう事が多く、ですので一応事前に色板は作成するようにします。艶具合が変わってしまう理由としては色々あり、事前に作っておいた見本通りには行かない事が多いんですよね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!