ランチアヘッドカバー&サージタンク結晶塗装 完成

lancia14 大変お待たせしました!ランチアデルタのヘッドカバー&サージタンク、結晶塗装のブルーで完成となります。

ヘッドカバーは元々腐食が酷かったのでまずはそれをブラスト屋さんで直圧のブラストで処理して貰い、その後は知り合いの業者さんにアルミのオイルキャップが付けられるように加工して貰いました。折角なので最初の画像を紹介させて頂きますね。

lancia1 最初はこんな感じでした。lancia2アルミでここまでの腐食に至るのは結構稀なんですけどね。ランチアのヘッドカバーに使われているアルミ材も特別腐食し易い訳では無いですし・・・。

lancia15フィンの部分は塗装後にペーパーで研磨して光らせ、最後にクリアーを筆で塗ってあります。

lancia16 プラグ穴周りは比較的塗り難いのですが丁寧に塗ればここも綺麗に結晶目は並びます。

lancia17 この型のヘッドカバーはオイル注入口の蓋がゴム製のパッキンになっていて、ただそれだとどうしても注入口周りはオイルで汚れてしまいますから(多分)、今回はこれをアルミ製のネジ式キャップへの変更を承りました。といっても部品自体はオーナー様自ら用意し、その加工取り付けもうちでは出来ませんから知人の業者さん(いつものブレーキ屋さん)に御願いして取り付けて貰いました。汎用のアルミパイプをそれぞれの内径に合わせて削り出してエポキシ接着剤で固定しています(入れる時は油圧プレスで圧入したと聞いたと思いますが、結構前の事なのでもしかしたらこれは違うかも知れません)。

ちなみにプラグカバーはオーナー様がどこかの業者さんにてメッキを掛けて貰ったそうです。折角なのでもっとちゃんとした画像を紹介出来ればよかったのですが・・・。

lancia18 サージタンク(インマニ)はその形状からして少々塗り難いところはありますが、こちらも均一に塗れるとこんな感じで結晶目が綺麗に並んでくれます。ただ多分こちらは裏側なので付いてしまうと二度と見る事はないのかも知れませんが・・・。

lancia19それでは後ほど完成の御連絡を差し上げますね。明日の夕方便で発送可能です。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ランチアヘッドカバー&インマニ結晶塗装 本塗り

lancia8 大変お待たせしました!ランチアのヘッドカバー&インテークマニホールドも無事本塗り完了しております。ヘッドカバーはお預かりしてから半年くらい経ったでしょうか・・・(と言っても放置していた訳では無くインマニを待っていたのです)。

lancia9 ヘッドカバーの腐食はかなりひどかったですが、インマニの方は旧塗膜を剥がしたら比較的綺麗ですのでリン酸処理のみで本塗りに挑みます。

lancia10インマニはちょっと変則的な固定方法ですが、裏側を塗る為にはこうしておかないとちゃんと塗れないのです。吊るしてという方法もあると思いますが大抵はこの姿勢で塗っています。

lancia11 そして結晶塗装用の塗料(専用のがあります)を塗布します。今回の色は以前塗装したベンツのヘッドカバーの色を参考にしていますので、青に白と赤を入れて色を作っています。

ちょっと見た目が汚いですが、鋳造製品とは大体こんな感じで、平滑に見える素地も実は結構ガタガタしていたりします。もしこれが結晶塗装では無く「艶々仕上げ」だった場合、この仕上がりじゃ残念過ぎますよね。なのでその場合はプライマーの塗装以外に、「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程が必要で、この形を全面研ぐ訳ですから相当な手間と費用になるのです。塗装屋さんなら判ると思いますが相当気が滅入りますよね・・・(一日研ぎだけで終わってしまいますよ)。

lancia12 ただ結晶塗装の素晴らしいところは、そういった素地の悪さも殆ど判らなくしてくれるところです。実際は凸凹の面でもかなりフラットに見え、巣穴やバリも殆ど目立ちません(実際にはそれらもかなりあります)。

lancia13そしてインマニも本塗り完了です。ちなみに画像を良く見て頂くと判りますが、手前の穴が開いている箇所のフチに何か脹れているのが判ると思います。結晶塗装のように100℃以上の熱を掛けるとこういった脹れが生じる事があって(恐らくは残っていた水分が気化して膨張した為かと)、途中で気付けば針で穴を開けてエアー抜きをしてあげれば良いのですが、気付かないままだとこのように肥大化してしまいます。

が、塗装にこういった事は結構付き物でして、逆に毎日何事も無く平穏無事に作業が進むという事の方が稀ですから(多分ですが)、ある程度の年数をやっていれば対処方法は色々判ってきます。問題なのはこういった事を放置する事で、大事なのはその後のフォローと折れない心(苦)かと思います。

ちなみに場所が特定されてしまっていますので当然完成後には凝視されるかとは思いますが(苦)、実は既に修正も済んでいまして、恐らくは元々こうだったとは判らないと思います。当然塗り直している訳ですが、こういったケースでは部分的な補修で対応出来るのです(一応はこれで食べて来ていますので・・・)。ただし塗った直ぐでなければ駄目なのと、一応手間はそれなりには掛かりますから「ここだけ塗って欲しい」といったお問い合わせはされ無いようお願い申し上げます(全てのケースで部分的に綺麗に直せる訳では無いのです)。

それでは完成しましたら改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

結晶塗装関係 下準備

road50 結晶塗装関係も結構溜まって来まして、こちらも水面下で作業進行しておりますので御安心下さい。

手前の裏返っているのはロードスターのヘッドカバーで、こちらは未塗装品なのでアクリル洗浄液で浸け置きしておきました。オイル汚れも綺麗に取れています。

真ん中のインマニはランチアデルタの物で、これには元々黒の結晶塗装が施されていたので溶剤槽に浸け置きしておき旧塗膜を剝がしました。奥のフェラーリのヘッドカバーは業者さんからのご依頼品でこちらも同時に進行しております。V8エンジンなので二個で1セットですね。

road51 若干ですが表面に腐食が出ていて、オーナー様的に長く乗りたいとの事ですのでサンドブラストを承っています。

road52 台風一過で超暑い日でしたが、ブラストボックスの横に扇風機を持ち出して風に当たりながらの作業だったので比較的落ち着いて出来ました。この作業、ハロゲン投光器のせいで凄く暑いんですよね・・・。

road53と言う訳で本日はここまで進行しました。

後日まとめてリン酸処理を行い、よく洗浄して乾かした後に結晶塗装本塗りとなる予定です。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ランチアインマニ 結晶塗装承ってます

lancia6先日到着しておりましたランチア用のインテークマニホールドで、こちらは現在作業承っておりますヘッドカバーの追加品となります。これでようやく全ての準備が整いました!

lanciaこちらが先にお預かりしていたヘッドカバーで、既に業者さんにてサンドブラスト処理とオイルキャップ土台の取り付けまで完了しております。今までここでストップしていたのです。結構時間が経ってしまったので改めて紹介させて頂きますね。

lancia1 最初に届いた時はこのような状態でした。マグネシウムなら判りますがアルミでここまで腐食が出るのも結構珍しいかも知れません。しかも私的な見解からするとランチアのアルミは比較的腐食が出難いタイプだったと思いますが・・・。

lancia4そして通常はここにゴムキャップで蓋となるのですが、今回はここをネジ式のキャップに変えたい、と言うことでも御依頼頂いてます。ただし当店ではこのような加工は出来ませんので、以前からお付き合いのある業者さん(本業はブレーキ関係です)に御願いしてやって頂きました。通常はお受け付けしておりませんので御注意下さいませ(ただし塗装の付帯作業として、実際に作業出来るかどうかの判断は検討いたします)。

lancia7作業内容の確認ですが、マスキングをする箇所はガスケットやネジが着く部分で、この辺りは常識的な内容で行いますので特に問題は無いかと思います。インジェクター周りは穴を一回り大きく円形にマスキングを施しますのでこちらも特に問題は無いかと思います。上面のフィン6本は塗装後に削り出して光らせます。

benz68 色はこちらのブルーを参考にします。結晶塗装の青にしては比較的鮮やかな色味ですかね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

新旧ヘッドカバー 完成画像

lancia3 ちょっと前に業者さんからご依頼頂いたランサーヘッドカバーの完成画像があったので紹介させて頂きます。こちらは比較的最近のヘッドカバーですが、同じ様な内容の艶有り塗装でもかなり古いヘッドカバーもご依頼頂きましたので一緒に紹介させて頂きますね。

lancia4 ヘッドカバーの塗り替えは結晶塗装が多いですが、今回のように艶有りの仕上げも可能です。ただし結晶塗装に比べ下地処理がシビアになりますからこちらの方が費用が高くなるケースが多いです。そもそも結晶塗装は鋳造製品の素地の悪さをそのままでも綺麗に見せる為に採用された塗装ですから当然といえば当然ですけどね。

lancia5 ヘッドカバーに使う塗料は通常の2液ウレタン塗料です。よく「耐熱塗装で」とご希望されたりしますが塗装屋としてはその意味と言うか必要性は良く判りません。剥がれる事を懸念するとしたらそれは塗料の問題では無く下地に問題がある場合が殆どだからです。新車の時から塗られている塗装は焼付け型塗装ですが(「耐熱」では無く「焼付け型」です)、10年くらいすると塗装がペリペリと剥がれるのは大抵はプライマーが塗っていない事が原因です。罪の無い材料が濡れ衣を着せられるのはちょっと可愛そうですので、責めるのであれば使用方法を間違えたメーカーの方かと・・・。ただRB26エンジンのヘッドカバーはちゃんとプライマーが塗ってあるので勝手に剥がれたりはしないですよね。どなたかが頑張ってくれたのだと思います。FJは駄目でしたが・・・。

lancia6 そしてこちらはかなり古いランチアのヘッドカバーです。元々腐食が出ていてボロボロの状態でしたが、「直圧サンドブラスト→エポキシプライマー→プライマーサフェーサー→研ぎ」で下地を作り直したので研き無しでも艶々に仕上げられました。まあこんな形ではポリッシャーが引っかかって直ぐに下地が出てしまいますので普通は研きませんよね。

lancia7こういった部品は恐らく最後までゴミ(スクラップ)になる事は無く、同じように「レストア」といった作業は私的に好きです。ただそれを「車体」でやろうとすると正直商売としては中々難しいと思います。見た目だけを綺麗にするなら何とかなるにしても、鉄板の合わせ目や溶接などで熱を入れた箇所の裏側や袋状になったピラーやサイドシェルの内側などまで気にすると終わりが見えなくなってしまいます。やればやる程そういった箇所が気になってしまうので、到底「見て下さい」「ベストを尽くしました」なんて言えなくなってしまうのです。

対してこういった部品単体の物であれば完璧は無いにしてもある程度の理想にまでは近づける事は出来ます。実はこのパーツは馬の置物と同時期での作業だったので、それと一緒に一旦九州まで移動して(勿論発送で)直圧ブラストを浴びて戻って来ています。車体でそれはさすがに難しいですが、単品部品であればそんな事も現実的な費用内で可能になるので、自分で言うのも何ですがお陰で今は比較的満足出来る仕事が出来ていると思います。有り難い限りですよ・・・。