レガシィ(from北海道)内装パネル デカール作成

legacy6 今回のレガシィ内装パネル一式での御依頼では、左右のエアコン噴出し口にある「開閉マーク」の復元も御依頼頂いております。ここを気にされる方はそんなに居ないと思いますが拘る所は人それぞれだと思います。 参考資料としてレガシィのメーカーカタログを一緒に送って頂きました。

legacy8解りますでしょうか?エアコン噴出し口の横にあるダイヤルの上下に「○」と「●」がプリントされています。

当初は単なる丸かと思いきや、「楕円っぽい形で、資料も用意しますので復元を」との御依頼ですのでちゃんとデータから造る事にしました。

legacy5 上の画像はCG(と言うか単にIllustratorで造っただけ)でして、これを基にデカールを作成します。

作ったマークは単なる楕円に見えますが「O」(オーの大文字)と「o」(オーの小文字)と「0」(ゼロ)から似たようなフォントを10種類くらい候補を出し、そこから細部を修正してこの形になっています。長方形と楕円が混ざったような感じですよね。これでも意外と手を入れているのです。どうも私も変なところで凝る性格のようでして・・・(これのせいでいつまで経っても利益が増えていない気が・・・)。

legacy7そして実際に数種類のサイズを紙に切って現物に合わせてみました。予めサイズを測ってディスプレイ上で作成していましたがやはり現実で見てみると一回り小さい感じです。上の画像は修正した後に撮影しています。

ちなみにこのマーク、塗装でも出来そうな気がしましたが「O」の中の丸の幅は1.3ミリしかないのでこのサイズをカットするのはちょっと出来ない気がします。出来たとしても綺麗な輪郭には出来そうも無いですし・・・。

なのでこういった場合は塗装では無く「デカール」での作成となりますが、通常のプリンターで「白」を印刷する事は出来ないので(出来ませんよね?)、そこでこれを可能にするのがマイクロドライプリンターなる専用の機器の登場です。モデラーの世界では昔から常識的な物みたいですが私が知ったのはつい最近なんですよね。

ちなみにこれについては自宅作業場に設定しているので、後日帰宅した時に作業する事にします。いや、実は昨日データは持って帰っていて早速これを造る予定だったのですが、ようやく手が空いたのが3時過ぎだったので流石にそこから現場作業をする気力(と言うか体力)は残っていませんでした。帰宅して直ぐプリンター用のPC電源は入れておいたんですけがそのまま何もせず電源落として寝ました・・・。

・・・!!と言う訳で本日は早めに帰宅して自宅作業場にてデカール作成に勤しむ事にしました。(ここから追記としています)

legacy9 作業場のパソコンを立ち上げてプリンターにインクリボンをセットします。インクジェットでは無く昔ながらのインクリボンなんですよね。これが「ホワイト」の印刷を可能にしているのです。もう廃盤ですが・・・。

legacy10 ちなみに私の持っている機種は古いタイプなので本来「ホワイト」は使えません。ただこれは「裏技」を使って対応出来るのです(と言うのをネットで色々紹介していました)。

このプリンターの特徴としては、インクリボンのケースに貼られた「バーコード」を読み取る事で各インクリボンの制御を可能にしているのですが、これの「黒」に貼ってあるバーコードシールを「白」のケースに貼り替える事で誤認させ白を使えるようにします。バーコードのシールはわざと剥がれ易いようになっているのでメーカーも暗黙の了解なんでしょうね。自作派のユーザーとしてはこういった所に強い好感を持つので、その後も長くそのメーカーを贔屓していくのだと思います。この辺はさすがアルプス電気です。最近本社も新しくなりましたし(それは関係無いですか。本社は比較的近所なのです)。

ちなみに「白」は二種類あって、同じ位置に印刷出来る「ページ合成」なる機能を使ってこの二種類の白を重ねて印刷します。密着性を良くしつつ隠蔽性を高くしているんですよね。凄いプリンターです(なのに何故廃盤に・・・)。

legacy11そしてプリント完了です。一応予備のものとサイズ違いも作っておきました。実際に工場で何か違うと気付いてもあちらでは作業出来ませんので予め多少のトラブルは想定しておきます。

それでは作業進行しましたらまた紹介しますね。実作業はまだ少し先になるかとは思います。

レガシィ内装パーツ(from滋賀) 下準備

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こちらは「半艶黒」でご依頼頂いているレガシィの内装パーツ4点です。同じく「半艶仕様」でご依頼頂いているフォレスターのツマミと一緒に塗れるように準備をしておきます。

ちなみに画像左側の部品二つは新品で、元々は「艶消し黒」だったものを「半艶黒」に塗りなおします。

これを見たブレーキ屋さん曰く、「どっちも同じように感じるけどそれは意味があるの?」との事ですが、オーナー様としては全然違うんですよね。気にするところは人それぞれなのです。

ちなみに私が今読んでいるクリスアンダーソン氏の著書「メーカース」の文中で、「人はみな、異なる欲求とニーズを持つ、唯一無二の存在だ。インターネットには、物理的な市場にはない、僕達全員の居場所がある」、と書かれています。

さらにそれに続けて、「いま、物質的なモノにも、同じことが起きている。」とも記載されています。何かここで紹介している事に似ていますよね。

一昔前であれば、今回のような「半艶黒」で統一された製品が売っていなければ諦めるしか無かったのですが、現在であればインターネットを使ってそれを実現出来る店舗を探す事は難しく無く、しかも個人レベルでそれを形にする事も可能になりました。昔はどこも個人じゃ全くと言って良いほど相手にもしてくれませんでしたよね。私も何度も苦い思いをしました・・・。

ちょっとした事でも自分好みに出来る小物塗装はかなりニッチな市場ではありますが、これからもこういったご依頼はもっと増えて行く気がします。

ちなみに塗装屋の見解としては「艶消し」と「半艶」は全然違いますよ(笑)。

レガシィ(from北海道)内装パーツ 下地処理

legacy2塗るのはまだ先ですが、各部品のチェックも含めて出来る物は先に下地処理をしておきます。まあ凄い数ですね・・・。

ご依頼頂いた部品の殆どは純正部品に本物のカーボンマットを張り込んで作られた手の込んだ部品で、これを塗ってしまうのはちょっと勿体無いのでは・・・と思いましたが、オーナー様曰く「一旦気になりだしたら気になってしょうがありません。今では私も蛇の皮の模様に見えてきてしまっているのです。」との事でこれらのカーボン部分は全て塗り潰す事となりました。

が!、実際に作業してみて解かったのですが、これについては確かにその通りだったのかも知れません。

legacy4部品を良く見てみるとカーボン表面がどうも変な感じに凸凹しています。どうやらカーボンマットの織り目の凸凹が残ったまま仕上がっているみたいです。

本来カーボンパーツは「型」に張り込んで成型し、そこから外す事で表面は平らにし仕上がっている筈なのですが、これは部品に直接カーボンを貼って樹脂で固めているだけなので繊維の網模様がそのまま残ってしまっているのです。結果、まさにこれが「蛇の革」に見えた訳で、当初これに不快感を感じた奥様の「なにこの蛇の模様みたいなのは。気持ち悪いんだけど」といった事は間違っていなかったのかも知れません。

legacy5 実際に削ってみるとその凸凹さが良く解かります。途中何度も研ぎの工程があった筈ですが、しっかり平らに研いでいなかったのかも知れませんね。

legacy6 もはや軽く研いだだけでは平らになりませんので堅い当て板にペーパーを張って全体を研ぎ直します。多少カクカクしても構うことは無く、ちゃんと目が無くなったら手研ぎで均します。さらに最後は水研ぎで深いペーパー目を消しつつ形を整えます。

legacy7 小物入れ(灰皿?)の部分にはナビのリモコンが埋め込まれていて、それとリモコン受動部は塗らないようにします。ちなみに今行っているマスキングは塗装の為の物では無く足付け処理時に傷が付かないようにする為の物で、本塗り時にはちゃんと貼りなおします。

当初この枠も分解出来ないかと思っていましたが、こちらには接着剤が付いていなかったのでネジと爪を外したら簡単に取れました。想像していたより難易度は低くなりましたのでこの辺も無理なく仕上げられると思います。

その他諸々の部品も無事分解出来まして、ただ一部はサフェーサーなど塗る物もあるので引き続き手が空いた時に下地処理を進めておきますね。もう少々お待ち下さいませ!

レガシィ インパネ(エアコンパネル) 分解

legacy1 偶然ですが現在お二人の方から同じ部品をご依頼頂いていたりします。以前やった事があるような無いようなちょっと記憶が曖昧なのですが、何だか勝手に手が動くような感じなので多分以前にも分解した事があるような気がします。

パネルには液晶部分のクリアーパネルと、その両側には「TEMP」なる文字がプリントされた小さなプレートが貼ってあります。マスキングでも出来ない事は無いかも知れませんが仕上がりの事を考えると付いたまま塗るなんてあり得無いですよね。

legacy2 「TEMP」のプレートを裏側を見てみると穴が開いています。イルミネーション照明と連動してここが光るっぽいですね。透過するように穴が開いているのだと思われます。または外し易いようにと気を利かせてくれているのかも知れませんね(そんな訳ありませんか・・・)。

legacy3両面テープなどの粘着面は温度が上がると接着力が落ちるといった性質があるので、熱量の高い工業用ドライヤーで十分に暖めたら裏側の穴からプラスチック製のヘラなどで押してあげると比較的簡単に剥がれます。これが照明を透過するとしたら裏側を傷付けるとマズイので(傷が見えてしまう場合があります)ドライバーなどは使いません。

貼られていた両面テープは素手で触ったりホコリを付けたりしないように気をつけ、そのままテープ用の台紙に貼っておきます。こうすれば両面テープは貼り直さないで再利用が可能です。何かを分解する時は組みつけの時の事も考えておくのは基本ですかね。

ちなみに上の三つの画像、一番上は滋賀県の方からのご依頼品で、下の二つは北海道の方からのご依頼品で、同時に作業している訳ではありませんがそれぞれ良い画像を組み合わせて使っています。

アクリルプレートも同じように両面テープで固定されていますので、触って傷をつけないよう予めマスキングテープを貼っておいてから慎重に外しておきます。

レガシィ内装部品 塗装承ってます

legacy こちらも紹介が遅れてすいません。偶然ですが今回は同時期に同じレガシィの内装部品をご依頼頂いていたりします。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

先ほど紹介した方のご依頼では「艶有りブラック」でしたが、こちらは「半艶黒」でご依頼頂いています。理由としては「ツヤの統一と傷がつきにくい方がいいです」との事からです。確かに傷が一番目立たないのは「半艶黒」ですかね。なるほど、です。

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こちらは小物入れで、上の画像とはちょっと写り方が違いますがこれは届いた時期が違ったからですね。艶有りでは無く、半艶にしては変な艶の感じがします。ポテトチップスを食べた手で触った時ような不自然な光り方といった感じですかね・・・。今回の塗装で全て払拭したいと思います。

それではこちらも作業進行しまいたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!